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新人ケアマネのケアプラン調整:福祉用具貸与サービス導入に関する注意点

福祉用具の貸与の相談は、様々な種類がありますが依頼も多く来る介護サービス。

手すり』のレンタルのようにシンプルなものから、『特殊寝台+エアマット』のように導入後にも身体状態に合わせて適宜見直し、入れ替えも必要とするものまで。

機器に応じて調整の複雑さはさまざまです。

この記事の対象者
  • 新人ケアマネージャーさん
  • 過去に福祉用具関連の調整で失敗した人

基本的なサービス調整の流れから、レンタル品目ごとに気を付ける点についてまとめてみました。

導入前の注意点

軽度者が原則貸与できないもの

軽度認定者には、原則貸与の出来ない品目があります。該当する品目は事前に覚えておきましょう。

軽度者とは?
要支援1・2、要介護1

これらの方は利用できる品目に限りがあります。

要支援1.2
要介護1
要介護2.3 要介護4.5
手すり
歩行器
歩行補助つえ
スロープ
特殊寝台 原則不可
車いす 原則不可
床ずれ防止用具 原則不可
体位変換器 原則不可
自動排泄処理装置 原則不可 原則不可

軽度者が貸与可能な品目は、かなり限られています。

ただし、主治医等の指示により、例外的に貸与ができるものがあるので、軽度者貸与の手順についてはコチラの記事を参照ください。

【ケアマネ実務】福祉用具貸与:軽度者申請の手順と考え方

総合事業対象者の方は、例外的に認められることはなく、福祉用具貸与のサービスは利用できません。

事前確認

  • 利き手
  • 麻痺・拘縮
  • 身長・体重
  • 住宅は賃貸か持ち家か

福祉用具貸与の相談の有無にかかわらず、従来より基本的なアセスメント事項と合わせて確認しておくとスムーズですね。

事業所へ依頼を掛ける時に、『身長・体重』を伝えることで、ベッドや車いす等、身体に合わせた機器のサイズ検討が可能。『利き手』に応じて向きを変えるような品(4点杖など)は、事前に調整して納品してもらえます。

当日、現場で伝えて改めて調整し直す時間のロスを省くことができますね。

目的は、長期か・短期か

一度入れると、なかなか終了とならない福祉用具です。

ケアマネジャーとすればケアプランの発生期間にも影響するので、停滞している利用者には、手すりの1本でも・・・と思いたくなるところですが。

短期的に解消できる課題であるのであれば、導入の際から、現状が改善するまでの一時的な利用目的であることを強く伝えて行くべきです。

楽をするために使うのではなく、今の課題を解決するための手段としての導入といった意味合いの意識づけが大切。この意識をもっていくことで無駄に介護保険を利用してしまうことを防げます。

ケースにもよるので、返すと言われても『できれば使っておいた方が・・・』なんて言う場面ももちろんあります。

導入の流れ

  • STEP.1
    相談

    相談内容によっては、住宅改修や購入も視野に入れましょう。

    品目ごとの注意点は、下記に記載しています。

  • STEP.2
    事業所への依頼

    〇〇持ってきて!』と商品名で依頼をかけるケアマネジャーさんもいますが、選定は事業所に任せることが無難です。身体・生活状態、用具の使用用途を整理して伝え、用具の選定を依頼します。

    福祉用具事業者の多くは、利用申込書などなく、電話で相談・依頼で済んでしまうところが多いかと思います。漏れがないように注意が必要。

    メールやファックスで概要を伝えられれば良いと思いますが、個人情報管理には注意してください。

    ベッドなどでは難しいですが、歩行器や車いす、手すりなど複数持参できる品目については、2~3台の商品を自宅に届けてもらい、その場で本人に選んでもらえることが良いでしょう。

