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【講師】認知症寸劇シナリオ『ごはんまだ?』(小学生実施にも)

小学生向けの認知症サポーター養成講座の開催が推奨され、

今お世話になっている地域包括のある自治体では、すべての小学校に年1回開催が必須となっている状況。

 

先輩方、小学校のあいさつ回りや、校長先生を口説き落とすのにさぞ、ご苦労されたことと思います。

 

さて、せっかく繋いだ小学校での定期開催。

もちろん、これからお願いに伺う、地域包括や行政職員の方々。

あいさつ回りの時に、良いプレゼン資料があると、校長先生の堅い守りも、多少は緩くなるはず!

この記事では、寸劇のシナリオと実施における注意点をお伝えします

 

挨拶時に使える、小学生向け認知症サポーター養成講座のプレゼン資料(実際のパワーポイント資料)のPDFは

【講師】認知症サポーター養成講座小学生版構成パワーポイント を参照ください。

 

寸劇「ご飯は、まだかね?」

認知症の症状として、かなり広まってきたであろう、このネタ。

 

ご飯を食べたばかりなのにも関わらず、食べたことを忘れて、「ご飯はまだかね? 」と尋ねてきて、

家族がイライラする場面。 どのように声をかけたら良いでしょう?

と言うのが、ざっくりとした内容です。

 

では、流れを見てみましょう。

シナリオ

おじいさん:

ごちそうさま。今日のご飯も美味しかったよ。こんなご飯が毎日食べれて、ワシは幸せ者だな~

丼を豪快に食べ切り、褒めちぎる。 観客に食べたという印象付け

 

お嫁さん:

おじいちゃん、お茶ですよ。』湯呑を届ける

ゆっくり食休みしてくださいね。』 食器を下げる

 

おじいさん:

お茶を飲み休むが、少し間を置き、ソワソワし始める。

おーい。●●さん(お嫁さん役の名前) 』

⇒お嫁さん出てくる

 

お嫁さん:

はいはい。なんですか? 』

 

おじいさん:

もうこんな時間だよ。ご飯は、まだかね? 』

 

お嫁さん:

おじいちゃん、何言ってるんですか?さっき、あんなに美味しい美味しいって言って食べてたじゃないですか。 』

悪い対応例1:否定する。

 

おじいさん:

いやいや、ワシは、食べてないよ 』

※食べた・食べてない、のやり取りを数往復しても良いと思います。

 

お嫁さん:

食べました! もう、いい加減にしてください! 』怒り口調で

悪い対応例2:怒る。

 

おじいさん:

ワシは、食べてないぞ! 』

 

お嫁さん:

はいはい。もういいですよ。 』呆れ口調で無視して去る。

悪い対応例3:無視する。

 

おじいさん:

何で、俺の話を聞いてくれないんだ! 』

飯を食わせろ! 』

みんなー、うちの嫁は鬼嫁だぞー! 』

近所に言いふらす様に、ステージ・舞台を練り歩き、そのまま去る。

悪い対応の結果、ご飯ネタから鬼嫁に、問題が膨らんだ流れを残す。

 

お嫁さん:

キャー!!、何てこと言うんですか! 』

このクソジジー!! 』怒って去っていく。

クソジジー!言葉は悪いが、小学生の反応は良好



寸劇後には、

この寸劇をみて、感じた事、間違った対応だと思うところを考えてもらうような時間を設けると思います。

その時に、「クソジジー」を入れておくと、

 

クソジジって言うのは、いけないと思う。

と言った、答えやすい質問を作ることができます。

 

対象学年にもよりますが、寸劇前の認知症の説明を詳しくしていると、

怒ったりしたらいけない。や、話をちゃんと聞いてあげていない

などの意見が、比較的挙がってくるように感じます。

最終的には、
否定する。怒る。無視する。を行ったため、近所の人にお嫁さんは鬼嫁と広められてしまいました。
おじいちゃんは、認知症なので今日の出来事は忘れてしまうかもしれません。
ですが、怒られたとか、無視されたとか、嫌な感情の気持ちは、ずっと残っていき、おじいちゃんの中で、お嫁さんは鬼嫁だという印象が消えないでしょう。
などの、ナレーションで締めます。

寸劇後の正しい例

参加者から意見等を出してもらった後に、それでは正しい場面を見てみましょう。

と、正解例を行います。

絶対正解!という場面は、ありませんので、一例として。

そしてこの絶対正解が無いことも、しっかり伝えてください。

多い例としては、お茶を出して気をそらし、テレビを見てて時間をつぶし、

すると、おじいちゃんは、ご飯のことを忘れて、

「もう、こんな時間か。そろそろ寝ようかな。」と、去っていく。と言った形で、劇を終了し。

怒る・否定するではなく、上手に気持ちをそらしてあげましょう。

などと、締めくくります。


寸劇実施の準備・小道具

茶碗(どんぶり)・箸(菜箸)

うちでは、見やすいように、大きなどんぶり と、菜箸を使っています。

それで、豪快に食べてもらいます。

茶碗・どんぶりは、保管のためにプラスチック・メラミン製の物が良いとおもいます。

湯呑み・お盆

一場面だけですが、演出上用意しています。

こちらも、保管に便利なプラスチックなどで用意しましょう。

歩く場面は、最後の退散部分だけですが、お年寄りのイメージとして、うちでは準備しています。

ちゃぶ台

ちゃぶ台にあぐらをかいて食べると、雰囲気は出ますが、

小学校机借用も可能かと思います。極力荷物は減らしましょう。

包括職員に、あぐらをかくことが苦手な方もいるでしょうから、机・椅子が便利ではあります。

エプロン

お嫁さんのイメージといえば、エプロン。制服の地域包括もこれだけで十分女優さんに。

 

老人カツラ

白髪頭・禿げ頭を作るためのカツラです。

雑貨屋さんでも売っていますが、新聞紙を利用した張り子でも作れますので、1包括に1つ!オリジナルカツラがあっても良いと思います。

 

まとめ

小学生想定での寸劇ですが、実際には一般の認知症サポーター養成講座でも使用できる内容ではあります。

ただし、一般では、全体的なストーリーよりも、場面ごとのピンポイントに焦点を当ててもらいたいため、これでは少し長めな印象があります。

上記の寸劇を行う場合には、下記PDFを活用ください。

~寸劇シナリオPDFのDLは、こちら~

認知症の寸劇:帰宅願望テーマのシナリオ『そろそろ家に帰ります』

コチラも合わせて参考に。