歳を重ねると、若いころと比べて、食事量の低下の低下は見られます。
食欲そのものが減退し、栄養のバランスを崩してしまうと、それを原因に生活状況が一転し介護が必要な状態になる場合もあります。
食事方法や食事内容を見直して、元気な体を維持するためには何に気を付けたら良いのでしょうか?
目次(もくじ)
低栄養・食欲低下の原因
身体機能の低下
高齢夫婦や、独居の人では、買い物に行くことの困難や、若い頃のように長時間立ったままでの調理ができなくなるなどし、十分な食事を確保することが難しくなってきます。
また、脳疾患や認知症の進行により、食べる動作や飲みこみに難が生じた場合。以前の食事スタイルのままでは食べづらく、食べる意欲が衰退してしまうこともあります。
運動・活動量の低下
運動する機会や日中の活動量が減少し、閉じこもり傾向になってくると、そもそも動かないので食欲も出ません。
動かないから食べないでも平気と感じている方も多くいますが、最低限の確保をしないと低栄養に繋がります。
心理的要因
配偶者との死別や、うつ病などにより、気持ちの面から食欲がわかないこともあります。以前は、家族や友人と楽しく食べる機会があったにもかかわらず、独りで食べると味気ない食事になってしまい、食欲もわきません。
歯の状況
食べるためには、しっかりとした『歯』が必要です。入れ歯が合ってなかったり、治療が必要な歯や歯茎がそのままになっており、痛みや食べにくさから、食事への意欲が衰退します。
低栄養が疑われるケース
数値から判断
アルブミン 3.5以下
コレステロール 160以下
体重減少 1カ月で3~5%、3カ月で5~7%の減少
BMIとは、体格指数『 BMI = 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 』を表す数値です。20を下回る場合、低栄養のリスクが高まり、18以下は要注意。
アルブミンは血液中のたんぱく質の量を指し、血液検査の中で測定され、高齢者の栄養状態の把握に使われる指標です。
コレステロールも高いと指摘も受けますが、低すぎることも問題です。
身体症状
- 痩せてくる。
- 皮膚の炎症を起こしやすく、傷・褥瘡が治りにくい。
- 口の中が乾いたり、唾液がべたべたする。
- ふらつきがある。
高齢者に多い症状の、褥瘡(=床ずれ)ですが、完治することが難しいと言われる原因の一つが栄養不良です。
低栄養からの悪循環
低栄養の状態が長く続くと、病気の発症リスクも高まりますし、身体の不調・だるさから、外出機会が減少します。
その状態に加え、加齢による、筋力低下や骨・関節の障害の影響もあり、運動場面だけでなく、日常動作についても支障が出てきます。
ちょっとした転倒から、骨折などのリスクが高まり、改善・回復する栄養も乏しく、長く療養生活を強いられるようになると、介護を要する状態に繋がっていきます。
低栄養からの改善
高齢者の不足になりがちなのは、『たんぱく質』です。
エネルギーになる炭水化物、身体を作るたんぱく質の摂取。加えて身体の調子になる整えるビタミン・ミネラルをバランスよく摂取。
食事内容やバランスを見直すだけで解決するわけではありません。
食事の形状、器具、1日の活動量・運動量、介助者の有無、療養食の必要性、
食事方法や、食事環境、生活環境から見直す必要があります。
改善できない時には・・・
配食サービス
バランスの整った食事を毎日作るには、高齢者では難しいです。
まして、1人暮らしの男性には無理な話。そんな時には、配達のお弁当、配食サービスを検討。
お弁当の配達だけでなく、手渡しの業者を選べば、安否確認も同時に行えます。
配食サービスについては、こちらを参考ください。
見守りにも使える。高齢者のお弁当の宅配・配食サービスの選び方・注意点コンビニ飯の工夫
コンビニ弁当だけでは、もちろん偏りが出てしまいますが、今のコンビニは、レトルトのご飯やカレーだけでなく、食べやすく調理されたオカズから、袋を開けるだけのカット野菜など幅広い商品を取り扱っています。
弁当1つを買うのではなく、おにぎり、副菜、カット野菜など上手に組み合わせると、調理をしなくともバランスの整った食事が出来上がります。
カット野菜は、生野菜よりも栄養が減っているんでしょ?なんて声もありますが、減っていても食べないよりは栄養もしっかり摂れます。
買うことが難しければ、訪問介護ヘルパーなどの買い物支援と併用しつつ行ってみましょう。
まとめ
バランスよく正しい食生活と言われますが、高齢者からすれば、理想論に近い場合が多いです。
その人自身のできる力の中で、確保できる栄養管理を見つけましょう。
一番大事なことは、その人の栄養に対する意識・意欲を変えることですね。