最近、こんな郵便が増えています。みなさんの家にも届いてはいませんか?
この写真は、私の地域包括支援センターのスタッフの元に実際に届いたものです。さらに別のスタッフには同様の内容がメールで届いていました。
地域の方からも葉書を見せてもらうこともあり、うちの地域では葉書が大流行のようですね。
地域包括支援センターで、消費者被害の防止講座を開くには、まさにタイムリーなネタになるかと思います。
さて、『架空請求詐欺』とは、どんな詐欺で、何に気を付けてと伝えたらいいのでしょう?架空請求詐欺もメールであったり手紙であったり色々形を変えますが、葉書を例にして解説しますね。
架空請求の手口
まずは、どのような手口なのか順に見てみます。
- STEP.1最初は郵便やメール
『総合消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ』
この度、通知いたしましたのはあなたの利用していた契約会社ないし運営会社から契約不履行による民事訴訟として訴状が提出されました・・・
訴訟の相談は、下記連絡先で受け付けます。・・・・
訴訟通達センターより。
おばあちゃん
訴訟?訴状? 何これ!? 大変!すぐ電話しないと! - STEP.2電話をしてしまうと・・・
おばあちゃん
こんな手紙が届きまして・・・偽相談センター
安心してください!解決に向けて弁護士を紹介します。この電話番号の弁護士さんにして相談してみてください
- STEP.3教えられたところへ電話すると
教えられた弁護士に電話をしてみると
弁護士をかたる人物からは・・・
偽弁護士
着手金としてまずは、10万円必要です。コンビニ端末から支払ってくださいおばあちゃん
10万円でも大事になるよりはね・・・ - STEP.4着手金支払い後・・・
偽弁護士
相手方は100万円で示談に応じるそうです。おばあちゃん
えぇ・・・そんなお金・・・
さて、このような事件です。
たまたま頼んだ弁護士の腕が悪くて、多くの示談金を支払う羽目になってしまったわけではありませんよ?
そもそも最初の着手金だって、払う必要のないお金ですし、このまま、100円を支払ってしまうことだってありますからね。
郵便はがきに書いてあった内容も、そこに書いてある電話番号も、その後の弁護士への誘導もすべて、一連の手口です。
詐欺のスタートは、『訴訟解決センター』なんて実在するかもわからない機関ですが、
そこに電話をかけてしまったことが、発端です。
被害にあわないポイント
このような、普段見慣れない、手紙。
中身に書いてあることは、なんだか難しいことが書いてあって、さらに『訴訟』『裁判』なんて書いてあると、不安になったり、急いで何とかしなくちゃ!
なんて思ってしまうもの。それでは、相手の思うツボです。
ポイントは・・・
- 『訴訟』や『裁判』など、見慣れない言葉にあわてない。
- 『解決します!』の言葉に惑わされず、電話をしない。
- 身に覚えのない請求には、応じない。
この3点を覚えてもらいましょう。
難しく、聞き慣れない言葉で書いてある手紙かもしれませんが、内容をよく読み、身に覚えのないことであれば、無視することが一番であると伝えてください。
『迷ったら、交番や地域包括へ持参してください』といった形でも良いと思います。
地域向けに講座等で発信する場合には
詐欺手口の説明や解決策のポイントを伝えることは大切です。
ですが、ぜひ用意していただきたいものが、上の写真にもある『葉書』
私のように、たまたま職員の宅に届いた実物があれば、準備も容易ですが、入手できない場合は、葉書に印刷したり、コピー用紙に印刷するなど。
見やすくA3などに印刷しても良いと思いますが、実物感が薄れてしまいますけどね。
どんなものかわからないまま、気を付けてくださいと言うよりも、『実物を目にする』ことで認識は変わってくると思いますよ。