もう年だから、『おしゃれな靴はいらないのよ。』『安い靴で良いのよ。』なんて声が聞かれますが、
高齢者の靴選びは、元気でいるためには大事なことです。
身体に合っていない靴を履いていると転倒の危険が高まり、一度の油断・転倒が生活場面を大きく変える事にもなりかねません。
どのような点に注意して、靴を選んだらよいかまとめました。
目次(もくじ)
高齢者の身体特徴
加齢による筋力の低下により、つま先が挙がりにくくなります。
足の裏も、アーチ状から平らに変わってきます。
また腰が曲がってきて前かがみになってきたり、足を挙げているつもりでも、実際には上がらず、すり足歩行。
膝腰の痛みをカバーするため、独特な歩行スタイルになり、慢性化することで、正しい歩き方から反れていってしまいます。
病気や薬の影響で、浮腫みが出たり、痩せて足のサイズも変わってきたり。
以前のころと同じ靴を同じように履くことができなくなってくるため、今の身体状態に合わせた靴選びが必要。
高齢者の靴選びポイント
- 軽い物。
- つま先があがっている物。
- 脱ぎ履きがしやすい物。
- かかとがしっかりとした物。
軽いもの
重たいだけで、足への負担は大きくなります。
もちろん長時間の歩行には不向き。足が上がりにくくなる原因になります。
履いた時に重さを負担と感じない物を選びましょう。
つま先があがっている物
足があがらないとつま先もあがらず、すり足気味になります。
靴底がまっすぐの靴は、つまづき易くなります。
つまづきの防止に、つま先部分が反り上がっているものがおススメ。
脱ぎ履きがしやすく、かかとがしっかり。
脱ぎ履きがしやすいことは大事なポイントですが、
一般の量販店の靴では、脱ぎ履きがしやすい=かかとが低い設計の商品が多いです。
安定した歩行には、かかと部分は重要。
しっかりとした高さがあり、かかとを包み込んでくれる設計の物。靴底も滑りにくく、ゴムの厚い物が足への負荷が軽減されます。
片足ずつそろえる
高齢になってくると、左右の足の状態にバラつきが出てきます。
病気の影響による浮腫みや関節の変形。
一般的な量販店では、片方ずつの購入に対応していない店舗が多くあります。
ケアマネージャーに相談し福祉用具業者を紹介してもらったり、介護シューズの専門店などを利用することで、左右それぞれの足に合わせた商品の購入が可能。
ケアシューズ・リハビリシューズの活用
ケアシューズと言うものを知っていますか?
介護シューズやリハビリシューズと呼ばれ方は様々あります。
画像:リハビリ靴、介護靴、ケアシューズ「あゆみ」の専門店【らくてく】より
このように、高齢者の足・生活スタイルに合わせて作られている靴です。
室内用、屋外用とそれぞれ作られており、病院のリハビリ場面で見かけることが多いかもしれません。
病院などでも、高齢者の方にはスリッパでなくケアシューズの利用を勧める場所が増え、介護施設の入所者には特に多く利用されています。
どこで買えるのか?
介護用品コーナーを持つ大型量販店や大きな病院の売店などでは見かけます。ただし、介護用品を扱う店舗も増えてきていますが、まだまだ少数。
病院の売店もそのためだけに行くことは大変です。それでも並んでいる品数は少なく、多くの中から選ぶようなことは難しい現状です。
上記で紹介した徳武産業の『あゆみ』シリーズは、楽天やアマゾンなどのネット通販でも数多く出回っております。
また『快歩主義』という介護靴シリーズで有名な【アサヒシューズ】などもおすすめです。
実際に履くことができないデメリットもありますが、インターネットからなら、店舗では購入できないような数多くの中から選ぶことができます。
おしゃれな靴も選びたい
これまで、ケアシューズ・介護シューズのデメリットとして、デザインや色が地味であることが課題としてあがっていました。
また、多少割高になりますが、ケアシューズの中でもデザインにこだわった靴を制作している会社もあります。
【介護グッズ】地味卒業!介護靴でも足元おしゃれ。ケアシューズ・リハビリ靴最後に
「何でも良いや。」と選んで靴を買うことで、転倒や歩行状態の低下の原因になりますが、しっかりとした靴を選ぶことで、転倒の予防だけでなく、外出の意欲向上にもつながります。
小さなことで、元気な身体を作る一歩になりますし、値が張っても、元気でいてもらうためのプレゼントとして活用してみるのも良いかもしれません。
『敬老の日』などに杖をプレゼントをする家族が増えていると聞きますが、こちらも日常的に使うもの。
靴をプレゼントしてみるのもどうでしょうか?