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ADLとIADL、BADLの違いは?自立支援に向けた理解を。

医療介護の業界では、日常的に使われているこの言葉。

一般の方には、ADLIADLがなんの意味なのか。またBADLという言葉は、介護場面の方々でも聞き慣れない方もいるのではないでしょうか。

私たち、医療・介護の専門職は、略語や専門用語などは使用せず、わかりやすい言葉で伝えるべきなのですが、ついつい使用してしまうこともあります。

桜餅

そこは反省していかなければなりませんね・・・

医療・介護予防をテーマにしたテレビ番組なども増えてきている昨今。

一般メディアでも使われることも増えてきているので、飛び交うことの多いADL・IADL知っていると、介護の理解も深まるかもしれません。

ADL・BADL・IADLの違い

ADL=日常生活動作

歩いたり、食べたり、排泄や入浴を指すことであることは、介護・医療関係者では日常的に使う言葉だとおもいます。

そこで良く、ADLとIADLって?って話が出てきますが、『二つの違いは?』ではなく、ADLは総称のようなものです。

ADLが、「BADL」と「IADL」に分かれます。

  • BADL・・・ Basic Activity of Daily Living
  • IADL・・・ Instrumental Activity of Daily Living

一般的に、ADLとして話されているもが、先に書きましたように、

起き上がり・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴

といった、日常的に発生する動作を指します。

B=basic』基本・基礎と言った意味ですね。

歩いたり、食べたり、着替え、トイレ、と言った生活するうえでの、基本的な動作能力を指すわけです。

単純に言えば、歩く能力・動く能力といった。身体の動かし具合を指します。

どんな時で使われる?

例えば、『閉じこもりの生活が続き、ADLが低下しています。』なんて言うときには、

閉じこもりの生活をして、活動量が低下してくると、筋力低下が進み、立ち上がりから、歩行から、スムーズに行えなくなっていきます。

『歩けない・立てない』状態になってくると、日常動作すべてに影響を及ぼしてくるので、それをまとめて『ADL低下』なんて表現をします。

仮に、病院からの退院説明の時でも、この表現をされることは多く、

入院すると病気療養のため、必然的にベッド上の生活が多くなります。

動く機会が少なくなり、高齢者では筋力低下が著しく表れるので、病気は治ったけど、身体の機能が低下した。

なんて状態になります。

そんな時に、『ADLが低下しているので退院後の生活は・・・』なんて説明がされるのですが、これを読んでいれば、どんな状態にあるのかわかりますね。

IADLとは

I=instrumental』手段と言った意味でしょうか。

基本的な動作を指す、BADLよりも複雑な日常生活動作のことです。

具体的には

食事の準備、買い物、掃除、洗濯などの家事にあたる能力や、財産や書類の管理、交通機関の利用、電話の使用、受診や服薬の管理をなど

食事の献立を考え、材料を集め、調理を行う。

電話先の番号を調べて、電話機を操作し、相手とのコミュニケーションを行う。

受診日の管理、服薬の管理など間違えなく行う。

これらは、身体的な機能だけでなく、判断力・理解力が合わせて必要とされる能力です。

在宅生活を送るうえで、特に一人暮らしを行う場合には、ADLだけが確保されていても生活場面では支障がでます。

身体は動く(=ADLは高い)だけど、認知症により、判断能力が低下しているため、IADLは低いなんて状態になります。

実際の生活場面で必要とされる生活能力がIADLで示されることですね。

自立支援に向けた活用

最近強く言われる、介護職の関わり方は『自立支援』です。

特にIADLは、『できるIADL』と『しているIADL』に大きく差があります。

病気や障害、高齢化等により、ADLそのものが低下している場合、リハビリ等での底上げが必要になるかと思います。

ただし、地域包括支援センターが関わることの多い、比較的自立度の高い高齢者の多くは、『できるIADL』を持っているの関わらず、介護サービスや家族支援によって、行う機会を奪われているケースが多くみられます。

介護予防ケアプランを作るうえでは、今の生活の課題と、それを解決するための目標設定を誤らないよう、十分なアセスメントが必要です。

一時的な体調不良時に導入した介護サービスが、回復した後にも継続していることにより、『できるIADL』と『しているIADL』に開きが生まれます。

対象者本人・家族にも、『できることを減らさない』、『できることは自身で行う』といった意識づけを促していくことも必要です。

定期的に現状を評価し、その時の介護状況に見合ったケアプラン作成をしていきたいものです。

自戒の念を込めて。