ケアマネージャーが何する人なのか知らない方も多いと思います。
実際に、介護サービスを利用していても、その場のやり取りだけで、どんな仕事をしているか見えてこない部分も多いですよね。
見えない所でも、1か月間バタバタと忙しく働いており、同様に1か月周期を延々と繰り返していく仕事です。
地域包括やケアマネージャーとして働いてみようかな?と思っている方にとっても、おおまかな就労ペースとして参考になると思いますよ。
ザーっと見てみましょう
一般の方を対象に作成しているため、専門用語や細かい部分などは省略しています。
目次(もくじ)
ケアマネの仕事1カ月(上旬)
認定更新申請の代行
介護認定の更新手続きは、60日前から行えます。
まだ、2カ月も先だからと言って、のんびりはできません。
申請が遅くなると更新結果が出るのも遅れてしまい、更新申請中にも関わらず、期間が切れても結果が下りてない!なんてことになってしまいます。
更新に伴う申請用紙については、市町村より自宅へ郵送されるため、更新時期に該当する対象者には、連絡を取り訪問。申請代行を行います。
ショートステイ申込み
短期入所生活介護(ショートステイ)は、最短1泊から~最長30日間の短期入所が行える介護サービスです。
この申し込みは、施設によりますが、利用月の2~3カ月前の1日が予約開始の場合が多いです。
そのため、利用者から希望が上がっている日を予約するため、申請用紙の作成から申込みを行います。
旅行じゃあるまいし、2か月前から?と思う方もいるかもしれませんが、土日や連休・お盆・年末年始など、早々に埋まってしまうケースも多いのです。
国保連への請求業務(給付管理)
介護保険を利用すると、所得にもよりますが、自己負担は1割で済みますね?
自己負担分以外にあたる9割分を保険請求をする事務処理です。一般的には、『毎月10日』までに国保連合会へ『この人はこれだけ、介護サービスを利用しました。』といった利用実績と共に申請します。
あまり表にでない業務ですが、これを行わないと保険適応が行えません。
ケアマネの仕事1カ月(中旬編)
来月の予定表(利用票)作成
担当する利用者ごとに、翌月分の介護サービススケジュールを組み立てます。
介護等級により、利用できるサービス量に上限がありますので、基本的にはそれを超えないように調整。基本スケジュールに加え、臨時のお休みや、サービス追加などを変更していきます。
利用者の状況確認(モニタリング)
要介護認定者は、1カ月おきに訪問(要支援者は3カ月おき)、状況確認が必要になります。
- サービスの利用状況
- 身体・生活面の変化
- 病状の具合
- 受診の状況・・・など。
その際に、来月分の予定表(利用表)を提示し、不足はないか確認。了解印をもらいます。
認定調査業務の委託
介護認定を取る際または、更新をする際、認定調査と呼ばれる聞き取り調査を受ける必要がありますね?
その調査をする人は、市役所の職員だと思われているかもしれませんが、市町村によっては、更新申請の際など地域のケアマネージャーに委託するところもあります。
上旬に申請が上がった方への調査を委託された際には、ケアマネージャーから認定調査員と呼称を変えて、依頼先のお宅に向かいます。
自身が担当している方の調査をしても良しとする市町村と、担当している人以外を行ってくださいと言う市町村とに分かれます。
ケアマネの1カ月(下旬)
更新結果を踏まえた担当者会議
新たに介護認定の更新結果が届いた方に対し、次の認定期間内のサービス内容について、確認をする場を設けます。
事前に、ケアマネージャーが要望を本人・家族から伺ったうえで、
本人の自宅に、本人・家族・ケアマネ・利用している各サービス事業所が集まり、現在の状況の共有と、利用サービス内容の確認を行う場、それをサービス担当者会議と呼びます。
更新後には、必ず。その他は必要に応じて適宜開催しますが、多くは、認定が切り替わる前の月末頃に開催されます。
予定表(サービス提供表)の事業所送付
モニタリングの際に了解または変更を聞いた内容をもとに、介護サービスを実施する事業所へ来月のサービス提供の依頼をおこないます。
郵送・FAX・手渡し、ケアマネージャーの事業所によりまちまちですが、大体20~25日頃を目安に送付します。
翌月に向けての準備
月が替われば、これまでの繰り返しです。
翌月に、介護認定の更新時期を迎える方は誰か、ショートステイ利用の希望者は誰か、入院中でサービスが休止中の方は誰か、来月上旬の業務が滞りなく進むよう、振り返り準備をする時期です。
定期予定以外の業務
これまで、書いてきたものは、サービスが安定している利用者に対してのケアマネ業務です。
これらが続くだけでは、それほど忙しい一カ月ではないのですが、下記が立て込んでくると、ケアマネージャーは慌ただしくなります。
新規で担当となる利用者の調整
ゼロから介護プランを立ち上げます。
本人の身体状態・生活状況を聞き取ったうえで、困りごと・必要な事を確認。介護サービスでの支援計画を作成
施設入所に伴う支援
在宅での介護サービス調整が主な業務ですが、施設入所の意向・必要性が挙がれば、施設の情報提供や入所支援も行います。
入所が済んでしまうと、ケアマネージャーは仕事が1件減ってしまいます。減収となるわけですが、それでも一生懸命探します。
定期訪問以外の、臨時訪問相談
普段使っているサービス調整だけでなく、臨時で起きた相談、サービスの追加希望がある際など、定期訪問の時期でなくとも、話を聞きに伺います。
通所系サービスであるデイサービス利用の追加であれば、見学などに同行したり、
お一人で暮らしている方の受診に同行することで、医師の話を直接確認・相談をするなどします。
入院中の患者へ
退院目安が分かってくると、在宅に戻るための準備として病院で開かれる病状説明や、退院前説明(カンファレンス)等にも参加します。
まだ未定であっても、病状の確認・治療の進捗状況を知るために、病院に伺うこともあります。
研修
介護保険の制度は、大きな改正が3年おき、その他小さいものも含めると、短い頻度で改正されます。制度に対応するため、また介護サービス調整のスキルアップのため、さまざまな研修に参加します。
情報収集
まだ見たことがない施設・デイサービスを利用者に紹介することは、リスクが大きいです。
『思っていたところと違う!』辞めます!なんて言われたら、せっかく調整したのに・・・と。
なのでケアマネージャー自身の目でどんな施設でどんな特徴、どんな機器があるのかなど確認をしておきます。
新たな施設がオープンした際にも、同様に見学会に参加です。
営業
利用者が亡くなってしまったり、入院や施設入所で担当から離れてしまうなど、徐々に担当ケースは減っていきます。
地域包括支援センターや病院などに、適宜営業活動も行います。
ケアマネージャー業務のまとめ
既に介護サービスを使っている方から見ても、月1回家に来て、少し話すだけでしょ?
と、暇そうに思われる方もいたかもしれません。
どうでしょうか?
1か月間たっぷり働いています。
もし、電話の折り返しが遅かったり、調整が長引いたりしても、少し優しい目で見てあげてください。
ケアマネージャー初心者の方には