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居宅介護支援の独立:設立2年間の利用者件数(担当件数)と収入の推移

居宅介護支援事業所を立ち上げて、現在4年目に入りました。創業融資は、現在もお返ししている最中ですが、今期に清算できる見込みですね。

利用者の増減推移を2年間分掲載しますので、新規立ち上げを狙っている方の一助になればと思います。集客に関しては、かなり周りの環境に恵まれた状況下で運営しています。参考になれば良いのですが。

弊社の状況

居宅介護支援の事業開始は、令和2年4月1日です。まさか、開設して1週間で緊急事態宣言になるとは思いませんでしたね。

開設時の在籍ケアマネは、2名(うち主任1名)+事務員1名です。事務員は、令和2年12月でケアマネ常勤に変更。

現在は5名(うち主任2名)まで増えました(職員増加のタイミングは、もともと予定であった者たちが、退職のタイミングで入職しただけなので件数と比較した参考にはなりません)

地域の状況としては、人口約25万人、高齢化率約25%の自治体です。介護サービス全体の事業所数は、不自由ない程度にあると思います。(足りない事業を言ったらキリがないので)

ただし、居宅を立ち上げた地域周辺には、『居宅が足りない』というニーズはありました。

そもそも私自身が、事業所を立てた地域圏域を担当する地域包括支援センターで6年程社会福祉士として在籍したうえでの独立です。『居宅が足りない』のニーズは肌で感じていたわけです。

居宅介護支援事業所の売り上げは、担当件数に比例するわけですから、デイサービスのように独自性で勝負ができません。開設前に設立を考える地域の居宅状況は、気にしておく必要はあると思います。

利用者増減の推移

グラフで表すとこんな感じです。

初月からそれなりの数があるのは、ケアマネの一人が前の事業所から10人連れてきています。スタートの時点である程度確保されていると安心できますが、もう少し欲しかったですね。

※これらの数字は、当月に請求を上げた件数ではなく、月遅れ等も実際の利用月に当てはめて作成しています。

R2.4月 15 件 一人が前の職場から10件持ってきてスタートしてます。実増5件
R2.5月 24 件 開設祝いなのか、包括さんからは良いペースで新規をいただいています。
R2.6月 30 件 新規を受ける枠は、空いていても、続くと職員疲弊します。新規が止まるのも困りますし、ペース配分難しいです。
R2.7月 38 件
R2.8月 45 件 売上50万突破:2人分の人件費にもなりません。
R2.9月 43 件
R2.10月 53 件
R2.11月 58 件
R2.12月 60 件 ケアマネ一人追加 計3名(うち主任1)
R3.1月 65 件 特定3スタートです。特定加算ないとホント運営厳しいです。
R3.2月 71 件 100万:特定加算の効果は大きいです。
R3.3月 78 件 ケアマネ1人追加 計4名(うち主任2)特定2スタート
R3.4月 84 件 ケアマネ1人追加 計5名(うち主任2)
R3.5月 89 件 150万:急に人件費が増えたため、泣きそうな時期です。
R3.6月 97 件 この頃、経営苦しくて、車必須の距離まで営業範囲を広げています。
R3.7月 105 件 7から9月は、総合病院の相談員さんと懇意になり、ターミナルを沢山いただきました。
R3.8月 118 件 ターミナルであれば、多少範囲を広げてでも一時的なプランなので対応した方が良いです。
R3.9月 131 件
R3.10月 134 件 売上200万突破:5人でも、この辺で特定2なら赤字はなくなります。
R3.11月 138 件
R3.12月 148 件 この辺なら完全黒字。借入金の返済分含めても、会社に蓄えを作れる時期です。
R4.1月 155 件
R4.2月 152 件
R4.3月 153 件 250万:丸2年かかり、軌道に乗った今ですね。




運営のスタンスとして

この運営方法をやれば、間違いなし!なんてものではなく、あくまで私の考え程度をまとめたものです。

「なんでも出来ます!」は、良くない。

運営のスタンスとしては、なんでもやります!です。選んでいる余裕なんてありません。

  • 困難ケース
  • 多世代・他制度の絡むケース
  • ターミナルケース
  • 予防委託ケース

こういった、地域包括が同法人の居宅などに振りにくいケースを積極的に受ける必要があります。

ですが前向きに見れば良いことなのですが、意外と諸刃の剣です。良く知らないのに他制度満載のケースを受けてしまったり、トラブルが続くと失敗すると下手なケアマネの評価が尽きます。

