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居宅介護支援アセスメントシート項目別の記入例・文例:ケアマネ業務

アセスメントシートに記載すべき内容について、項目別に記入例をまとめてみました。

丸ごとコピーしていただいても問題ありません。対象者の状況に合わせて適宜、修正・加筆してご使用ください。複数該当する部分については、上手く繋げて活用いただけたらと思います。

独自アセスメントシートの作成・書き方については、こちらの記事にまとめてありますので参考に。

居宅介護アセスメントシート:様式の選定から書き方、実地指導の対策

アセスメント項目別記入例

ココで紹介するのは、このようなシンプルな形のアセスメントシートを想定しています。このシートでは情報整理が主になるため、別紙や別枠にこれらの情報をもとに『課題分析結果』として総評を記すことができると良いと思います。

ADL、IADLの部分にまとめて記載しているものもありますが、排泄など独立した記載欄があるものは、そちらに掲載しています。

健康状態

主治医の意見書等を参考にしながら、ご本人の医療・健康状況を記載します。

全般

・『病名』の既往。

・定期的な受診が行えている。

・定期的な受診が行えていない。

・週2回往診を利用している。

・身長、体重、BMI

麻痺・拘縮・関節の痛み

・右(左)片麻痺あり

・『〇〇』の欠損

・振戦あり

・不随意運動あり

・円背傾向

・腰痛(膝痛)(肩痛)あり

・右(左)手が挙がらない。

血圧

・血圧(〇-〇)[安定・不安定]

・血圧手帳に毎日記入している。

・血圧によって、めまいや立ちくらみを起こす。

糖尿病

・血糖値『〇〇』[安定・不安定]

・HbA1c『〇〇』

・合併症として『〇〇』がみられる。

・糖尿病治療中。内服により状態は、安定。

・糖尿病薬服用。低血糖を起こしやすい。

・インスリン単位数『朝〇単位、夕〇単位』

・インスリン注射を自身で行っている。

・インスリン注射を家族が行っている。

・糖尿病からの視力低下が現れている。

呼吸器疾患

・在宅酸素使用(安静時〇リットル、労作時〇リットル)

