ケアマネージャーの皆さんは、自宅訪問の際、マナーには気を付けていますか?
完璧にマナーを守りすぎてしまうと、余計固くなってしまい、ご本人との距離感に難がでることもあります。
そうは言っても、訪問のマナーを知ったで行うのと、知らないまま適当に行うのとでは、違います。
思わぬところで、失礼と感じられていることもあるかもしれません。
基本的な訪問マナーを覚えたうえで、対象者に合わせた接し方に切り替えながら訪問できることが、デキるケアマネージャーというところ。
正しいマナーを押さえつつ、ケアマネージャー業務の中での許容範囲を含めてまとめてみます。
玄関前(外でのマナー)
到着時間
5分以上前の到着は、逆に失礼です。
学校や職場で、5分前行動!10分前行動!なんて言われてきたかもしれませんが、相手のある訪問場面では早ければ良いという訳ではありません。
一般的には、前後5分の間にとも言われています。早めに行くと、相手方の準備が出来ていない場合もあります。少し遅れて到着が相手を慌てさせずに良いと5分後の到着を勧めるマナーもあります。
無難なラインとしては、0~5分前の到着が良いと思います。
高齢者でも、せっかちな方の中には『時間でも来ない!』と早々に事務所に電話する方もいるので、遅れるよりはなるべく時間ぴったりが良いのでしょうね。
呼び鈴・インターホン
一度押したら、しばらく待ち、何度も押さない。急かすことは控えましょう。
この辺は、ケアマネージャーの方は日常的にわかっていると思います。高齢の方は、すぐに応答することができませんし、玄関までの移動に時間が掛かるものです。
一度押してからは、しばらく待ちましょう。何度も押してしまうと、焦って転んでしまうことも多いです。
上着
寒くても、家の外で脱いでいますか?
上着は、インターホンを押しドアが開くまでに脱ぐのではありません。インターホンを押す前に脱ぎます。
カメラ付きインターホンなどの場合、相手の目に映る時には脱いでいることが良いとされます。
ズカズカと中まで案内されて、座る直前で脱ぐなんてことが無いように、これは事前に脱ぐ習慣を持っていた方が良いと思います。
玄関内
靴を脱ぐ場面
脱ぐときに揃えながら後ろ向きに上がることをしていませんか?
『綺麗に揃えて上がれて、私はできるケアマネージャーでしょ?』ではありません。
揃えながら後ろ向きに上がると、相手に背・尻を向けた状態で上がるようになります。これは、失礼。
正面を向いたまま上がり、振り返って靴を直します。ここでのポイントは、相手に背・尻を向けないように、半身は相手を向く姿勢で靴を揃えるところ。
『背・尻を相手に向けない』ように動くことを意識してください。
靴を置く位置
玄関にも上座・下座があります。
玄関の下座は、下駄箱がある方。下座寄りに靴を揃えておきます。下駄箱に踵を向けて置くといったマナーもあるようですが、逆に浸透していなくて、おかしな置き方と思われないか私は不安であまり行っていません。
位置だけを下駄箱寄りにしておけば問題ないかと思います。
部屋の中
座る位置は下座であったり、座布団の座り方などマナーも色々ありますが、室中でのマナーは、ケアマネージャーの訪問上では、基本的な部分だけで問題ないでしょう。
結婚の挨拶のように机を囲み、固い話をするといった場面とは違いますから。本人・家族と話がしやすいように本人の側やベッドの近くに寄ったり、案内された場所で良いと思います。
座布団の座り方マナーですが、これが細かい。簡単にはあげるとこんなところ。
- 直接座布団に座らず、座布団の下座に座ってから膝を滑らせ、乗る。
- 立ち座りの際に、座布団を足で踏まない。
- 座布団の上で挨拶しない。
ざっくり書きましたが、座り方・立ち方にも細かくマナーがあります。ただし、そこまで固く守ると距離が出すぎてしまうので、こちらも気にしないで良いと思います。
1点、しっかりと注意するべきとすれば、『畳の縁や敷居は踏まない。』と言うこと。家の中で痛みやすい部分なんですよ。
これも、真剣に意識する必要もなく、気にしていない対象者も多くいると思います。ただ、クセとしてこれを身に着けていると、日常のいざという場面に役立つと思いますよ。
飲み物・お菓子
ケアマネージャーとして訪問している以上、積極的にお茶やお菓子をいただくのも、如何なものかとも思いますが、簡単なマナー程度は知っておいて損はありません。
- ふたが付いているものは、茶たくの下に挟み、転がらないようにする。
- 左手で、糸底を支えて飲む。
- 茶たくは、置いたまま。ティーカップなどのコーヒー・紅茶の皿は持って飲むことも可。
こんなところでしょうか。
出されたお茶菓子も、マナーのうえでは、全ていただくことが基本の様です。これも居宅訪問では、守らなくて良いかなと思いますね。
帰る場面
帰るタイミング
もちろん、用が済んだら、早々においとまします。
と言っても、こちらの用事が済んでも、本人・家族からの話もあるかもしれないところがケアマネージャーの難しいところ。
お一人暮らしの高齢者は、ここぞとばかりに、話し相手を捕まえて、なかなか離してくれないこともしばしば。
あまり、時間が掛かる場合には『申し訳ありません。次の方の訪問時間がありますので』などと低調にお断りして帰りましょう。
あまり長い時間を費やす方には、適当な時間で事務所から『緊急事態なので帰宅を!』と、言った電話を入れてもらい、引き離してもらうきっかけにしたこともありましたね。
角の立たない、上手な言い訳を考えて帰りましょう。
上着を着る
上記で触れたように、上着を着る場面も家を出た際です。相手方から『寒いですから、ここでどうぞ』などと促された際には、その場で着ることも良いとされます。
ケアマネジャーの訪問マナーまとめ
ざーっと、訪問の際の流れに沿って並べてみましたが、実際にここに挙げた100%を私は実践していません。
ただ、頭の片隅には入れて置き、固くならずに失礼のない程度に実践しているつもりです。
相手に合わせたマナーを実践することが、失礼のないマナーではないかと思いますよ。