介護業界に限られるものではないですが、医療・福祉の分野で目にすることが多い『ジェノグラム』について
なんとなくの書き方は知っているつもりでも、内縁関係であったり、記載する順番であったり、『あれ?どっちだったっけ・・・?』なんてこともあるでしょう。
さらには、病院からの看護サマリー等で『ん?自分と書き方が違う?』と違和感を覚えることもあると思います。
自身が日常的に使用している書き方だけでなく、異なる書き方で書かれたものであっても、すぐに理解できるように、どのような書き方があるのかも含めて知っておくとスムーズです。基本的な書き方について、まとめてみました。
目次(もくじ)
ジェノグラム?エコマップと違うの?
ジェノグラムとは
分かりやすく言えば、家系図です。家族図や家族関係図ともいいますね。親や子、兄弟、その方々が生きているのか、亡くなっているのか、誰と一緒に住んでいるのか。
対象者を中心とした、親族の関係性を記号で表した図で、課題抽出や支援者関係者の情報整理のツールですね。
個人が使用するだけでなく、関係機関との連携・共有のツールとしても使用する機会は多いでしょう。
ただし、書き方に一応のルールはあるものの、地域や機関によって記載方法に若干のばらつきがあるんです。
エコマップとは
対象者やその家族を中心に、その周囲にある関係者や社会資源の相関関係を表した図です。
中心に、ジェノグラムを書き出し、そこから派生させて相関図を作成する場合もあるので、ジェノグラムの活用方法の1つにもなります。
エコマップについては、こちらの記事で書き方を詳しくまとめています。
ケアマネの作るエコマップの書き方。高齢者の社会資源をまとめて把握:児童・医療にもジェノグラム:個人の書き方
性別
男性は四角、女性は丸で表します。
性別がわからない時には、三角で記載することがありますね。
たまに、中に年齢を表す数字を書き入れているものも目にします。分かりやすくて良いのかもしれませんが、誕生日を迎えるごとに、年齢を更新しなければならないので、私はあまり記入しません。
対象者:本人
ケースの対象者を表す際には、二重に書きます。
この対象者のためのジェノグラムですよ。ってことですね。
死亡・亡くなった方
黒塗りで記載されているケースと、バツ印をつける場合に分かれているような印象。
私は、塗りつぶす派です。
どちらの記載でも意味は通じると思いますが、普段黒塗りで表している方も、バツ印も同じ意味であることは覚えておいてくださいね。
兄弟姉妹の順番
左側から順番に記載します。
これは、結構みなさんバラバラです!!
上のように年齢が書いてあれば逆でもわかりますが、それがない時には、関係機関からいただいたジェノグラムに対して、兄弟の順番は信用していません。
改めて、家族や関係者に確認が必須ですよ。
家族の書き方
夫婦・婚姻・内縁
夫婦の記載は、横に並べて線で繋げます。ここでは、2本線で書いていますが、1本線の場合もあります。私は1本線派ですね。
内縁の場合は、この線を点線で繋げます。
波線で書く場合もありますが、見づらくなる場合があるので、私は点線が多いです。波線も同様に内縁を指すことは覚えておきましょう。
尊属・卑属
尊属(親)を上に、卑属(子)を下に、線でつなげいきます。
兄弟がいる場合は、分岐点を付けて広げていますが、子供が一人の場合は、直線を下すだけです。
離婚・親権
斜めに二重線を引きます。こちらも線が1本の地域もありますね。
子供がいる場合、親権によっては、線を引く位置を調整します。
親権側に子の線を残し、この場合は、お父さんの方についていったってことですね。はっきりとした親権の有無かわからない時には、現在の関係性で線を引くこともあります。
同居世帯家族の書き方
同居している家族をぐるっと囲みます。実線・点線それぞれの場合がありますね。
記号ばかりでなく、文字で書くことも大切
パット見た時に、家族関係が分かりやすくするためのジェノグラムですが、情報は多くあるに越したことはありません。
文字であっても、書き足せる情報は、書き足します。
使用するソフトによっては、文字が入力できないものもあるかもしれません。その際には、印刷後に書き込んでも良いでしょう。
ジェノグラム作成をクセにする
ケアマネージャーの方々は、担当者の基本情報の中に必ず入れているものかと思います。
ですが、聞き取ったものを改めて整理をする際にジェノグラムを作成していくのではなく、相談の時点で、話を聞きながら、メモ紙に書き出せるように書き方に慣れておきましょうね