インテーク(intake)とは、『受け入れ』という意味の言葉です。
訪問・来所・電話などによる、相談者からの初回相談・初回面接を指すのはご存知かと思います。
ケアマネジメント業務は、ここから始まり、本人や家族から、それぞれの事情・要望などをうかがい、ケアプランに落とし込んでいくわけです。
ケアマネ業務のスタートは、インテーク。
今回は、病院からの退院に伴い相談を受けたケースのインテーク場面の注意点を解説します。
ケアマネージャーの方だけでなく、地域包括職員も経験することが多い、相談場面。
何に注意をし、どのように展開していけば良いのでしょうか。
目次(もくじ)
退院調整での注意点
退院調整の窓口は、誰から?
入院中の患者が、退院に向けての調整として依頼が来る場面では、大きな医療機関の場合の相談相手は、医療相談部や退院調整専門の看護師などからの相談が多いです。
ですが、規模の小さな病院やクリニックなどの場合、あまり介護領域に経験が少ない、病棟看護師から相談が入ることもあるはずです。
退院調整に慣れていない、病棟看護師などは、どんな情報を伝えるべきなのかや、介護サービスでどのようなことが行えるかの理解が乏しい場合があります。
ケアマネージャ側から積極的に質問をし、注意して情報を集めましょう。
地域包括が受ける場合、介護保険申請さえも行っていないまま相談が来るケースもあります。
認定状況の確認は必要です。
確認しておくと良い情報
- 入院に至った疾患
- 現状のADL
- 退院時期退院に合わせて必要なサービス
- 退院後にも継続される医療行為
- 退院カンファレンス開催の有無
情報を十分に仕入れず、ただ退院後に引き受けると、困るのは自分自身。
入院中の状況や現状のADLを聞くだけでなく、入院に至った経緯や、どのような在宅生活を見据えての退院になるのかなど聞いておくと良いと思います。
退院と同時に痰の吸引が必要なケースでも、話だけ上がり、手配が宙に浮いたまま退院を迎えたケースもありましたからね。
福祉用具はともかく、手配が必要な医療機器が、その手配が確認が済んでいるかも確認が必要な場合もあります。
在宅に向けて、継続される医療行為であったり、退院後にフォローする医療機関など、確認しましょう。
サマリー作成は絶対じゃない!
退院調整で、忘れていけないことは、看護サマリー・リハビリサマリーの依頼
『サマリーは退院と同時にケアマネはもらえるものでしょ?』
なんて思っていると、痛い目を見ます。
後日、入院中のサマリーを下さいと言っても、『入院中の依頼でないと発行できません。』と言われてしまうと思います。
退院日が決まったら、相談員や看護師にサマリーの準備を依頼しましょう。
看護サマリーだけでなく、リハビリサマリーについても依頼しておくと、退院後のリハビリなど通所系サービスの利用がスムーズです。
本人・家族との関り
初回面談のタイミング
ケースによって、まちまち・・・と言う所ですが、
- 病院内で事前に面談
- 退院前の、家屋調査などの際に自宅で面談
- 退院後に自宅で面談
だいたいが、これに当てはまるかと思います。
一番良いのは、退院カンファレンス等を開催され、その場で引継ぎと説明機会が得られる場合。
家屋調査の場合は、住宅改修の相談であったり、リハビリ職の家屋評価に時間を割かれてしまうため、時間に押されてしまい、ゆっくりと情報収集や制度説明が行えないケースが多くあります。
退院後で初回を済ませる場合は、介護サービス依存度の低いケースですかね。
カンファレンスの開催がなくとも、退院後に担当することが決まっている場合については、入院中に病院にて面会場面が組めると良いと思います。
本人・家族との初回面談では
- 自身の立場を明確に説明すること
- 退院後のサービスに向けたニーズ収集
- 全般的な情報収集
上記は、退院調整の場面において、病院内での初回面談を想定しています。
意外と大事なことが、1番です。
ニーズやアセスメントは、最低限の情報さえそろっていれば、細かい部分は後日改めでも可能です。
それ以前に、病院側から家族に行われたであろう説明では、介護保険のこともケアマネージャーや地域包括の立場も十分に伝わっていないことが多くあります。
なんのために、自身が存在し、どんなことを担う担当であるのかを最初に丁寧にしておくことで、今後の連絡や調整が、大変やりやすくなると思います。
稀にある相談内容として
退院後は老健(老人保健施設)でのリハビリを希望しています。
ですが、空きがないので、ショートステイで待機待ちがしたい。そのためのサービス調整をして欲しい。と言う場合。
家族の希望は、施設入所=老健入所
にもかかわらず、ショートステイでの待機に加えて、ケアマネージャーの存在と、その契約。
医療機関からの言われるがままに、生活場面だけが病院からSS施設に移り、介護保険制度を理解していないままの家族が多くいます。
当面は給付管理だけと、適当な対応をし、細かいことは老健退所で在宅に戻る時になんて思っているケアマネージャー
そんな仕事してると、老健付属の居宅に退所後のケース持っていかれて、いつのまにかサービス終了になりますよ。
ショートステイの手配であっても、担当として就く以上、老健退所後のイメージも踏まえて現状の制度説明。
先の見通しを含めた関わり方ができると、退所の際に相談は来ますし、入所期間を間挟んだとしても、信頼関係が維持されたうえでのかかわりが行えるようになります。
退院前の情報収集の意味
医療に関する情報・入院中の様子など、家族からも聞くことは可能かもしれませんが、専門性には欠けます。
初回の関わりで、必要な情報が十分に集まっていると、その後のケース担当にも役立ちますし、引継ぎがしっかりできている。ケアマネージャーとしての信頼度アップにも繋がります。
相談員からの連絡は、情報収集のチャンスと思って、積極的に質問してください。
ただし、病院側が把握している情報にも誤ったものも稀にあるので、その後の面談で徐々に情報収集を重ねて、裏付けをしていってくださいね。