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支援経過記録の書き方:何を、どこまで記載する?

経過記録は、ケアマネジメント業務において必須となるものですが、その意味は『あの時どんな相談受けたかな?』と言った自身の振り返り・備忘録のためや、実地指導対策のためばかりに役立つのではありません。

いざという時の、自身の身を守るため。適切に業務を遂行している証拠として役立ちます。

使用している介護ソフトや、事業所の方針等により、記載方法にはばらつきがあると思いますが、肝心なのは記載する内容。その中身です。

実地指導で余計な指摘を受けず、かつ自身の身を守る武器に使える経過記録を目指していきましょう。

経過記録の基本的な書き方

記載する内容としては、

  • 年月日
  • 対応時間
  • 場所
  • タイトル
  • 内容

今では、パソコン等の介護請求ソフトを利用されている方がほとんどだと思います。

フト内の経過記録のページの指示に沿って、日時や場所は、打ち込むだけになっているはずです。加えてタイトルの記入についても指定があるソフトもありますね。

頭を抱えるのは、内容を書く場所。

中には、

  • モニタリング実施。詳細は別紙モニタリングシートに記載。
  • 担当者会議実施。詳細は別紙会議録に記載。

こういった記載で済ませているかたもいますが、担当者以外が読んで大まかな一連の流れが分かるように、別紙に記載するにしても、その中身概要は記載した方が良いと思います。

訪問の際の状況については、

  • モニタリングとして捉える現在の状況(利用表確認)
  • 新たに挙がってきた課題や相談
  • その相談に対する対応

1回の訪問内容の中でも、項目ごとに段落で分けて記載すると分かりやすいです。

【モニタリング】体調著変なし。日課の散歩も続けられている。詳細はモニタリングシートに記載。

【ご家族より】散歩に行っているが、玄関の段差でふらつく場面をみかける。本人は意識していないようだが歩行状態が落ちている気がしている。

【対応】通所リハ施設に最近の歩行状態を確認してみることを伝え、住宅改修や福祉用具の必要性を検討する。

記録経過の一部ですが、段落別に分ける目安です。

また、【対応】に記載する内容として、根拠と行動が結びつくように記載していくと、トラブルの際に身を守る手段に役立ちます。

Aのようなことがみられたため、Bを行った。

経過記録の記載内容が言い訳ともとれる表記になってしまうかもしれませんが、根拠となる事案に対し、どのように考え、どんな事を行ったかを記載することが大切です。

行ったことだけを記載しても、後になって読み返した際に、なぜそれを行ったのかわかりませんからね。

書いておくべきワード

居宅介護支援の中で『やらなければならないこと』については、実施した証として、記載しておくべきです。

モニタリング

モニタリングを実施する。詳細は別紙モニタリングシート参照。

今までは、この一言でも良かったのですが、概要程度まで書いておくことが望ましいです。変化なくとも、現在の状況を簡単に書き加えましょう。

利用票の確認

〇月分利用票の確認、同意、押印をいただき、交付する。

月に複数回訪問する機会があると、どこで確認をしてもらったか曖昧になってしまうことも。

サービス事業所の複数提示

通所介護事業所において「A」「B」「C」についての特徴等を説明を行う。

提案したものの『ケアマネージャーさんにお任せします』と言った返答も多いと思います。

提示をするも、ケアマネージャーに一任という返答をいただき、〇〇な理由から『A』事業所を選定。

などと、決定理由を記載。

予め、重説などで、複数の提案を行うことができると謳っている場合については、選定部分を省略し、

事業所においては、ケアマネージャーに一任という返答から『A』を選定。

と言った、提示を省略しても差し支えないと思います。

(新)多様なサービスを位置づけない理由

検討の結果位置づけなかった場合、当該理由を説明できるようにしておくこと』といった記載がQ&Aにあります。

  • ご本人及び関係者の協議の結果、インフォーマルサービスの必要性がみられない。
  • インフォーマルサービスについて提案するも、ご本人の同意を得ることができなかった。
  • 必要性はみられるが、該当するインフォーマルサービスが地域にないため、現行のサービスにて対応を行う。