・息切れを起こしやすい。

・呼吸苦を起こしやすい。

・〇〇の際に(呼吸苦・息切れ)を起こしやすい。

・SPO2が〇〇を下回ったら、酸素量を〇〇に。

ADL

移動・移乗

・独歩

・杖使用。

・歩行器使用。

・自走式車いす使用。自ら移動することができる。

・介助式車いす使用。

・身の回りのことは自ら行える。

・身の回りのことは自ら行えるが、どれも時間が掛かる。

・円背が酷く、身の回りのことは行えるが、時間が掛かる。

・屋内伝い歩き。一人での外出はなく、家族付き添いのもと行う。

・独歩で歩くが、すくみ足があり、1歩が出にくい

・独歩で歩くが、ふらつきがひどく転倒の危険が高い。

・車いすへの移乗の際は、家族の介助のもと行う。

・ポータブルトイレへの移乗の際は、家族の介助のもと行う。

寝返り・起き上がり

・寝返り、起き上がりなど掴まらなくても行える。

・周囲に掴まるものがあれば、寝返り・起き上がりが行える。

・和布団使用。寝返り、起き上がりには問題ない。

・自費ベッド使用。手すり(サイドレール)を使用し、寝返り、起き上がりを行う。

・介護ベッド使用。手すり(サイドレール)を使用し、寝返り、起き上がりを行う。

・寝返りは行えない。

・寝たままの寝返りは行えず、一度長座位になってから向きを変える。

・寝返りは行えず、定期的に家族が体位交換を行う。

・寝返りは行えず、定期的にヘルパーが体位交換を行う。

・立ち上がりの際には、サイドバー(サイドレール)に掴まり行う。

・立ち上がりの際には、家族が支えて立ち上がる。

IADL

家事の種類ごとに分けるか、まとめて『家事』として扱うかは、その方の状況に合わせてください。

調理

・自ら行う。

・料理番組等を参考に、身体にいい物を考えながら行っている。

・力が入らず、根菜などの野菜のカットが難しい。

・電子レンジの温め程度であれば可能。

・過去に鍋を焦がしたことにより、行わないようにしている。

・料理は全く行っていない。

・料理は全く行っておらず、食事は配食サービスを利用。

・料理は全く行っておらず、食事は惣菜やそのまま食べられるものを購入している。

買い物

・自ら行う。

・嗜好品のみ自ら買い物をする。

・日用品は、自身で行い、重い物等は家族が行う。

・宅配サービス(生協等)を利用している。

・訪問介護のヘルパーが行う。

・自身で買い物を行うが、管理が不十分。期限の過ぎた食材が多くある。

・(認知症等)勝手に買い物に行ってしまい、冷蔵庫の中に収納しきれない

・(認知症等)同じものをなんども買ってきてしまう

・自身で買い物に行くことはない。

掃除

・自ら行う。

・週〇回、家族が来た際に行ってもらう。

・訪問介護のヘルパーが行う。

・自身はクイックルワイパー等を使用し、掃除機はヘルパーが行う。

・自費サービスを利用している。

・掃除の習慣がなく、不衛生。

内服管理

・服薬管理が適切に行えている。

・薬の管理は家族が行っている。

・お薬カレンダーを利用し、服薬管理が行えている。

・お薬カレンダーを利用するが、飲み忘れや、誤った日付を飲むことがある。

金銭管理

・通帳管理から、日々の金銭の流れまで全て自ら行う。

・家族が定期的に銀行で引き出しを行い届けてくれる。

・金銭管理は、家族がすべて行っており、自身で収支は把握していない。




認知

・問題ない。

・認知症と思われる症状は全く感じられない。

・年相応の理解力の低下はあるが、日常生活に問題はない。

・物忘れがあり、書類等の理解力などもは低いが、日常生活には問題ない。

・物忘れがひどくみられる。

・訪問日や介護サービスの利用日など、予定を忘れることが多い。

・短期記憶の低下がひどくみられる。

・見当識障害がひどくみられる。

・自分の名前を答えることができない。

・自分の生年月日・年齢を答えることができない。

・今の季節を正しく答えることができない。

・同居している娘(息子)を母親(父親)だと思っている。

・今いる場所を「自宅(施設)」と認識していない。

・曜日の感覚が無く、介護サービスの予定を理解していない。

・「食事がでるから食べる。就寝時間だから寝る。」などと、1日のリズムを自身で理解していない。

・外出すると家に帰れないことがある。

・散歩に出たきり帰らず、警察に送り届けられたことがある。

コミュニケーション

問題なし

・自分の言葉で意思疎通できる。

・認知症はあるが、その場のやり取りは行える。

一部困難

・難聴のため、耳元で大声でのやり取りが必要。

・難聴のため、筆談でのやり取り。

