当サイトの中でも、予防プランの書き方について触れた記事については、好評いただいているようです。
今回は、過去に記載した予防プランの作成方法について記載した記事に加え、予防プランを作る時に、知っておいて欲しい、自立支援の視点についての考え方をまとめました。
ただ、予防プランの作り方・書き方の指南書として読んで書くだけでなく、
『どうして、この書き方・考え方が大事なのか?』
といった背景を知ってもらった上で日ごろの予防プランに作成活かしてもらいたいです。
そして、予防プランを作成して、要支援・事業対象者へのケアマネジメントが終了するわけでは、もちろんありません。
- 介護サービス開始時の担当者会議終了後に作成する議事録の書き方
- その後の経過を踏まえての、モニタリングの仕方(モニタリング表データ付)
- プラン作成後に活きる予防支援業務についての補足
これら今までの、予防プランに関わる情報のまとめページです。
順番に全てを読んでいただき、予防プランなんて怖くない!なんて思ってもらえるでしょうか。
私も、まだまだ未熟者。言いたいこと言っても、完璧なプランなんてとても作れておりません。
まとめながら、自身の振り返りにもなっています。
『ここは違うと思う』『こんな時は、こうやって考えるべきでは?』などなど、ご意見がありましたら、ご連絡お願いいたします。
目次(もくじ)
予防プラン作り方①~③
予防プランを作成するうえで、記載する項目について、A3用紙サイズのケアプランを右側からザーッと書き方をせつめいしています。
3つに分けての記事になりますので、用紙の中で①左側②真ん中③右側のような感じで書かれています。
予防プランの作り方①
予防プランの書き方・作り方① アセスメントから領域における課題まずは、用紙右側のアセスメント領域の部分です。
一番のポイントは、『初めて接する事業者が、この部分を読んで利用者の全体像が理解できる』こと。
担当者会議などで初めて会う事業所さんが一からアセスメントを取ると、ケアマネにも聞かれてさらに2度手間。本人に負担をかけます。
大まかな部分は担当者会議で触れるにしても、その他のアセスメント情報は、ここに記載しておけるようにしましょう。
この部分は、予防プラン用紙でしかない部分なので、要支援認定者に慣れていないケアマネージャーの方はじっくり読んでもらえたら嬉しいです。
要介護認定者に必要な、アセスメントシートが予防には定められておらず、ケアプランに組み入れる形にないます。
記事内に、『(予防向け)アセスメント情報シートのPDF』もありますので、こちらも良かったらどうぞ。
予防プランの作り方②
予防プランの書き方・作り方② 総合的な課題から目標ここでは、①で行ったアセスメント情報をもとに、総合的な課題を掲げ、目標選定まで繋げます。
アセスメントの中からの課題の抽出方法についてですね。
予防プランの作り方③
予防プランの書き方・作り方③支援計画編目標が決まり、予防プランの最終段階。支援計画の場面です。
目標の実現に向けた事業所の選定と、事業所にお願いすること、また本人・家族の努力により行う部分についても考えます。
予防プランの前提は自立支援です。
サービス事業所にも、もちろん本人・家族にも、『できることは自分で、大変な部分をサービスで』の認識を持ってもらえるような記載方法が良いでしょう。
予防プランを作るうえで、大事なこと
予防プランの用紙にも記載すべき項目名は書かれてあるので、経験が浅くとも項目ごとに埋めていけばそれらしいものは出来上がるかもしれません。
それでは項目に沿って記載しているだけでは、取り合えずの予防プランを作ることができたにせよ、中身の理解はできないままです。
- アセスメント情報の中から問題点を見つけて、課題を抽出
- 課題の中から優先順位、目標段階を考えて、目標と具体策の選定
- 目標達成のための、介護サービスやインフォーマルサービスの調整
この一連の作成過程を、予防プランの意味を理解したうえで作ることができれば、作成もスムーズに行えるようになると思います。
問題・課題の整理
ケアプラン作成【問題・課題・目標】の考え方・言葉の整理問題・課題・目標が、ごちゃごちゃになっているプランを良く目にします。
言葉の意味から、考え方を見直すための記事です。
予防プランの考え方の整理にも繋がると思いますよ。
自立支援プラン:お風呂
【自立支援型ケアプランの作り方】入浴を例にした課題分析の考え方入浴介助を希望しているお風呂の事例を挙げ、自立支援の視点について載せています。
『お風呂に入りたい。⇒デイサービスで入浴する。』これが最終目標のケースもあるかと思います。
ですが、軽度者の多くは、もう一歩高い目標を掲げ、デイサービスでの入浴は中間ゴール。
その先には、リハビリや浴室環境の見直しにより、自宅での入浴が最終ゴールになるべきケースもあります。
自立支援のプラン作りの参考にどうぞ
作った後に行うこと
作っただけでは、予防支援の入り口です。その後にも活用できる記事を載せてみました。
担当者会議
担当者会議の進行手順・議事録の書き方担当者会議録は、しっかり書いていますか?経過記録の中に簡単に書いて終わりにしていませんか?
会議録をしっかり作成し、事業所に配布することで、支援内容の確認・念押しに役立ちます。
モニタリング
ケアマネージャーのモニタリングこそPDCAの繰り返し『モニタリングシートデータ付』要支援や事業対象者の方には3か月に1回の訪問。
その他は、電話や事業所などによるモニタリングの場合が多いと思いますが、3か月に1度では、その間に大きく変わっていることもあります。
3カ月に1度の訪問の際に、なるべく正確に状況が確認できるよう、『モニタリングシート』を載せております。
これは要支援だけでなく、要介護でも1~2程度の軽度の方にも使用できますので、ケアマネージャーのかたは是非。
経過記録
支援経過記録の書き方:何を、どこまで記載する?経過記録はしっかりと書けていますか?
業務の中で、大きなウエイトを占める経過記録。実地指導や引継ぎ直前に、慌てて過去に遡って思い出しながら書くことがないように、記載すべき要点を押さえて、スムーズに終わらせるようにしていきましょう。
経過記録は、本人の状況の変化を見るだけでなく『あのとき、このような状況で、このように対応した』と自身が行った対応への根拠を残すことができ、身を守る証拠として使う場面もあるかもしれません。
最後に
このページの中にある、項目をザーッと目を通せば、予防プラン作成から予防ケアマネジメント業務についてを一通り触れられるように書いたつもりではあります。
沢山の数のケアプランを作ることで、慣れていく部分もあると思いますが、考え方や自立支援の認識が抜けていると、中身が薄いままのプランになってしまいます。
普段予防プランを作る機会の少ない居宅介護支援事業所のケアマネージャーの方にも是非一読を。