個別ケースの地域ケア会議だけでなく、地区・地域レベルの地域ケア会議も開催してください。
年度初めの、業務説明会などで、行政からこんな無理難題を突き付けられた経験ありませんか?
自治体によっては、開催回数にノルマのあるところも・・・
地域課題に合わせて開催できることが一番ですが、地域課題の抽出が難しい時、ここにあるテーマ案の中から、地域に合いそうな物から手を出してみるのはどうでしょう?
目次(もくじ)
地区レベルの地域ケア会議って?
個別ケースのケア会議は、困難事例対応であったり、自立支援であったり、ケア会議の実施に向けた研修も活発です。
会議実施のテンプレのようなものも出来上がってきておりますが、
このページでは、その上に属する、地域レベルでの地域ケア会議について触れています。
地域により、『ネットワーク会議』や『ブロック別ケア会議』などと呼び方はさまざまみられます。
今回の記事は、地域ケア会議の全体像の中で真ん中にある、自身の圏域内についての担当地域レベルの会議に属する地域ケア会議についてです。
これは、個別ケースで上がってきた事例をもとに、地域の課題を抽出し、地域課題の修正や発展をテーマにした地域ケア会議についてです。
個別ケースの地域ケア会議の対象事例も挙がりにくい中、地域の課題って?
そんな時、やってみると面白いと思うテーマを挙げてみました。
実際、私がやったテーマもあれば、これからやってみたいテーマも含めて記載しています。
これを読んで実際に行ってみたという方は、その反応を教えていただけると嬉しいです。自身の地域課題に合うものを考えてみてください。
地区レベルの地域ケア会議(ネットワーク会議)テーマ概要案
サロン立ち上げに向けて
あなたの担当地区のサロン活動は活発ですか?
『ほとんどない。』という地域もあるのではないでしょうか?
地域サロンの主管轄は社会福祉協議会の分野かもしれませんが、地域の社会資源の増加としてはもちろん、総合事業の通所サービスB型などにも発展していける可能性もあります。
社会福祉協議会のサロン担当者を講師として呼ぶなどして、地域におけるサロン活動の必要性などをテーマに講演いただきます。
その後、グループワープなどの時間を設け、設立に向けての準備やその課題を確認します。
良く上がる課題としては、中心となるリーダーや、場所、お金の問題です。
課題解決については、2回目以降のテーマとしても良いでしょう。
結論を出すためでなく、地域の意識作りのための会議です。
サロン立ち上げについての詳細は、こちらにもまとめてあります。
地域包括支援センターの行う高齢者サロン・自主サークル立ち上げ支援の方法とは?サロン活動の活性化に向けて
サロンの数はたくさんあるのにも関わらず挙がってくる課題。
- 参加者の減少。
- 運営者側の高齢化。
- ネタ切れで、運営者側のモチベーションダウン。
そんな相談が多い地区で行う会議。
サロン運営者側の情報交換会に加え、運営に携わっていない地域の有力者にも参加していただき、内容の提案や、地域として協力できる分野の情報交換を計ります。
周知に向けてのチラシ作り
地域からの相談が少なく、地域との連携も弱い
これは、いつかやってみたかったケア会議のテーマです。
新しい圏域での、地区割りになった包括や民生委員や町会と言った、地域の協力機関からの相談が少ない包括。
地域包括支援センターの周知進んでいないことを痛感している包括。
うちの地域は、町会・民生委員が、協力してくれない地域だから仕方ないと割り切っていませんか?
地域包括のチラシを、参加者=地域住民と共に作るのはどうでしょう?
チラシの構成を考えてもらい、どんな事を載せたら便利を話し合います。
チラシの概要が出来上がれば、どんな場所に置いてもらうか、どんな時に配ってもらうかなど、見守り活動のテーマでの地域ケア会議繋げることができます。
自分たちも制作に携わったとなれば、意欲的に配ってもらえたり、配布場所も真剣に考えてもらえるはずです。
地域の困難事例の解消ばかりでなく、支援から漏れてしまっている方をすくい上げるため方法検討としての地域ケア会議も良いのではないでしょうか?
