1人暮らしの方が、身体が不自由になり、身の回りの事がたいへん。
妻が退院してきたが、十分に動けず、お風呂もオムツ交換も、一人で介護は無理だ!
そんな時には、介護保険制度を利用し、訪問介護(ヘルパーさん)の利用が可能になります。
ただし、通常の家政婦さんとは違い、介護保険制度を利用して行うため、できることが限られてきます。
何ができて、何ができないのでしょうか?
訪問介護(ヘルパーさんの)できること
【身体介護】
言葉の通り、身体的な介護。『 介護 』と聞いて浮かぶ内容たちです。
内容
・食事の介助
・入浴の介助
・排泄の介助、オムツ交換、ポータブルトイレの後始末
・検温、血圧測定、血中酸素(SPO2)測定
・爪切り
・受診や外出の同行(※原則、院内の介助は不可)
・湿布を貼ったり、塗り薬を塗ったり
【生活援助】
こちらは、日常生活の、家事にあたる物が多いです。
1人暮らしの方が、掃除や買い物、調理が行いにくくなってきた際の支援として訪問介護ヘルパーを利用します。
内容
・居室や水回りなどの清掃
・買い物代行(食材・日用品)
・食事の下準備や調理
・ゴミだし
・薬の受け取り
・ベッドメイキング
※同居家族も高齢であったり、心身に疾患などがあり、家事が行えない場合は可能。
元気な方が同居していたら、家の中の家事は、その方にやってもらいましょう。 という趣旨ですね。
訪問介護(ヘルパーの)できないこと
・対象者本人以外の方への支援。
(家族の分の食事作りや、家族の部屋の清掃など)
・買い物内容(酒・たばこ等の嗜好品)
・窓やベランダの清掃
・草むしりや、屋外庭木の手入れ
・日常の範囲を超える大掃除
(換気扇の清掃、排水溝の洗浄、ワックスがけ等)
・銀行やATMでの引出代行(本人同行での支援であれば可)
・部屋の模様替え
・行き先のない外出、散歩の同行
・単なる見守り、話し相手
・爪切り(著しい変形や疾患のあるもの)
・医療行為
ヘルパーさんが「できること」・「できないこと」の差
身体介護については、専門的な介護技術を要するため、一般のご家族等では負担が強いことから、おおむね対応可能です。
ただし、家事を中心と行う生活援助は、誰でも担えます。
そのため、お1人暮らしなどで、周囲にできる方、助けてもらえる人がいない状況が前提になります。
また、生活を行うために維持する必要のある衣食住の支援に限られるため、
買い物であっても、酒・たばこ等のの嗜好品は依頼できず、屋外や本人の使用しない部屋の清掃、日々の清掃の範囲を超える清掃などは、対象外となります。
極端に言えば、無くても安全に生活できるでしょ?と言える物は不可!
- 食べ物ないと、生活できない。 ⇒ OK
- 酒・タバコはなくても問題ない ⇒ NG
(※酒・タバコが、無いと生きていけない!と言う人もいますが、一般的に。です。)
家の中が散らかっていれば、踏んで怪我したり、つまづいて転んだり。
ホコリや、腐った食べ物などで不衛生
⇒危険 ⇒OK
窓や窓の外(庭)が汚れていても生活には影響ない。⇒NG
また、過剰な支援を行うことで、利用者本人のできる部分が低下してしまう恐れがあります。
身体状態のレベルに応じて、全部、一連の作業をヘルパーにお願いできる場合と、できる部分は自身で行い、不足分のサポートのために、ヘルパーが支援する場合があります。
ご本人に、一部分でもできる能力が残っている場合は、一つの事を共に行う姿勢が求められます。
訪問介護ヘルパーを利用するためには
介護保険制度の利用でのヘルパーを利用するためには、要支援○級要介護○級といった介護認定や、事業対象者といった介護保険制度の対象になるための認定を受ける必要があります。
要支援・要介護の認定を受けるためには、早くとも1か月程度かかってしまいますが、
事業対象者の認定であれば、自治体にもよりますが、早ければ当日に認定を受けることも可能です。
介護認定の申請手順については、こちらを参照
【はじめての在宅介護】介護保険の認定を受けるための申請方法と注意点まとめ
できること、できないことの線引きが、明確にされている介護保険制度での訪問介護ヘルパー
ご本人の状態が、ヘルパーを利用に値する身体状態であることや、衣食住の生活を維持するための内容に限られますが、
1人で暮らす高齢者の方にとっては、必要な介護サービスです。
- 日常的な、清掃等は、ヘルパーさんに。
- 年に数回の、大掃除などは、民間業者に依頼し、スッキリと。
使い分けて利用することで、費用負担も抑えられ、生活の安定に活かせると思いますよ。