・脳梗塞後の言語障害あり。簡単な単語のやり取りに限る。

・脳梗塞後の言語障害あり。筆談でのやり取り。

・気管切開を行っており発話不可。筆談でのやり取り。

・認知症のため、その場のやり取りは行えるが、情報の信ぴょう性は薄い。

・自分の事を一方的に話すが、周囲の話を聞かず、こちらからの伝達が難しい。

できない

・自発的な訴えがほとんどない。

・問いかけに対して、わずかに視線を移す程度。

・重度認知症のため、何を問いかけても頷く等同じ反応をする。

・重度認知症のため、問いかけに対して届いているのか不明。

社会との関り

外出の頻度や、過去の生活歴を元に地域との関りなどを聞き取り記載。

活発

・週〇回、〇〇に参加。

・月〇回、〇〇に参加。

・趣味の〇〇を通して、交友関係は広く保たれている。

・外に出る機会は減ったが、定期的に友人が自宅を訪れている。

・地域の防犯パトロールを行っている。

・以前は、町会長(民生委員)をしていた。

閉じこもり気味

・人付き合いが苦手で、元気なころから交友関係は限られた相手に限る。

・仕事を辞めてから、人付き合いの機会が減った。

・人と会うことが嫌いで、外出は一切行っていない。

・寝たきりであり、社会との関りの機会はない。

排尿・排便

自立

・排泄面については問題ない。

・尿漏れパット使用、交換は自ら行える。

・日中はトイレ、夜間帯はポータブルトイレを使用。片付けも自身で行う。

・バルン使用。処理は自ら行う。定期的に訪問看護がケアにあたる。

・ストマ使用。処理は自ら行う。定期的に訪問看護がケアにあたる。

一部介助

・トイレまで行き排泄を行うが、衣類の上げ下げや水洗などは家族が行う。

・トイレまで行き排泄を行うが、周囲が汚れてしまうことが多い。その後家族が清掃を行う。

・トイレまで行き排泄を行うが、水を流すことを忘れてしまうことが多く、家族が確認し流している。

・トイレまで行き排泄を行うが、衣類のシミ、部屋の尿臭から、失敗も多いと感じられる。

・布パンツ使用。濡れていることもあり、家族が交換を促す。履き替えは自身で行う。

・布パンツ使用。濡れていることもあり、家族が交換を促すが、大したことは無いと応じず、そのままになっている。

・リハビリパンツ使用。汚れたままになっていることもあり、適宜家族が交換を促す。履き替えは自身で行える。

・ポータブルトイレを利用し自立、処理は家族が行う。

全介助

・寝たきりであり、オムツ使用。交換は家族が行う。

・尿意、便意なし。オムツを使用し、交換は家族が行う。

・バルン使用。家族が定期的に処理を行う。




褥瘡・皮膚の問題

褥瘡

・〇〇部に〇〇cmの褥瘡がある。

・褥瘡があり定期的な軟膏、ガーゼ交換の処置を行う。

・褥瘡があり定期的に体位交換を家族が行う。

・褥瘡がありエアマットの利用をしている。

・今後、褥瘡が懸念され、予防目的でエアマットを利用。

その他の皮膚疾患

・白癬の治療中。

・乾燥肌、足を搔きむしった擦過傷が多い。

口腔衛生

自立

・義歯使用無し。自身で歯磨きは行える。

・部分義歯、歯磨きに加え、義歯の洗浄も自ら行う。

・総義歯、義歯の洗浄も自ら行う。

・定期的に義歯の洗浄を行っている。

・日常的に一切の口腔ケアを行っていない(能力的には問題ない)

一部介助

・行為は自ら行えるが、歯磨き粉を歯ブラシに付けるなどは、一部介助が必要。

・行為は自ら行えるが、家族が促さなければ実施しない。

・歯磨きは自ら行えるが、義歯の管理、洗浄は家族が行っている。

全介助

・介護者がスポンジブラシで実施している。

・義歯の着脱及び義歯洗浄は家族が行っている。

食事摂取

自立

・箸を使用し、問題なく行える。

・スプーンを使用し、問題なく行える。

・介護用自助具を使用し、問題なく行える。

一部介助

・食事は自身で摂ることができるが、食べやすいサイズに切り分けるなど必要。

・手が震えてしまい上手くすくえず、家族がスプーンに乗せたものを、自身で口に運ぶ。

・むせ込みが酷く、常に家族が見守りの中食事を行う。

・常食では難しく、『食形:粥、刻み、トロミ等』にする必要がある。

・途中で食べることを止めてしまい、家族が適宜促すことで自ら食べる。

・途中で食べることを止めてしまい、家族が介助のうえで食べる。

全介助

・自分で食べることができず、家族が口に運んで食べる。

・胃ろう

・IVH

問題行動・周辺症状

当てはまるものがあれば、状況を記載。特段無ければ『問題行動なし』の記載程度で十分です。アセスメントシート作成する際には、項目を選択肢にしておき、チェックですませるような様式でも良いと思います。