  • STEP.3
    納品

    見本品を納品してもらい、実際に設置・使用をして試してみます。

    歩行器など屋外を想定している場合には、実際に外で使ってみると良いでしょう。その場で複数の機器を試しながら、最終的に貸与に至る用具を選定してもらいます。

    1週間デモ利用の注意

    一週間のお試し無料レンタルなどを行う事業所もありますが、その場で確認できれば早々に契約に移る方が望ましいです。

    体験利用中のトラブルには事業所側の事故保険も適応できません。

    取り合えず置いていくんで、1週間くらい使ってみてください』なんて行ってくれる事業所さんはありがたいのですがね。。。

  • STEP.4
    担当者会議
    担当者会議は納品時の確認を兼ねて実施してしまうことが多いです。

    納品や機器の説明をしながらの情報伝達となることが多いので、ケアプランの他に詳細をまとめた別紙を渡したりすると伝達漏れがなくなり良いと思います。

  • STEP.5
    経過観察

    通常のモニタリングに兼ねて使用具合を確認していくだけで基本的には十分です。

    ターミナルの方や、褥瘡のリスクがある方などについては、適宜状況に応じて用具の見直しが必要になります。情報を適切に収集して福祉用具事業者との連携が必要になりますね。

車いす及び付属品の貸与

利用できるのは、原則要介護2以上。

車いすの種類だけでなく、性能によっても値段が大きく変わります。下記は目安

自走用・介助用 300~700単位
リクライニング式 700~1200単位
電動 1500~3000単位
セニアカー 2000~3000単位

それぞれの種類に対して、バリエーションがあるのかを福祉用具カタログを通して知っておきましょう。

同じ車いすであっても、取り外しや稼働箇所、コンパクト仕様や6輪・4輪、付属品の有無などさまざまわかれます。

細かい性能まで覚える必要はなく、福祉用具事業者に選定も含めて依頼すれば済みますが、これらの情報を知ったうえで、相談を受けると、該当する商品の有無や候補はその場で返答できますね。

  • 日中の使用頻度
  • 時間利用の目的
  • 屋内、屋外の使用
  • 自家用車へ積むことはあるか

この辺が、選定の分かれ目になってきます。

利用頻度が少なく、一時的な外出目的中心であれば、公共施設や、スーパーの入り口に置いてあるような、シンプルなもので十分。費用も抑えられます。

自宅内の利用が中心であれば、小回りの利く6輪タイプが選定候補に入ってくるかと思います。

セニアカーは、電動車いすの一種として介護保険では扱われますが、軽度者にこそ移動範囲を広げる良い手段になります。軽度申請の通りやすい自治体にいる方は、医師への必要性を確認したうえで導入の検討をしてみるのも良いと思います。事故の危険もあるので、慎重に確認が必要。

要支援認定者からすると、単位数が大きく、他のサービスを圧迫してしまう恐れもありますね。

介助用・自走用の選び方

料金としては、大きく変わりません。基本的には使用用途において選定していきます。自身で漕ぐことができない場合や、介助者が常にいる場合には、選定のポイントになると思います。

一般的に自走用よりも、介助用の方が、車輪も小さい分軽くなり、コンパクトです。自家用車に積む場面が多い際にはので便利ですね。

難しいのは、本人自身に漕げる能力があるのに、漕がない前提で介助用を希望される場合。

漕ぐ気になったら漕げる自走用車いすと、そもそも自分で漕げない介助用車いす。漕がない前提であっても、ちょっと自分で移動したい時に、動かせるものがついていた方が、ご本人にとっても良いのではないかなと思います。

漕げる能力がある以上は、漕ぐ予定が無くとも、『自走用を導入しておく方が良いかな。』と個人的には思います。

付属品の導入

付属品として該当するものの例としては

  • クッション
  • テーブル
  • 杖・酸素ボンベホルダー
  • 姿勢維持パーツ

在宅酸素を利用している方に必要なボンベホルダーや、長時間の車いす生活が多い方のクッションなどが該当してきます。姿勢保持のために利用する頭・肘・足の付加パーツもありますね。

