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地域包括支援センターでの在宅看護実習:実習指導は何をしたら良い?

桜餅

こんにちわ!酒坊主たろく(@taroku56)です!

地域包括支援センターによっては、社会福祉士や看護師の学生を対象に、実習の受け入れを行っているセンターもあるかと思います。

それでも、看護師は1年を通してわずかな日数。社会福祉士は結構長かったりもしますね・・・。

職員の異動も激しい地域包括支援センターでは、初めて実習生を担当するなんて場面もあるのではないでしょうか?

短い期間であっても、実のある実習にしてもらえるよう、実習プログラムについて簡単にまとめてみました。

桜餅

20代の学生なんて、私は緊張しちゃって、お話できません。

看護実習は、うちでは主に看護師が対応してます。自分…不器用なので…

※この記事は、看護実習【地域領域】についてです。

地域包括支援センターでの社会福祉士実習・看護実習の中身と実習目標の例

地域包括での在宅看護実習とは

病院等での医療場面の実習をすでに済ませ、「幼児・老年・精神・地域」と言った領域別での実習。

その中の地域領域での実習先として地域包括支援センターに来ているのだと思います。

ただし、社会福祉士の相談援助実習とは違い、日数が1~2日間などと、とても短いのではないでしょうか?筆者の所属するセンターでは、1人につき1日。1日2人ずつで、5日間に分けて来ています。

そのためか、実習としてよりも、見学としての意味合いが強いと感じています。

実際に、今年来た実習生も、最初の挨拶で、

実習生

センターの見学に来ました、●●大学の▲▲です。

よろしくお願いします!

と、『見学かよっ!』と言いたくなるような、実習挨拶をする実習生もいました。

多い日数で行うものではないため、受け入れるセンター側も、見学のつもりで、『地域包括支援センター』は、こんなことをしている場所なんだよ。と言う部分が伝われば良いのかなと思います。

在宅看護実習の狙い

事前の留意点

  • 地域包括支援センターの役割
  • 介護保険制度や地域包括ケアシステムについて
  • 多機関、多職種での連携
  • 地域包括支援センターでの看護師の役割

学校側も、この辺を実習の狙い・テーマとして挙げてきているのではないでしょうか。

その中で、

  • 『最低1件の自宅訪問を混ぜてください』
  • 『サービス担当者会議や地域ケア会議など、多機関の関わる会議にできる限り出席させて欲しい』

と言った依頼が先生から入る場合もあるかと思います。

 

自宅訪問や、会議出席など直接の依頼があれば、それに沿ってプログラムを組む必要がありますが、

保健師・看護師の実習では、その役割でもある、予防プランに目を向けすぎてしまい、モニタリングや担当者会議の開催に時間を割くと、地域包括の研修ではなく、ケアマネージャー業務の実習になってしまうので注意。

 

社会福祉士の実習とは異なるため、アセスメント方法などの相談援助技術やケアマネジメント業務での支援の展開方法という様な、実務的な分野については、深く触れる必要はありません

時間的な余裕もありませんしね。

実習生の多くは、この先、病院などの医療機関へ勤めることとなると思います。

利用者、患者、当事者が、そういった医療場面から地域社会に戻った時、地域の中では、どんな機関やどんな制度で、支えられているのか。

それらの機関がどのように連携を図り、地域づくり(地域ケアシステム)が作られているのかを、感じてもらう事がポイント。

地域・居宅への訪問同行

訪問に同行する際にも、介護サービスで生活が安定している予防プラン担当者へ同行訪問を一番に考えませんか?

無難な人。誰が同行しても問題ないような人。

それでは、ほんとに現場見学で済んでしまい、実習からは離れてしまいます。

できれば、モニタリング訪問をするよりは、サービスに繋がっているわけでないが、適宜見守りが必要な方への状況確認の訪問に同行し、地域支援としての見守り活動の場面を見てもらうことをおすすめします。

また、地域のサロン活動や、総合事業としてのサービスB・C(以前で言う、1次予防や2次予防)に該当するような、地域内での予防の活動の場面の参加・見学の機会が持てたら良いと思います。

地域で、どのような活動がされているのか、地域を見る機会になりますから。そして、その活動に地域包括がどのように関わっているのかを見てもらいます。

担当者会議・地域ケア会議

会議参加は、先生方は大好きですよね。

参加をするにしても、認定更新時の変化のあまりない確認のみの担当者会議の参加では見学です。

実習として、今後に活きる経験に繋げていくためには、

できる事なら、医療面を絡めたサービス調整の担当者会議や、退院調整の際のカンファレンスや退院後のサービス調整に向けた担当者会議参加など、

後々の看護師業務から繋がる場面への参加が望ましいと感じます。

地域ケア会議などへの見学できる場合には、担当者会議よりも優先して参加し、地域づくりの一端を感じてもらうことができれば良いでしょう。

組み込めるなら、入れた方が良いであろう、実習内容

  • 見守り対象者への訪問同行
  • 地域のサロンや予防活動への見学参加
  • 医療機関との連携調整が必要なケースへの同行
  • 地域ケア会議など地域づくりに関する会議の参加

こう言ったことを練り込めると、後々の看護師業務から派生する地域包括支援センターの役割を見ることができると思います。

自身で働く、看護師業務からの派生で繋げていかないと、ただの見学=『へー。そうなんだ。』で終わってしまいます。

特に福祉用具貸与のみの、認定更新後の担当者会議になんて、会議らしい会議にならないのでは?

