株式会社設立に向けての第1歩となる『定款』が完成しました。
定款作成は、前回の株式会社設立の準備に関する記事から1歩前進というところですね。
居宅介護支援事業所の開設:株式会社【法人設立の準備と手順】定款については、ネットでもひな形は、たくさん出回っています。
必要箇所だけ修正して、自身で作成することもできますが、認証や申請など、自身で行う時間を省略するため、司法書士の先生に依頼しました。
依頼をするにしても、いくつか質問されます。大事なところは2点。
- 会社の名前
- 事業目的=事業内容
その他にも、質問されますが、居宅のみの設立ならとてもシンプル。
便利屋などを、別の事業を行う場合は、事業目的については、必要な許可・指定に影響してくる文言もありますので、司法書士の先生に丸投げではなく、事前に自信である程度調べ、作ったうえで相談に行くことがおすすめ。
『居宅介護支援事業所』や『居宅介護支援事業所+便利屋』を開業する際の参考になればと、私の作成した事業目的を参考例として残してみます。
事業目的の考え方
定款では、第1条に商号つまり会社の名前を記載したあと、第2条には、事業目的を記載します。
特に介護事業は、この目的に決められた言葉の記載を誤ると、指定申請ではじかれてしまいます。
その他の事業でも許可・指定を受けるにあたり、適切な記載がないと通らないものがあるので、行いたい事業からそれに必要な許可・指定を調べ、正しい記載が必要な訳ですね。
居宅介護支援事業所
居宅介護支援事業所を行うために会社を作る場合は、とてもシンプル。
『介護保険法に基づく居宅介護支援事業』
これのみで問題ありません。
逆に、この文言が載っていない定款では、指定を受けることができないので注意です。
介護事業についての指定を受けるためには、居宅だけでなくその他介護サービスについても適切な事業目的の記載が必要になります。
- 訪問介護のヘルパー事業所では、『介護保険法に基づく訪問介護事業』
- 通所介護のデイサービスでは、『介護保険法に基づく通所介護事業』
こんな形ですね。
指定申請する自治体によって、『訪問介護事業』と事業種で記載するか『居宅サービス事業』と総称でざっくり記載するかが分かれます。
事前に確認をしておくと安心ですね。
便利屋
便利屋=なんでも屋ですが、なんでもやるわけではありません。
事業目的についても、便利屋業と書くのではなく、行う業務を細かに分けて書いた方が良いですし、許可・指定に必要な文言もあります。
ざっくりと便利屋を表現するのであれば、『各種軽作業の請負』だけでも良いのかもしれません。
今回、自身の会社で必要となるものが古物商許可証と一般廃棄物処理事業者の指定としてあります。
この辺を取る際には、定款の事業目的に下記の文言を記載しておく必要があります。
- 古物営業法に基づく古物の販売及び買い取り
- 一般廃棄物処理
※一般廃棄物処理についての記載は、申請する自治体によりバラつきがあります。
便利屋業の中で、不用品の処分などを依頼されることを想定し、リサイクルにより販売が可能なものは買い取り、販売ができる様に。
また、不用品(ゴミ)を処理場への搬入ができるようにするためです。
実際に、一般廃棄物の指定は、新規事業所を制限している自治体も多いようでどうなるかはわかりません。
この3点を記載するだけで、基本的な、ヘルパーの家事支援にあたるような部分や、不用品の処分・買い取り・販売が自前で行えるようになります。
便利屋を主とするだけでは、足りない部分もあるかもしれませんが、介護保険サービスのすき間を狙った便利屋業程度であれば、これだけで十分と思っています。
ニーズの一つとして、病院の付き添いを兼ねた移動支援もありそうですが、二種免許の取得のハードル(費用面)が高いことと既に既存サービスまかなえている部分が大きく、自身で行うところについては考えません。
アフィリエイト
このサイトのような、ブログ等を通して、広告収入を得る場合の記載です。
『インターネットによる広告及び宣伝業』
この文章一つで大丈夫じゃないかなと思っています。
最後にこれもつけて。
『前各号に附帯又は関連する一切の業務』
記載した事業目的の、対象範囲を広げる魔法の言葉ですかね。
この一文を載せることで、一つ一つを書かなくとも、記載した内容から広がる部分については、対象事業として行えるようになるというもの。
最後にこの一文を書くことが、定型のようになっていますね。
完成した目的
- 介護保険法に基づく居宅介護支援事業
- 各種軽作業の請負
- 介護用品及び日用雑貨品の販売
- 古物営業法に基づく古物の販売及び買取
- 産業廃棄物、一般廃棄物の収集、運搬、処理及び再生並びにその再生品の販売
- インターネットによる広告及び宣伝業
- 前各号に附帯又は関連する一切の業務
全部で7つになりました。
ケアマネ・便利屋・アフィリエイト事業に加えて、小売業を加えています。これは、後々の事業展開を踏まえての記載です。
介護用品でも介護保険適応にならない商品は多くあります。その他独り暮らし高齢者にとって、気軽に買いに行けないけど、必要なもの。
主に近所のスーパーでなく、ホームセンターなどで売っているものなんかですね。
こういった一定のニーズがあるものについては、ある程度在庫抱えながら、小売りについても行えるのも良いかと思い、実際に、事業目的はこの7点で定款作成を行っています。
事業目的は、変更できる
いろいろ考えながら、事業目的を7つに絞りましたが、会社を作った後にも事業目的は変更・追加などが可能です。
ただし、そのために費用がかかることが欠点。
そのため、今すぐ行う事業だけでなく、今後行うと思われる事業にも記載してくことも良いでしょう。
沢山事業目的を書いても、費用に変化はありません。
融資を受ける際に、記載されている事業目的が多すぎると不利になるなんて話もあるようですね。
現在の目的の意図と、その先の展望について、説明ができる範囲に留めておくことが良いと思いますよ。