日中のほとんどを車イス生活となるばあいには、負荷を軽減できるクッションも付属品として貸与も可能ですが、ホームセンター等で売っている【低反発座布団】などで代用でき、ブレーキレバーの延長ついても、【ラップの芯】などで代用できます。

利用時の状況にもよりますが、なんでも介護保険に頼るのではなく、代替え案も提案しつつ検討できると良いと思います。

車イスだけでなく介護ベッドについても、付属品単品でもレンタルは可能です。

既存の車いす・ベッド等がある場合、不足している付属品のみの貸与も可能です。ただし、自身で購入されたものの場合、一般的に貸与されている付属品が規格外の物であることも多くあります。福祉用具事業所に相談をしてください。

特殊寝台(ベッド)及び付属品の貸与

利用できるのは、原則要介護2以上。

  • ベッド本体
  • マット

付属品と複合し、対象者に合わせた機器選定が必要となる調整。

これらは、本人の身体面生活面の状況と、意向ニーズを福祉用具事業者に伝え、商品の選定そのものから打診してしまうことが良いです。

ケアマネージャーが力を発揮するのは、導入後。

リモコンなどの機械操作は、もちろん福祉用具担当者が説明してくれますが、高さや角度など、器機をどのように日常生活に活かしていくかの助言ができると良いです。

ベッド導入を検討した時点で、身体的には大きく低下している時期だと思います。日頃の状況確認で、ADLや褥瘡の具合など、マット等の用具変更が必要となった際に、速やかに事業所へ伝達できるよう準備が必要ですね。

今後の悪化が想定されるケースについては、事前の担当者会議等でしっかりと触れておくとスムーズです。

配置の提案

転倒リスクを軽減する手段として、介護ベッドを導入するときには、置き場所の提案もしておくと良いです。分解して運ぶので、1階であろうと2階であろうと設置は可能ですが、広さと電源の確認は必須です。

ざっくりと、長さ2m幅1mが確保できていれば導入可能な範囲になってきます。

枕の向きを気にする方もいます。北枕は抵抗ありますしね。

しかし、高齢者のベッド配置においては、乗り降りや動線のスムーズさ、コンセントコードを踏まない配置なども住環境を整えるうえでは必要になってきます。

身体状態に応じて、枕の向きばかりを気にすることができない場合もあるわけですね。

夜間のトイレに行く場面での転倒リスクも高いため、転ばないでトイレとの往復ができる動線作りは大切です。ベッドに加えて、手すり等の提案も合わせて検討していきましょう。

歩行器の貸与

軽度者から利用可能。

歩行器の分類
  • サークル歩行器
  • ピックアップ歩行器
  • シルバーカーのような歩行器

分かりやすく分けると、こんな種類に分類できるのではないでしょうか。

シルバーカーのような歩行器と記載しましたが、シルバーカーと歩行器の違いは、説明できますね?

『押して使うものでなく、支えとして使う物です。』一般的なシルバーカーはハンドルが一直線。押して進みますが、歩行器は、自転車のハンドルの様にU字型。身体を内側に入れて身体を支えながら歩きます。

シルバーカー型のものは、種類も性能も豊富です。軽度認定者にとっては、自立支援にも大きく役立つ器具となるため、積極的な利用をすることにより、外出機会の増加に繋げられます。

スーパーへの買い物を想定した、買い物かごを載せされるタイプや、バス・タクシーに乗せやすいコンパクトにたためる物など種類は豊富です。ご本人の生活ニーズに合わせた選定ができるよう、希望する使用用途をしっかりとアセスメントする必要があります。

ピックアップ型とも呼ばれるフレームのみのものは、コンパクトであり、室内での利用にも適しています。退院後のサービス調整で、病院側からの提案に挙がることも多い用具ですね。