桜餅

え? 私のせい? みんなそうだよね?

それを見てもらっても、『地域包括を理解する。』には繋がらないと思います。

上二つは、医療機関に繋がる前の、介護予防・重度化抑制に向けた取り組み。

下二つは、医療から地域への連携に関わる取り組み。

短い実習期間の中で、地域包括の役割・機能を感じながら、看護師としての関わり方が伝わる内容で考えてみましょう。

と言っても、都合よく実習日に退院調整や、地域ケア会議が重なるとは限りません。

毎年定例として、同じ時期に実習生が来ていたり、実習の受け入れ日を包括側から提示できる場合には、ケア会議やサロン開催日などに上手く重なるような手配ができると良いと思います。

看護師実習の構成

  • STEP.1
    オリエンテーション(15分程度)
     実習内容の説明と実習目的の確認です。

    実習生に直接、包括にどんな印象を持ってて、どんなことを知りたいかとか、どんな目的で来たかなど、色々聞いてみると良いです。

    実習の予定に変更が効くのなら、ここで聞けた話に対応できる訪問先の調整を考えましょう。

  • STEP.2
    座学(1時間程度)
    ・地域包括支援センターの役割

    ・介護保険、地域包括ケアシステムの概要

    ・担当地区の状況など

    事前に授業等で触れてはいると思いますが、職員の声で直に聞くのとは違います。

    制度を詳しく説明するのではなく、センターの役割や機能、立ち位置を詳しく伝えましょう。

    そんな時に、自治体が沢山購入してくれる地域包括ケアシステムのリーフレットなどが役に立ったりします。

    こんな図のやつですね。

    この図を利用しながら、センターの役割・機能を説明します。

    必ず、概要を伝えた後に、自分たちの市町村では・・・の話もしてください。

    【参考資料】介護保険パンフレット、地域包括ケアシステムのリーフレット等

  • STEP.3
    訪問①
    前述もしましたが、予防プランのモニタリングを1件じっくり行うよりは、地域支援としての見守り訪問に複数件回れた方が、色々な場面の対象者に触れることができると思います。
  • STEP.4
    昼食
     休憩時間はしっかり取りましょう。

    私も実習や研修の時、職員都合で休憩時間削られたら嫌ですから。

  • STEP.5
    訪問②
    利用者のお宅訪問だけでなく、

    ・サロン見学

    ・地域の集まり、民生委員の定例会

    ・ケア会議の参加などが入れられると良いです。

    行先が見つからない場合、通所系サービスの見学なんかを交えても、社会資源の1つとして参考になるとも思います。

    デイサービスがどんな場所かイメージしにくい学生も多いですから。 

  • STEP.6
    反省会
    時間がなくとも、しっかり開催しましょう。

    1日または2日間で、どんなことを感じることができたか。

    振り返りの場面です。

    実習中に生まれた疑問などの返答を行い、残った時間は記録の作成に充ててあげましょう。

地域包括での看護師の役割とは

基本的な配置では、保健師です。看護師が必須と言うわけではありませんので、実習の際にも伝えるべきです。

センター内での役割としては、介護予防についても、運動・栄養・健康管理に目を配り、健康寿命を延ばす取り組みや、健康・衛生に関する予防に向けた取り組みに力を発揮する立場と言われています。

たとえば冬の時期のヒートショックや、インフルエンザの注意喚起に関する話をする際に、看護師が話すのと社会福祉士が話すのとでは、説得力も違いますし、もともとの知識にも差がありますしね。

と言うのも、定義的なもので、

実際に包括で働いていると、3職種同じような業務を行い、際立って専門性が必要な場面の助言という立場の際にサポートを行うという部分が多いかと思います。

業務配分は、各センターでまちまちなところがあります。一応の包括での立ち位置と、実際の現場での立ち位置を伝えられたらと思います。

 

ただし、卒業と同時に、地域包括支援センターで働きたいです!と言う実習生がいたら、

まずは10年20年、看護師としての医療現場で働くことを勧めてあげてください。

理由は・・・働いている方々は、分かりますね・・・?

まとめ

実習として固い印象で考えず、地域包括支援センターがどんな場所で、どんな役割を持つ機関なのかを見学してもらえれば、それも十分な成果だと思います。

地域包括支援センターの業務配分は、自治体によってまちまちですが、予防プランに追われて1日を過ごす地域包括支援センターもたくさんあることでしょう。

予防プランに追われるのは、本来の地域包括支援センターの役割ではありません。

地域づくりや、医療・介護との連携を図る。そういった役割としての場面を、見てもらえる機会がもてたらと思います。