歩くことが不自由になり、スーパーに行くことが大変になった方や、複雑な調理が、行えなくなってきて、惣菜に頼ることが増えた方。コンビニには、簡単に食べることができる食材が多く売っています。
コンビニ飯は、身体に悪いと思っている高齢者の方も多くみられますが、組み合わせを考えるとバランスのとれた食事に繋がります。
料理経験のない、独居男性高齢者に、栄養指導・調理指導をしても、簡単には改善はできません。その人の能力に合わせた範囲で、バランス維持の方法を考えましょう。
調理せずとも、売っている物の組み合わせでバランスを整えられるコンビニ飯についてまとめました。
高齢者の栄養アセスメントに頭を抱えるケアマネージャーさんの参考になったら。
目次(もくじ)
高齢者がコンビニ飯するメリット
24時間営業により、1人暮らしの方をはじめ、夜間早朝の購入など、便利な店舗コンビニです。
『コンビニにはろくな物が売ってない!』と敬遠する高齢者は多くいますが、最近のコンビニは品ぞろえも多く万能。高齢者にとっても使いやすい店舗になっています。
- 食べやすい状態(調理済み)で、1人分から購入可能
- スーパーより店舗数があり、比較的近所にありがち。
- 時間帯を気にせず買い物。(特に早朝散歩のついで。など)
コンビニに売っている商品の多くは、単身世帯を対象にしている物が多いです。店舗数も多い事から、歩いて行ける範囲に店舗があるケースも押いのではないでしょうか。
『遠くの店へ行けない。多くの荷物が持てない』こんなことにはならず、食材を確保することが可能です。そもそもが、単身を対象にしているので、一度に買う量も最低限にすることができるわけですね。
24時間の店舗が一般的になってきていますから、早朝の散歩ついでに行けば、日課として買い物を行うことも可能。
デメリットとしては、スーパーやディスカウントストアに比べて、若干割高となることくらいでしょうか。
このメリットをより、活かしていくために必要なことは、1日3食をバランスよく食べること。
そして、コンビニ飯に限らず、高齢者の食事で気を付けることは、
- たんぱく質・野菜をしっかり摂ること
- 塩分・脂質・糖質を控えること。
コンビニ活用と言っても、コンビニのお弁当を毎日食べろ!というわけではなく、コンビニで売っている物(調理の手間が容易な物)を組み合わせて、栄養バランスを確保していくことがポイント。
調理経験がほとんどなく、死別により1人になってしまった高齢者などに、健康のための料理を教えても、それを常に行うことは難しいです。
手軽に買えるものを、上手に組み合わせる手段・方法を理解してもらうこと。が大切なのではないでしょうか。
料理や調理方法を伝える栄養指導ではなく、何と何を食べれば、バランスが整うのかといった組み合わせパーターン伝えていくことの方が取り組みやすいです。
その組み合わせを、コンビニで容易に準備できる商品で作り上げていけば良いわけですね。
高齢者におすすめコンビニ飯
納豆・豆腐
手軽に食べれる、たんぱく質。日ごろの食事にプラスする習慣を持ちましょう。
根菜系スープ類
インスタントではなく、お弁当売り場に増えてきている調理済みのもの。野菜たっぷり豚汁など、野菜が多いことを強調し、大手コンビニでは並んでいます。
既製品のお弁当では、塩分量が多いことが、少々欠点です。
サラダチキン
こちらも、手軽に取れる、たんぱく質です。封を開ければ、そのまま食べれて便利です。
味付けのバリエーションも増えてきました。色々変えていくと飽きずに食べて行くことができます。
魚系レトルト商品
焼き魚やサバ味噌など真空パックに入っているような商品達ですね。電子レンジや湯煎などで、温めるだけの商品が増えています。
サバの水煮缶などの缶詰も手軽で、賞味期限期間も長いのでおすすめ。
サラダやカット野菜、野菜ジュース
生野菜を食べる機会が減っている高齢者。スーパーで買うと余ったり腐らせたり。食べられる分だけ、その場で購入がおススメです。
野菜ジュースでは、生野菜よりも多くの野菜が摂れますが、糖質が増えてしまうのが欠点。
控えた方がよいコンビニ飯
コンビニ弁当全般
種類も増えてきていますが、弁当1つではバランスは不十分です。1品補うのも高齢者の食事量からは、お弁当にさらに1品加えることは大変です。
調理能力がなく、弁当を食べるだけであれば、栄養管理からすれば配食サービスの検討もひとつです。
菓子パン
手軽に食べることができますが、脂質・糖質量が高くなります。
朝食などの日課として食べるようであれば、サンドイッチにするなど工夫が必要。サンドイッチなどは、朝食には1品で済む為、おススメ。
ドレッシングや即席みそ汁
野菜が味気なく、ドレッシングに頼ったり、手軽さがウリのインスタントみそ汁ですが、どちらも塩分量は高まります。
『減塩』商品を選んだり、食べる回数を減らすなど工夫しましょう。
コンビニ飯の組み合わせ
高齢者には、3食しっかりは大変。朝昼兼ねて食べるなんて声は多く聞こえます。できるところから始めましょう。
『主食・主菜・副菜』この3種類で考えます。分かりやすくは、『ご飯もの』『肉類』『野菜類』ですかね。
- 主食(ご飯・パン)は必ず食べる。
- 加えて、主菜(肉・魚)、副菜(野菜)を合わせる。
納豆巻きと野菜系スープ・味噌汁
簡単に食べれるご飯ものとして、『おにぎり』が挙がりますが、納豆も合わせて摂れる納豆巻き。
野菜系スープは、具だくさん豚汁などで、根菜面もカバー
焼き魚パックと煮物系レトルト
焼き魚も煮物系のレトルトも温めるだけ。これにご飯・味噌汁が付いたら立派な定食になりますね。
サンドイッチ
具だくさんの種類も増えてきています。中身を選ぶとこれだけでバランスも良好。朝食にはもってこいです。サラダやヨーグルトなど1品を足せると尚良しですね。
バナナやトマトなど
野菜・果物を置くコンビニも増えてきています。そのまま食べれる野菜や果物は、日ごろの食事に簡単に1品足せます。
レトルトカレー+一品
レトルトカレーが大好きなお爺ちゃんを担当していたこともありました。ただし、それだけでは偏りますが、加える一品を変えていくことで栄養面にも配慮できます。
- サラダを足すのも良し
- 野菜をカレー入れ、野菜カレーにするのも良し
- 卵・ヨーグルト・チーズなどを加えるのも良し
- 野菜ジュースや柑橘系のジュースを合わせるのも良し。
『カレーばっかり食べて健康に悪い!』と目くじら立てる必要はないのです。
最後に
コンビニ利用を増やしていくメリットがもう一つ。
店舗の大きさが小さい分、利用を重ねる高齢者は店員さんにも印象に残りやすいです。違和感がある際などには、地域包括への連絡相談をいただくチャンスになります。
店舗の立地によっては、圏域や市町村をまたぐ心配もありますが、
そう言った、ちょっとした連絡が行き来する関係づくり をコンビニと地域包括支援センターも作っていけたら、より良い地域づくりの一歩ですね。