記載方法の案は、大きく3種。

必要がない場合、同意が得られなかった場合、サービスが無い場合。などが挙がると思います。

また、必須ではないですが、同Q&Aには、インフォーマルサービス等の社会資源が地域に不足している場合『自治体等に働きかけをしていきましょう』とも触れられていますね。

訪問・相談以外に残すべき記録

他機関・事業所との連絡調整

日々のサービス利用状況や本人の様子に変化があった際の情報提供や、担当者会議等の依頼やその照会。いつ連絡したか連絡し忘れていないかを振り返る時の参考にもなります。

ケアプラン等の書類の送付日等も記載します。こちらは証拠作りですね。

送ったつもりで記録を書いてしまい、実は送ってなかった!なんてことにならないように注意。

手続きの代行

更新申請や、減免申請など申請日を確認することにも役立ちます。こちらも手続きをした証拠。行政関係の申請代行については、日付が大切になってきます。いつ行った手続きなのかはしっかりと管理してください。

返した・預かったの記録

介護保険証や負担割合証、事務所でコピーを取るために、一度預かる場面も多いと思います。

後になって、『返してもらってない!』などということにならないよう、『預かった日・返した日』の記録は大切です。

入院日・退院日

入院計画書やサマリーなどを手に入れることができれば、文書に記載があるので必須という程ではないです。

加算の中には、短期集中など退院日等が起算日となって取れる加算もありますよね。縦覧確認などで、国保連から通知が来た際に、あれ?いつだっけ?とならない様に確認できるよう記載しておくと良いと思います。

入院時連携加算を算定する際には、入院日及び情報提供を行った日が正確に必要となるので、日付の把握は大切です。

複数事業所の提示

最近厳しくなってきているのが、ここです。介護サービス等を提案する際に、複数の事業所を提示し、本人や家族に選定の判断を仰がなければいけません。どんなニーズに対しどのような事業所を選定したか提示した事業所を記載しておきましょう。

提案したうえで、ケアマネージャーに任せる』などの発言があった際には、選定理由についても記録に残しておくと安心ですね。

会えていない記録

意外と大事な、『会えなかった』『電話をしたけどつながらなかった』記録。

後に虐待や事件に発展する可能性を秘めな危険な記録ですが、自身の身を守るため、何かあった時に『自分はこれだけ行動をしていた』と胸を張って言えるように、会えなくともその記録を残しておくことも大切です。

そのような場合には、早期のうちに市や地域包括にも一報を入れて、併せて記載しましょう。

書く際に気を付けること

客観的な事実・状況を記載し、記載者の主観は、なるべく書かない。そして経過記録は、本人・家族の目に触れるものと心掛けてください。

実際、経過記録を見られる場面は、ほとんどありません。

ですが、提出・開示を求められた時や、本人宅にケースファイルを忘れた時など、記載者の主観やネガティブな表現による記載が多くあると、別のトラブルに繋がります。

もちろん、認知症状による失敗や住環境のマイナス場面については、ネガティブ事項であっても、事実・状況として記載しておくべきです。

最後に

実地指導対策に良い、記録は何か?

事実とその対応がわかりやすくまとめられて、各機関への調整記録が書かれているもの。わかりやすくと言うのはシンプルに書くこと。

小説のように長い経過記録を作ると、『しっかり書いてますね。』『素晴らしいです!』などお褒め労いの言葉は貰えるかもしれませんが、だからと言ってミスを見逃してもらえるわけではありません。

余計なことまで書いていると、指摘される点を増やすことにも繋がりますしね。

それでも支援経過記録を書き慣れない新人の方は、取り合えずどんどん記載してください。書き漏らすことがあるよりは書きすぎる方が良いです。

業務を続けていくと、必要・不必要が分かってくると思いますので、徐々にそぎ落とし、分かりやすい経過記録を目指していってください。

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