一言でいうと・・・
地域包括ケアシステム=『地域包括ケア』を行うためのシステム
これだけだと、なんだそれ。ですよね。
地域包括ケアとは…
地域のおける医療・介護・福祉の一体的提供
地域包括ケアシステムとは…
地域包括ケアが実現できるように、システム化した仕組み
地域ごとに高齢者の人口から、地域性、住環境も異なるため、
その地域で、地域の実状に合わせて、医療・介護・福祉が切れ目なく、提供できる仕組みを作って行きましょう!ということです。
これでも、十分にわかりにくですね(笑)もう少し噛み砕いでお話ししましょう。
目次(もくじ)
地域包括ケアが求められる背景
高齢者の増加が、叫ばれていますが、それは医療の発展も大きく影響しています。
医療の発展と共に、発症=死という、命を失う病が減ってきています。
脳卒中など、過去には発症したら死に直結してしまう病気であっても、今では障害があるものの生命は維持できる状態で生存が可能なケースが増えています。
死亡率の高い肺炎も、肺炎球菌などのワクチンにより重症化が軽減されてきていますよね。
長生きする人が増えてくると、ただ生きるだけでなく、より快適に、より不自由なく、生活したい。といった、ニーズ(要望・希望)も増えてきます。
また、生活スタイルの変化により、親子孫が同居する世帯だけでなく、高齢の単独世帯も増えています。
高齢者だけの生活になれば、日常生活の支障をきたす方も増え、また高齢者人口の増加により認知症を有する方も増えてきています。
そんな中、特に団塊の世代が75歳を迎える、2025年付近、高齢者人口が急激に伸び、その後も高齢者の割合は増え、現行の地域力では、支援が届かないという不安が現れ始めました。
医療費負担も増え、介護サービス費を担う介護保険料の負担も増え、このようなサービスに頼り切った生活に限界が生じ、
病院や、介護施設での生活ではなく、
高齢になっても、障害を負っても、今の地域で暮らせる地域づくり。が、必要といわれ、
そのための仕組み作りとして、地域ケアシステムの準備が差し迫っている状況なのです。
現行の地域力では足りない物
今までも、病院はたくさんあり、介護サービスも充実、介護施設も増えてきています。
では、何が足りないのでしょうか?
・医療、介護を受けるためには、医療保険・介護保険の負担額も増加する一方。
・高齢化に伴い増加した、認知症という病気について、正しい理解もなく、その対応も広まっていない。
一昔前の、精神疾患の様に、認知症になったら、『関わりたくない人、もう何もできない人』の様な印象が根強い。
・医療、介護はそれぞれ発達するが、それが連携できていない。
入院したら、ピタリと介護サービスが切れ、退院すると同様に医療機関から追い出されてしまうだけ。
お互いの連携、情報共有ができていない。
・地域住民に相談機関が浸透しておらず、支援が必要になっても相談先が分からない。
・孤独化、孤立化
個人・家族で、現在の状況を抱えてしまって、支援が長期的に入らないことで、さらに重度化してしまう。
地域との関りから離れてしまい、周囲が異変に気が付けないまま、重度化したり、孤独死に繋がったり・・・
こんな状況が、実際に増えてきており、この先の高齢化に伴い、さらなる増加が見込まれています。
高齢化社会の解決策として
上の写真が、地域ケアシステムをイメージした図です。
あくまでも、生活の中心は、自宅=住まい です。
その生活の中で、医療が必要であれば、病院。介護が必要であれば、介護施設と。
必要な際には、提供されるという仕組みを残し、入院時・退院時の連携や、在宅医療の充実。医療と介護が並行して提供していかなければならないケースへの連携と言った強化が進められています。
今までは・・・
退院の際、病院側は、診療情報や看護サマリーと言った文書を発行するだけで、退院した後の生活状況については、あまり触れず、治療することに重きを置くことが多くみられました。
それでは、退院した後に、治療は済んだものの、自宅での住環境では、生活が送れるほどに回復していなかったり、退院後の体調管理が十分に行かず再入院になってしまうことありました。
最近では・・・
退院前にケアマネージャーや介護関係者等が病院に集まり、退院に向けた退院後の生活について、状況確認を持つ場が設けられるケースが増え、
退院後の準備も整ったうえで、退院が迎えられるように進んできています。
医療と介護の連携だけでなく、
医療・介護を必要としない状態の生活場面についても、地域の力を活かした、見守り等や生活支援のサービス作りや、成年後見等の権利擁護、住居の保証、低所得者への支援などの準備が進めらえています。
ただし各提供システムが分断され、有機的(双方が絡み合う)な連携が取りにくいことが現状。
今後の課題は、サービスや社会資源の準備だけでなく、良く行政批判で使われる『縦割り』という垣根を、壊していき、これらを包括的・継続的につなぐ仕組み=地域包括ケアシステムを充実させようとする動きが広まっています。
自助・互助・共助・公助とは?