ただでさえ難しいケースを受けているわけですから、仕方ないよね。と同情してもらえるかもしれません。

ですが、無理して失敗をして汚点を残すより、できる範囲の自分の力量に合わせたケースを丁寧にやることが大切だと思います。

困難事例ばかり受けてると『たまには箸休めにでも・・・』と優しいケースが来ることもありますけどね。

営業範囲

基本的に、居宅介護支援事業所は依頼があったら断れません。営業かけると、その相手から依頼が来る可能性がでてきます。

営業範囲を広げすぎると、移動に時間を要します。ケースが少なく暇な頃はそれも良いのですが、30件超えてくると移動時間も勿体ない!と感じるようになるはずです。

これは、自治体の規模や人口比にもよるので一概ではないのですが、私たちは、自分の所属する圏域の包括に隣接する範囲の地域包括への営業に留めていました。

ただし、病院からのターミナルなどは別です。病院の相談部署や退院調整の看護師さんは、地域包括に並ぶくらい営業先としては重要。

ターミナルであれば、遠方でも一時的なケアプランとなることも多いです。忙しい中居宅を探す看護師さんにとって『すぐ電話が繋がり、断られないケアマネ』は、懇意にされるはず。

『遠いから』を理由に避けるのはもったいないですね。

開設場所をどこにする

前半でに、私の事業所は『かなり恵まれた環境下で運営しています』と書いた理由は、ここです。場所といっても立地というより、事業所を立ち上げる際の周囲の環境が大切です。

まずは、周囲に居宅介護支援事業所が乱立しているところは、厳しいです。当たり前ですよね。市内に居宅が点在していても、穴場の地域はあるはずです。

近いところ』だけに絞った理由で選定する場合は、そこを拾えます。

居宅介護支援事業所への依頼は、包括と病院がほとんどです。家族から直接の相談は、実際ほとんど来ません。

前半に書いたようにもともと包括にいた私ですから、市内の地域包括や行政、病院、サービス事業所では、顔が知れています。(良く知れているのか悪く知れているのかは不明)私以外の4人のケアマネも、もともと市内の別居宅にいた者を引っ張ってきてます。

最初から、市内のサービスに詳しい人間の集まり居宅です。

包括時代、自分で調整した担当者会議忘れてたり、ケアプランの催促を何度も受けたりしてきた私でも、悪評と同時に人柄も伝わってるわけですからね。

包括側の目線で、居宅を選定する際に、『最近できたどんな人か良くわからない居宅』よりも『知ってるあの人が作った居宅』となれば、選定順位は上がります。

包括や病院が依頼の上位を占める以上、これらのパイプがある中で運営ができる場所を選べることは、かなり大事です。

前に努めた居宅に気づかれずに、地元でこっそり始めたいと考えているのなら、以前のパイプは活かせないとなると、利用者獲得はかなり厳しいものになるかもしれません。

予防委託を受ける?受けない?

これも地域性があるので、なんとも言えないのが正直なところ。

予防プランを包括で抱えず、居宅にどんどん流す地域と、極力包括で抱える地域とで対応がかなり違います。

予防を持ってくれる居宅は、包括からの評価は高くなるかもしれませんが、収入は大きくならないですよね。

100%断ります!というのは、自分が包括にいた時も印象は良くなかったので、

  • 要介護についてる方の家族『夫が要介護、妻が要支援』みたいなもの。
  • 要介護状態にありそうな、ギリギリ要支援2

こんな感じのプランであれば、それほど負担は大きくならないでしょうから、折衷案ですかね。

極力減らす方向で運営できると良いとは思います。

最後に

開設2年でようやく落ち着いた今です。

金銭面で大きく苦労した理由は、利用者増える前にケアマネ増やしたことですが、独立したことによる働きやすさは雇われ時代とは比べ物になりません。

ケアマネの給料が上がらないと嘆く声は多いですが、気軽に独立できるのもケアマネのメリットです。

特定加算がつく程度の人員で、上手く運営できれば、法人所属より良い収入も期待できると思います。

ご検討されている方は、お気軽にご相談ください。難しいことわかりませんが、それなりに返事しす!

思い付きで、ささっと書き上げてみました。こっそり後で修正します。