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【講師向PDF付】認知症サポーター養成講座。構成・パワーポイント資料作り

認知症サポーター養成講座を沢山開いてください。などと言われておりますが、中には開催回数のノルマまでつけられてしまう自治体もあるのではないでしょうか?

テキストを読むだけでも、開催には変わりありませんが、その後の外部からの依頼は、続きません。

良い講座を開くと、周りから依頼がきます。

何のアプローチも営業もなくとも、開催回数は、どんどん増えていきます(ノルマなんて気にならない!最初は、面倒かもしれませんが、しっかり作ると長く使えるものになりますよ。

認知症サポーター養成講座構成の組み立て方

講座について、指定された内容には触れなければいけないものの、細かにやり方が設定されているわけではありません。

主催者や参加者に合わせて、90分間の規定時間の中で独自にプログラムを組むことができます。

・90分を、講義だけで終わらせる場合。
・寸劇などを交える場合
・公式のDVD動画などを混ぜる場合。

テキストに沿って作成したパワーポイントが一つあると長く使えますし、パワーポイントの演出もシンプルに作れば、どの職員でも同じ内容のものが提供できます。

地域包括職員の年齢層はバラバラ、パソコンが苦手な職員でも使える様に、凝った演出を作る必要はありません。パワーポイント資料であるだけで、テキストや配布資料を見ながらよりもわかりやすい!

基本シナリオは、1包括に一つ、是非作っておきましょうみてはどうでしょう?

オリジナルPDF資料

下記は、私が作成したこちらの資料を例に、進行方法についてお話しします。

まずはコチラをご覧ください。

【酒飲み坊主】認知症サポータ養成講座【PDF版ダウンロード】

もちろん無料ですのでご安心を。

私のパソコンスキルが上達したら、パワーポイントデータそのものも載せられたらよいんですがね・・・

うちでは、地域包括から講座に人数をだせないため、パソコンスキルのない職員でも行えて、必要な職員も1~2人で出来るように演出の少ないシンプル構成です。PDFですが、プロジェクターで写し、このまま使ってもらっても構いません。

認知症の現在

最初は、認知症の統計についてです。厚労省のデータを基にしていますので、少し古い統計データになっています。増加傾向について話、これだけ増えてきているので、認知症の正しい理解をするとともに、認知症があっても暮らしやすい社会づくりが必要なんです。

と言った、今回の講座の基礎になる話ですね。

ここで余談として、認知症と痴呆の違いについて話すことがおすすめ。

痴呆と認知症が別物と思っている方も多いです。痴呆症から認知症に切り替わった経緯、厚労省の用語検討会について触れても話が膨らみます。反応も結構いいですよ。

脳の仕組み

認知症は脳の病気であることを伝えます。その後、脳の図を示して、脳の機能を説明。

  • 前頭葉で 感情や意欲を制御
  • 側頭葉で 記憶の管理
  • 後頭葉で 視覚の認識、
  • 頭頂葉で 空間認識や、ザラザラするスベスベする等の感覚
  • 脳の中心部、運動野で、身体を動かす。

ざっと、このように脳の部分ごとの役割を伝えます。正直、聞き慣れない言葉でわかりにくかったりもするので、これを実生活に置き換え説明します。

ここでは塗り絵に置き換えます。と・・・右の絵を使い,

  • 前頭葉で、綺麗に塗るぞ!と意欲を持ち、
  • 側頭葉で、この絵は、「パンダ」色は、「白と黒」を記憶の引き出しを開きます。
  • 後頭葉で、なんの塗り絵か、どんな絵かを見定め
  • 頭頂葉で、影や遠近感、紙がザラザラしている触感、
  • 最終的に、中心部の運動野で手を動かして塗るわけです。

こうやって、ただ『塗り絵をする』と言う動作ひとつでも、脳の全部をフル稼働して作業を行っていることを伝えて行くわけです。

この説明を詳しくしていると、次の認知症の種類の説明がしやすく、理解もしやすいです。

認知症の種類

認サポの基本項目に、認知症の種類について触れるようにありますが、実際に、症状ごとの説明を詳しくすると、話が難しくなってしまいます。

こんな種類があって、こんな症状ですよ~を簡潔に。私は、参考程度としてに伝えるようにしています。先程の塗り絵を使った脳の仕組みを詳しく伝えていると、下記のようにわかりやすくなりますよ。

アルツハイマー型

認知症の割合の中で最もおおいタイプのものですね。

脳全体が緩やかに縮んでいくため、症状が広くでます。ただし、全体的に周囲から縮むので、運動面には障害が出にくいことが特徴。

さっきの脳の絵で、運動野は中の方にありましたよね。

だから、周囲に影響する部分には問題が発生しますが、運動面には障害が出にくいんというところですね。

前頭・側頭葉認知症

前頭葉に障害が強く出るので、感情・意欲が不安定になり、マナーやルールの認識ができなくなり、我が道を行く行動をとります。

おでこの辺り前頭葉は、感情・意欲でしたよね

だから、精神面に強く影響が出て、社会性の失われる我が道を行く行動になるような症状となりますね。身体面や記憶面が比較的維持されるので、精神疾患と間違えられやすい認知症です。

レビー小体型

レビー小体と呼ばれるたんぱく質が脳に生成された箇所に障害がでます。

このたんぱく質は、脳の中のどこに生成されるかわかっていません。後頭葉につくことで、幻視の症状が強く出ますが、側頭葉につかなければ、記憶力にはあまり、影響が出なかったり、中心部にも付くことがあるため、他の認知症にはない運動面でも障害がでます。パーキンソン症状

脳血管性認知症

脳卒中を原因に発症する認知症。脳梗塞等ができた場所に対して症状が出やすくなります。

上記の脳の詰まった場所・出血を起こした場所、それらに付随して症状がでてくるわけですね。

っていった感じです。どうでしょう?ただ読まれただけの説明よりも、脳の仕組みが分かった状態で、種類の説明を行うと、その仕組みの理解が、とてもわかりやすいと思いませんか?

