高齢者を対象に、全国で実施される「基本チェックリスト」聞いたことはありますか?
厚生労働省で作成された、身体・生活状況から予防支援の必要性についてスクリーニング検査をするための指標です。
- 健康な方
- 要介護状態になっているかた
- まだ元気であっても悪化リスクの高い方
介護予防に向けた取り組みの中で、悪化リスクの高い人への支援を目的として使われることが多いですね。
このチェックリストで該当をした方は、介護保険制度等を利用して、介護予防に対するサービスを受ける対象になります。
基本チェックリストの活用
地域包括支援センターや市町村の担当課にて実施活用され、主に65歳以上の高齢者を対象に、実施します。
身体状態の低下や、日常生活の不安を判定し、介護予防の観点から総合事業と呼ばれる介護予防に関するサービス利用に繋げていきます。
自治体によっては、検診の通知の中に同封されているなどし、セルフチェックにて判定できる所もありますね。
基本チェックリストどんなことを調べるの?
実際には25項目あり、各分野ごとの点数や、総合点数などから、どの分野に注意が必要かなどを測定します。
下記は、その一部です。
身体面
- 1人で、バス・電車等の公共交通機関を利用できるか。
- 徒歩で、どれくらいの時間が歩けるか。
- 最近、転倒をしたか。
- また、転倒をしていなくとも、普段自身の身体状態に転倒の不安を感じるか。
どれぐらいの身体能力が維持されているのかを確認する項目です。
栄養・口腔
- 体重の増減はあったか
- BMIがどれくらいか?
- 固いものを食べる際、食べにくくはないか
- 汁物で、むせ込みはないか
BMIとは、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で表す肥満度指数です。
一般的に太りすぎに伴う生活習慣病リスクについて指摘するためにも利用されますが、高齢者の場合、要介護リスクの高くなるのはBMIの数値が低い場合です。
栄養状態が足りておらず、体力がなくなるため、小さな病気でも症状が重くなってしまう危険を伴うためですね。
閉じこもり
- 週にどれくらい外出をするか。
- その外出頻度は、昨年より減っていないか。
- 友人の家を訪ねたり、家族との交流等はあるか
外出・他者交流は、認知症の予防に大切な事。そういった外出や他者との関りが維持されているかどうかを確認する項目です。
認知症
- 自身で電話番号を調べ、かけることができるか。
- 今日の日付が、何月何日かわからないことはあるか。
自身では気づきにくい認知症に関する項目。自覚が無くとも、日々の電話の使用状況や日付の管理などから確認します。
うつ病気
- ここ最近、楽しんでいたことを楽しめなく感じることはないか
- ここ最近、わけもなく、疲れたような感じがすることはないか
この項目のポイントは、長い期間この状況というわけではなく、ここ最近急に変化があった場合についてチェックをする点。
まずは自分でやってみましょう。
市役所などの高齢者・介護担当課や地域包括支援センターにて用紙はもらうことができます。
ここでも公開。
ご自身でも、ご家族でも、手軽に行うことができます。
基本チェックリストは、一つの目安ですが、今のままで問題がないのか、何か予防の視点で動き始めるべきなのか参考にしていただければと思います。