構築実現のため、個々に対する支援の充実、それを支える社会基盤の整備を同時に進める必要があります。
そこで、よく使われる「自助・互助・共助・公助」という言葉。
自助
そのまま訳せば、自分で自分を助ける力。自分のことは自分でするということ。
自身の健康を守るための、取り組み。日々の健康管理、健康診断、体調不良の際の受診。
食事や運動による、介護を予防する取り組み。
自身のみの力で不足がある課題であっても、自分の財布から、お金を払い市場サービスを利用するなどし、自身で解決する力ということです。
A: 宅配弁当や、タクシー利用、保険外(自費)ヘルパーなど
互助
お互いに助け合う力。
家族等からの支援・協力だけでなく、町会・自治会などの地域活動や、隣近所の個人的な関係性も含めた助け合い。ボランティア活動や、NPO団体の有償ボランティアもこれにあたります。
協力して助け合うことについては、後述の「共助」と重なる部分もあるが、制度的な費用負担の裏付けされていないものが「互助」にあたります。
共助
みんなのお財布から集めた、大きなお財布。
年金や医療保険、介護保険をはじめとした社会保障制度のように、制度化された相互扶助のこと。
使う人も、使っていない人も、保険料として集め、必要とした方に再分配されるものです。
公助
前述の「自助・互助・共助」では対応できないものに対し、国や自治体などによる税による負担で成り立つもの。
代表的なものは、生活困窮者に対する生活保護法
基礎になるのは自助
これらをすべて利用して、快適な生活を目指しましょう!と言うわけではありません。
- まずは、『自助』の力を高め解決を目指す。
- 自助を支えるのは『互助』の力。
- 互助で解決の難しい場合には『共助』を活用し
- どうにもならない時に『公助』に頼る。
仕組みづくりのための手段
地域ケア会議
行政・地域包括支援センターで行われる、地域包括ケアシステムの構築に向けた会議を指します。
個別ケース会議
地域のケアマネージャーなどが抱える、複雑なケースや現在の制度等では解決に支障が出るケースなどを吸い上げ、専門職で話し合う場。
地域レベルでのケア会議
個別のケースを集め、集まったケースの中で多い課題。その地域内では、どのようなケース解決が難しいのかを考え、地域の課題として、地域レベルで解決を検討。
市全体規模での地域ケア会議
市全体は政策形成機能
地域レベルの会議で検討をした結果、現在の制度等では解決が難しいものを市全体の課題として、改善に向けての政策提言を行う会議。
考えられる取り組み例
地域での見守り手段。
見守りの際の気づき視点を知ってもらう。
生活支援が行える団体、ボランティア等をリストアップ・作成
受診拒否が強く支援が遅れる場合など、
認知症高齢者への支援体制・受診方法の充実
ゴミ出しを支援できる方法や社会資源の抽出
戸別収集の準備
などなど。
その地域課題に合わせて、それを解消。これを繰り返すことで最終的に住みやすい地域を目指します。
地域ケアシステムまとめ
地域ケアシステムが失敗だ。理想論にすぎない。
などと、酷評するメディアもちらほら見受けられますが、地域ケアをシステム作りするのは、各々の地域=市町村区などです。
地域ケアそのものは理想論ではありますが、それを自身の地域に合わせたシステム作りは、各地域の課題なんですよ。