稀なケースですが、自宅内でサークル型の歩行器を希望される際には、住環境と生活動線を確認したうえで導入検討に入りましょう。

複数のレンタル

  • 室内用と屋外用
  • 1階用と2階用

さまざまな生活スタイルにより、歩行器を複数必要とするケースもあるかと思います。複数貸与も可能ではありますが、実地指導等で指摘・確認の対象になることは考えられます。

同じ屋外用同士で、『散歩用とお出かけ用』なんていう理由付けでの貸与は危険です。

なぜ、それぞれを利用する必要があるのかという理由付けを明確にし、ケアプラン・記録へ記載。合わせて自治体への確認をし一度判断を伺っておくことが安全だと思います。

手すりの貸与

軽度者から利用可能。

調整するうえで、知っておくと便利なこととすれば、手すりの形状と組み合わせのパターンです。

子供の行う知育パズルの様に、さまざまな形・大きさの異なるの手すりが誕生しています。1台単体では解決に至らないものでも、長さや形を組み合わせることで対応できることも多くあります。

使い道もこだわる必要はなく、玄関上がり框用の手すりを、浴室入り口の段差に利用するといった応用も検討できると良いと思います。

また、ベストポジションバー(商品名)のような床と天井で突っ張る式の手すりは、どこにでも設置ができるように見えて、天井次第で難しいことも多くあります。

これならどこでも付けられます』などと安易な提案は控えましょう。

トイレ用のフレーム手すりなども同様に、設置できない形状の物も存在します。判断に迷ったら、安請け合いをせず、福祉用具事業者に一度見てもらうよう提案していきましょう。

継続的に貸与となる物なので、なぜ住宅改修ではダメかを判断したうえでの選定が必要です。

住改にならない理由
  • 工事で設置できない位置
  • 一時的な利用予定
  • 賃貸物件
  • 家族の承諾が得られない

などなど、仕方ない部分もありますが、悪質?な福祉用具事業者は、工事よりも貸与を進めてくる場合もあります。負けないように住宅改修で済む部分には実行できるよう頑張ってください。

歩行補助つえの貸与

軽度者から利用可能。

  • 多点杖
  • 松葉杖
  • ロフストランドクラッチ

などが杖の品目として挙がりますが、通常のT字杖は貸与でき無いことを、まず覚えておく必要があります。相談が来る場面は意外と多いです。

また、多点杖。主に4点杖が主流ですね。この杖は、足全てが平面に着地して初めて、安定性を発揮します。生活環境よっては合わない場面もでてくるので、活動範囲を把握したうえでの調整が必要。

使い方が特徴的となる、松葉杖・ロフスト杖などは、病院やリハビリ職との相談のうえで導入することが良いと思います。

杖先が可動するタイプの多点杖

多点杖の種類によっては、4点足の間隔が大変狭く、杖先が可動するタイプの商品があります。

支柱が前後に可動するため、坂道などでも使いやすい4点杖などの謳い文句で宣伝されていますが、自治体によって(私のいる市)は、理由付けと許可を自治体担当課に伺いを立てる必要がある場合があります。

通常の4点杖でなく、なぜ可動式の杖でないといけないのか?なんていういう理由ですね。

該当した事案がないので、『申請に通る例』を提示しにくいのですが、理由付けに悩むところです。

福祉用具貸与における注意点まとめ

ベテランケアマネージャーになってくると、福祉用具事業者に商品名で依頼を掛けてくる人もみられます。

ですが、日々福祉用具に関しても新商品もでてきています。

ケアマネージャーの役割としては、本人の身体・生活状況をしっかりとアセスメントし意向と合わせて伝達する部分。その状態にあった商品選定は、事業者に任せてしまうことが良いと思います。

もちろん、相談を受けた際に『用具事業者に確認してみます』といった返答ばかりにならないよう、可能な福祉用具の有無が浮かぶ程度の、品目や機種については覚えておく必要はあります。

新しい福祉用具カタログが届いたら、ざっくり目を通してみてください。