認知症の理解アップ
この辺は、認知症地域支援推進員の役割でもあるんでしょうが・・・
担当圏域全体というよりは、当事者の住む町会や隣組などに対し、小規模にやるのも良いと思います。
認知症サポーター養成講座を行うのも手ですが、90分割かれてしまいます。
概要を特に症状と対応に絞って伝え、
そのような方を(その方)を、地域で支えるための提案をしたり、グループワーク等で案を練ってもらいます。
壮大なテーマとしては、『自由に徘徊できる地域づくり』です。
複数回に分けて地域レベルの地域ケア会議を行う場合などには、1回目で認知症サポーター養成講座を活用しじっくり座学。
2回目でそれを地域に落とし込む対応マニュアル作りなどを行ってみるのも良いと思います。
認知症の意識づくりテーマ
前述の、認知症の理解と似てますが主旨が違います。
『認知症になったら、早期受診はもちろん、地域にも伝えて理解を得ましょう』がテーマ。
認知症になった方をどう支えるか、ではなく、あなたが認知症になった時、どんな支援が必要ですか?を練る会議。
特に農村部や、長く住み続ける方の多い地域では、認知症を隠してしまい、支援や受診から離れ、重度化してしまう傾向が強いです。
認知症の偏見を取るための、『認知症は、おかしな病気ではない』という意識付けと、なった時には、自ら言い出すことで周囲の理解を得やすくする地域作りです。
そのためには、認知症になってもこんな場面で手伝ってもらえると言う、事前の安心感を根付かせる必要があります。
- 外出の協力
- ゴミ出し
- 見守り
- サロン等の地域へのつながりの維持
- 一人暮らし認知症へのサポート
そんな対応ができるための、仕組みづくりを考えます。
合わせて、認知症になった時の支援機関として包括やケアマネの役割、介護保険の活用について説明します。
地域の課題を探すために実施
解決できる、できない別として、とにかく今生活をしていて不便なところ困って事をひたすら挙げてもらいます。
それに対して、
- 現行制度で既に解決できるもの
- 包括の努力や地域の協力で調整してできそうなもの
- 包括の努力ではどうにもできず、行政に投げるべきもの
などに分類していきます。
- ①は、説明
- ②は、当日や次回のケア会議で対策を検討
- ③は、行政へ持ち上げる
会議の中でやる事は①と②ですね。
実際に行ってみた感想としては、グループワークで課題を出してもらい、①を説明する程度で会議時間は終了してしまいます。
グループワークの中に、その場で既にある制度などの説明ができる方が混じっていればスムーズかもしれませんが、地域住民等が多いグループでは、そうもいきません。
グループワーク内の検討内容を発表してもらう際に、都度説明を挟んでいくと、それだけでかなりの時間が取られてしまいます。
一度で済ませてしまうのではなく、②の検討を次回のテーマとして取り上げていくことで、関連付けた会議が会議が開催できます。
ボランティア隊の結成に向けて
作りやすいのは、マンションや団地などの集合住宅。
圏域レベルで広がってくると、範囲が広く苦労しますが、できたら地域の宝。
ボランティアをやりたい人。ボランティアの支援を受けたい人のマッチングをする仕組みを考えます。
最初に集まりやすいボランティアは、町会有力者や民生委員が多いですが、徐々にその輪を広げて、元気な地域住民に広げていきます。
仕組みの中心者は、包括ではなく、地域の方に置くことが良いと思います。(実際この中心を地域に置くことが難しいのですが・・・。)
行うボランティア内容は、地域課題に合わせて変わると思います。
- 話し相手
- 見守り
- 簡単な家事
- 買い物
- 犬の散歩
- 植木の水やり
- 窓ふき etc
などなど、介護保険を使うほどでもないちょっとしたこと。今は、総合事業もありますし、サービスBがこの辺に該当する場合もありますよね。
話し相手や見守りは、地域の人の得意分野です。
誰が、まとめるか、どんなことをするか、費用はどうするか、どうやってボランティアを増やすかなど。
地域包括だけでは、仕組み作りから運営まで行うには荷が重い部分もあります。
社会福祉協議会のボランティア担当者にノウハウを講演いただくのも良いと思います。
配食サービス事業所試食会
高齢者の負担になりやすい食事の準備をカバーし、栄養の安定供給、そして見守り。
上手に使えば、地域の社会資源には重要となるサービスです。
配達弁当に消極的なイメージを持つ高齢者(地域住民)集めて、大試食会を開催なんてのはどうでしょう?。
地域内に、複数の事業所があることが望ましく、試食を無償で提供していただける事業所が必要。
事業所側の営業を兼ねているため、平等に打診をするなど、開催には、行政の包括担当者等と調整が必要かと思います。
テーマ案 まだまだ続きます。
私が、思いついたり実際に行ったり、ネタが増えたら、まだまだ続きます。
細かい部分は個別記事にも記載していこうと思います。
行った感想や、こんなテーマはどう?と思った際には連絡ください。