認定調査の4群がだいたい当てはまりますね。

被害妄想

・『人物:〇〇』が、部屋に入ってきてお金(物)を盗られという訴えがある。

・『人物:〇〇』が、部屋の物を壊したという訴えがある。

・近所の人が、庭にゴミを撒くという訴えがある。

・家族が、自分ご飯を出してくれないという訴えがある。

作話

・(自身の失敗)を『人物:〇〇』がやったという訴えがある。

・(事実ではない)部屋に虫が湧いている等の訴えがある。

・(事実ではない)人が部屋に入ってくる等の訴えがある。

・(事実ではない)人が、自分をずっと見張っている等の訴えがある。

感情が不安定

・突然、状況に合わず怒り出すことがある。

・突然、状況に合わず泣き出すことがある。

・死にたいと泣き出すことがある。

昼夜逆転

・夜中に探し物をはじめ、朝まで続くことがあり、日中傾眠傾向にある。

・夜になると活動をはじめ、日中は横になっていることが多い。

同じ話をする

・説明しても忘れてしまい、何度も同じ話をしてくる。

・自分の気になることは何度も確認するが、忘れてしまうため、繰り返し同じ話を行う。

大声を出す

・外出先で、突然歌いだすことがある。

・外出先でも、自身の思い通りにならないと「早くしろ」「汚い」「お腹が空いた」等、大声で騒いでしまう。

・介助をしようとすると、「痛い」「止めろ」など大声を上げる。

介護抵抗

・介助をしようとすると手を振り払う。

・介助をしようとすると激しく抵抗する。

・介助をしようとすると、「痛い」「止めろ」などの大声を上げる。

落ち着きなし

・「家に帰る」と言って、家の中を歩き回る

・「仕事にいく」と言って、家の中を歩き回る。

・わけもなく、家の中を歩き回ったりしている。

・わけもなく、あちこち荷物を出したりしまったり繰り返す。

1人で出たがる

・「家に帰る」と言って、外に出ようとする。

・「仕事に行く」と言って、外に出ようとする。

・「場所:〇〇」に行く、と言って外に出ようとする。

・目を離すと「場所:〇〇」に行ってしまい帰ってこれなくなる。

収集癖

・自宅内の「品目:〇〇」を集めて自分の部屋に持ってきてしまう。

・施設内の「品目:〇〇」を集めて自分の部屋に持ってきてしまう。

・近所の家の「品目:〇〇」を集めて家に持ってきて帰ってしまう。

・ゴミ捨て場から「品目:〇〇」を集めて家に持って帰ってきてしまう。

物や衣類を壊す

・周囲に物を投げつけ壊すことがある。

・周囲に物を投げつけ壊すことがあり、部屋に置くものは最低限にしている。

・衣類を破ることがある。

・履いているオムツを破ることがある。

ひどい物忘れ

・食後に「ご飯はまだか?」と聞くことがある。

・予定などを伝えても、覚えておらず何度も伝える必要がある。

・デイサービスや訪問介護の予定などを覚えていない。

・大切な物をしまった場所を覚えていない。

・火の消し忘れで鍋を焦がしてしまうことがある。

独り言・1人笑い

・昼夜問わず部屋で一人でブツブツ話している声が聞こえることがある。

・1人で突然笑いだすことがある。

自分勝手に行動する

・家族の指示を聞かず、外に出ようとしてしまう。

・デイサービス利用中、勝手に家に帰ろうとしてしまう。

話がまとまらない

・話していても、話題がコロコロ変わってしまい収拾がつかない。

・質問に対して、適当な答えが出ず、話題が変わってしまう。




介護力

介護力が高い場合

・主介護者(〇〇)が、日常的に支援している。

・同居家族(家族構成)があり、人の目が常時ある。

・日常的な家事は同居家族が行っている。

・週末に家族が訪れ、身の回りの支援を行う。

介護力が低い場合

・主介護者の疾患により、介護が望めない。

・主介護者の精神疾患により、介護が望めない。

・主介護者の身体状況により、入浴や外出支援等の身体負担の大きい介助は行えない。

・主介護者がトラック運転手のため、数日間続けて家を空けることがある。

・家族就労のため、日中独居となり、日中の支援は望めない。

・日常の家事は、家族が行うが、入浴介助は身体的な負担があり行えない。

・同居する夫も要介護認定を受けており、介護をすることができない。

・独居、身寄り無し。

・家族等の支援は望めない。

居住環境

・築〇年の戸建て

・自宅内段差が多い。

・バリアフリーにリフォームされた住宅に居住。

・エレベーターの無いマンション〇階に居住

・住宅改修済(改修箇所を記載)

・和式トイレ、洋式トイレ

・トイレ内手すり無し、有り

・浴槽深さ〇cm

・浴室内手すり無し、有り

特別な状況

虐待

・〇〇からの虐待により〇〇宅に避難。

・〇〇からの虐待の疑いあり。

・原因不明のアザが多くあり、虐待が疑われる。

・〇〇からの行為が今後虐待に発展する可能性あり。

終末期・ターミナル

・終末期(余命〇ヶ月)

・本人告知(有・無)

・在宅での看取りを希望

成年後見人

・成年後見人(名前、連絡先)

・成年後見の申請中

・成年後見の相談を行っている(行う予定)

寝たきり独居

・寝たきりでの状態であるが、自宅での生活を希望される。

最後に

基本的なアセスメントシートを元に作成しています。前述にもある通り、このシートでは情報整理が主になるため、別紙や別枠にこれらの情報をもとに『課題分析結果』として総評を記すことが必要になります。

ここで挙げた項目をコピーして活用していただくのも良いですが、独自シートを作成してしまうことがおすすめ。

  • 作業効率アップ
  • 情報整理力アップ
  • 見やすさアップ

事業所からの問い合わせ等にも、スムーズな返答ができるように整理することができ、今後の業務効率は向上します。

作成までの時間は掛かりますが、一度自身の事業所で使用しているアセスメントシートを見直してみるのはどうでしょう?

アセスメントシートには標準項目とされる23の情報が必要になります。作成の際には、こちらの漏れがないように注意しましょう。

居宅介護アセスメントシート:様式の選定から書き方、実地指導の対策