認知症の症状

記憶障害については、テキストのイソギンチャクを使うよりも、この記憶の帯を使う方が、シンプルでわかりやすいんじゃないのかな。と思います。

  • チーズの穴のような虫食いは、一般的な物忘れ。
  • プツン・プツンと記憶が切れているものが認知症。

帯一つずつに、例をあげて説明していくと良いですね。

その他、見当識や実行機能については、書いてある説明とと補足を続けます。

ここでのポイント
大事なことは、見当識障害・実行機能障害等症状の名前を覚える事でなく、どんな状態になるのかを知ってもらうこと。

認知症状をイメージする質問

周辺症状の説明に行く前に、この質問をしています。(S市:地域包括支援センターのT氏に教わりました。ありがとうございます)

『目が覚めた時、見知らぬ場所にいたらどんな行動をとるか』(小学生には、自分が旅行など、知らない土地で迷子になった場合として聞きます。)

認知症の方の状況を表した例えです。将来どんな認知症になるかという、心理テストではありません(笑)

見当識・記憶力の障害から、認知症患者が、現在の自身の置かれた状況を把握しにくくなる状況下にいることを例えた例です。

この質問から、認知症の人は、困った人でなく、困っている人と伝えます。

その時に、不適切な対応をされることで、周辺症状の発症に繋がることを次のスライドにて、周辺症状について説明します。

受診・治療・予防・MCI

この部分の流れとしては、最近、何かおかしいと気づいた時には、受診になるべく早く行きましょう。

ただし、完治のできる病気ではなく、特効薬もありません。なので、予防が大事です。MCIの状態の方は、まだ引き返すチャンスですよ!

と言ったところです。

最近は、認知症を取り上げた医療バライティ番組が大変増えてきています。

予防(特に食事)の話は、参加者の方が詳しかったり・・・食事だけでなく、外出や他者との交流機会をもつことが大事と伝えましょう。

ちょっと、ひと休み:休憩

長谷川スケールの抜粋です。3つの絵提示⇒計算など⇒3つの絵を覚えていますか?といった流れ。

うちでは、息抜きとして、行っているものです。結構参加者が口に出して答えを言うので、それを拾って笑いに繋げたりします。

この後に、少し背伸び等、身体をほぐす時間や実際に5分~10分の休憩を取っても良いかと思います。

認知症の方への接し方

寸劇を行うなら、ここです。

場面を見てもらい、対応を考えてもらうのも良いでしょう。時間や、人手が足りない際には、資料にあるようなイラストを掲示し、どのように対応するかを考えてもらいます。

私の所属する包括では、人手の関係もあり、寸劇はほとんどしませんでした。(寸劇は、認サポのフォローアップ・スキルアップなどで行っています。)

 

対象者に応じて、場面は変更するなど応用を効かせる場面です。資料の中には、3点を入れてあります。対象に合わせて使用してください。

①徘徊中の人に声をかける時

②家の中で、おかしなことを言い出した場合

③地域で認知症の方を支えるためには、

ポイントは、資料に記載してありますが、3つとも着目点が若干違います。できれば、この3パターンを行うか、ポイントだけでも振れられればと思います。

この部分は、話を広げてグループワークにしたり、実際に参加者に役をやってもらいロールプレイ形式にするなどやり方はさまざま。

自治体によっては、今後スキルアップ講座やフォローアップ講座を行う場合がありますよね。今後のフォローアップ研修等に、ネタを残すため、一般の養成講座では、講義・寸劇程度で留めておくことが良いと思いますよ。

家族の気持ち

テキストにも載っています。

肝心なことは、1・2・3・4と順番にいくのではなく、

途中で新しい事件が起こり、また1に戻り何度も1・2・3を往復しながら最終的に4にたどり着くという説明が大事です。

認知症対応の基本姿勢

テキストに載っているまま「3つのない」と、「7つのポイント」を説明します。

ですが、対応の場面で、関わり方は触れているでしょうから、復習兼ねて簡単な復習程度で大丈夫だと思います。

締めとして

最期の締めに私が良く使っているのが、こちらです。

  • した事、された事、場面は忘れてしまいますが、「感情の記憶は長く残る」と、言われています。
  • 怒られた、話を聞いてもらえなかったという、不安や怒りの感情は長く残るわけです。
  • 同様に、助けてもらった事は忘れてしまいますが、助けてくれた、優しくされたという感情は残ります。

という話をはさみ、最後に「認知症サポーターとは」の説明を行い講座は終了となります。



認知症サポーター養成講座構成まとめ

添付した資料は、寸劇なしで、1人で行い、90分構成の物です。

60分の依頼があったり、対象者が変わると強く話すべき場所が変わってきます。自身の所属する地域包括支援センターオリジナルの資料が作成できたらと思います。

小学生向けに行うことも増えてきていますよね。小学生対象の講座構成はこちら。

【講師】認知症サポーター養成講座小学生版構成パワーポイント

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