地域ケア会議の開催が盛んになってきており、自立支援型などを積極的に行う自治体も増えてきたと思いますが、毎週開催の地域もあれば、年数回程度の開催の地域もありバラツキが目立ちます。
開催主催についても、行政側が行う場合と、地域包括支援センターが行う場合と、さまざまありますが、
地域包括が主催し、司会をする際、どのようなところに注意する必要があるのかをまとめました。
個別地域ケア会議の司会・運営について
開催にあたって
開催会場
会場広さについては、広過ぎず、狭すぎず、参加人数に合わせて考えましょう。
移動距離や、駐車場の有無など、参加者が参加しやすい会場設定にし、特に一般の地域住民を呼ぶ際には、なるべく負担がない会場設定を心がけましょう。
参加者の手配
自治体によっては、基本的な参加職種が設定されている場合もありますが、追加できるケースもあるようです。
対象者の抱えるケースに合わせた、職種・団体を呼べるように手配。
- 生活困窮ケース・・・福祉事務所(生活保護担当課)
- 地域トラブルケース・・・市民生活担当課
- 多世代が関わるケース・・・児相、障害福祉担当課 など
開催時間
全体時間は、1ケースで1時間かけるのか、1ケース15分程度×数ケースかなど変わってきますが、参加する方々の負担にならない時間帯を調整しましょう。
医療関係者を呼ぶ際には13時~14時であったり、場合によっては19時以降の夜間開催なども。
会場準備
テーブル配置
中心を広く取り、ロの字型の場合や、中心を開けず、長テーブルを繋げた対面型の場合が一般的。
中には、5角形・6角形など円卓の騎士のような配置の地域も。
参加者数にも左右されますが、広くとると、声が聞こえにくくなったり、マイクを使用するなどの配慮が必要。
名札
参加者の名前や所属が分かりやすいように、座席に▲筒上の名札を付けるなどの準備があると、分かりやすいです。
大事なのは、名前よりも職種・所属。医者なのかリハビリ職なのか、内科医か歯科医かなど。
お茶・お菓子・お花
ペットボトルのお茶程度を出すケースが多くありますが、お茶菓子を準備したり、テーブルの真ん中に花を飾る会議など趣向はさまざま。
事前準備
事前に情報を配布しておく場合
1ケースに1時間程度の長時間で臨む場合、ケース概要だけでなく、課題やどの部分の検討をしたいのかを明確にした状態で伝え、ケアマネや包括が考える見通し・落としどころを伝えておくと、会議の際に掘り下げての検討が可能です。
ただし、読み込みすぎると検討内容が複雑になってしまいます。
15分などの短時間で1ケースを済ませる場合には、開始前に3~5分時間を取り、その場で感じた率直な情報・意見での討論も良いと思います。
司会側は、深く読み込む必要があります。
会議を円滑に進めるためにも、司会が疑問点や課題を整理し、その解決に合った専門職に質問し、答えを引き出します。
当日、事例提供者が概要を説明するかと思いますが、それを聞きながら質問事項や課題を整理し、専門職に投げかけることは至難の業。
十分な考えがまとまらず、適当に『何かご意見はありますか?』と話題を振っても、当たり障りのない内容しか返ってきません。
事例に切り込んでいく、視点が必要です。それを概要説明の5分程度で考えることは難しいでしょう。
司会の方の腕一つで会議の質は左右されます。
会議シナリオは必要か否か。
シナリオがあることでスムーズに進みます。一応の流れは作っておくことが良いと思いますが、シナリオ通りに会議は進みません。
シナリオに委ねていると、それ以外の事象の対応できなくなりますから、参考程度に留めることが良いでしょう。
会議中の注意点
会議前半
概要を事前に伝えておいても、簡単にケア会議の目的・概要を伝えたうえで、本題に入りましょう。この会議目的をその都度伝えることで、見据える地域包括ケアへの取り組みが伝わります。
ケアマネージャーからのケース提供の場合、包括からのケース提供の場合、どちらにしても、理由、検討事由を説明などにも触れましょう。
その後は、流れに任せ、スムーズな進行に努めるだけです。
ただし、参加者すべてが発言できるような、かじ取りを心がけましょう。
同じ課題であっても、医師とリハビリ職では視点が違います。
専門職の多角的な視点からケースを練ることができることが、地域ケア会議の特徴ですからね。
会議中盤
課題について、各職種の意見を聞きながら、参加者からの質問意見を吸い上げ結論まで導きます。
大事なことは、脱線した際の軌道修正と、時間=タイムキーパーです。
※1人〇分と決めて ベルを鳴らす地域もありますが、嫌な顔もされます(笑)
会議終盤
意見の集約をし、課題整理をします。
本人の課題であり、修正に導ける場合と、地域課題として、行政への提言に導く場合。
最終的な、終結に向けてのプランへの提案に落とします。
会議後の行動が、一番大事!
何よりも、気を使って欲しいのは、事例提供者=ケアマネさんへのフォロー
会議内容にもよりますが、
会議の最中のケアマネさん、吊し上げとまではいかなくとも、プランについてダメ出しされることもあります。
『地域ケア会議なんて、もうこりごり!』なんて思われないように、プランの良い部分などにも触れてあげて、今後に活かせる関係性を作っていきましょう。
まとめ
地域ケア会議については、自治体の特徴が色濃く出てしまうため、一言でこうするものだ!と言えるものではありません。
行政側の担当者と打ち合わせを行い、地域のやり方に沿って行っていただくことが一番ですが、どんな部分に気を配り配慮をすれば良いのかが、この記事で参考になれば幸いです。