1本の介護予防講座として、時間を設けるほどのものではありません。
健康に関する講話や、運動の話をした際に、挨拶に交えた小話として5分もあれば十分な内容。
メインの講師として参加しなかったサポート役の職員でも、ちょっとした挨拶に交えて小ネタとして使うと、先輩のカバン持ちのための参加とならずに済みます。
先日掲載した『正しい靴の選び方』を使ったシナリオです。
高齢者の靴の選び方
まずは、参加者に靴を確認してもらう
集まっている会の内容で、参加者の靴も変わりますので、サンダルであったり、フォーマルであったり、
また、靴を脱いで入室する会場では、確認は難しくなりますので、普段履いている靴を思い出してもらってください。
- 踵がスリ減っていないか
- 踵の高さはしっかりあるか
- 靴底が平らの靴を履いていないか
- サイズは合っているか
- 重くないか
など、自分の靴を見直してもらいます。
そして、その靴選びが、介護予防の観点でも大事なことであると前振りし、高齢者の身体状態の変化の説明をしていきます。
高齢者の身体機能の変化について
高齢に伴う身体機能の変化を説明します。
なんて声をかけると、
おばあちゃん
こんな調子で『あるあるネタ』として、大体の方が頷いてくれます。
そこで変化点を挙げていきます。
- つま先が上がらない。
- 足全体的にすり足歩行。
- 病気の影響などから浮腫みがち
- 腰や膝などの関節の痛みから、独特な歩行スタイル
などなど。こんなことから、若い時と同じように見た目のデザインだけで靴を選ぶと転倒リスクが高まるという話をします。
あるあるネタからスタートしているので、『納得・なるほど』の声が上がってくるはずです。
靴を選ぶ時のポイント
最初に、自身の靴を確認してもらった点がそのままです。
- 踵がスリ減っていないか
- 踵の高さはしっかりあるか
- 靴底が平らの靴を履いていないか
- サイズは合っているか
- 重くないか
追加することとすれば、脱ぎ履きのしやすさや左右差の違いですね。最初と最後に繰り返すことで、重要な点を刷り込みます。
講座の最初から、『靴を選ぶポイントは~』と伝えて、短時間で済ませる場合は、この部分だけ伝えていければ十分です。
靴の見本を持っていく。
靴販売の営業ではないので、その場で購入依頼を受け付けないように注意です。
高齢者にとって安全な靴の構造の例としては、『あゆみ』や『快歩主義』などが定番
こんな構造の靴が、お勧めです。などという例として使用します。
在宅介護支援センターの名残で地域包括を運営しているセンターでは、当時の靴見本が残っていませんかね。新規のセンターでも福祉用具事業所から見本を借りられたりすると思います。
話だけより、実物があると分かりやすさも変わります。
リハビリシューズですと、元気な高齢者たちからは、まだまだそんなの履かないなんて言われてしまうでしょう。
合皮でできた、外出用の介護シューズなどを見本にするのが良いと思います。
最後に
散歩や運動を勧める講座ばかりでなく、運動に必要な足元を見直すことも、立派な介護予防の視点です。
同じような講話テーマばかりになってしまい、ネタに困った時などには、参考にしてみてください。