- 社会福祉士を取ったばかりの方
- 保健師として、地域への関心からの就職
- 看護師として病院勤務からの転職
- ケアマネ経験年数が増え、主任ケアマネに昇格した方
地域包括支援センターの求人を見かけて、ちょっと移ってみようかしら・・・なんて。
地域住民にさえ、周知があまりされていない、地域包括支援センターがどんななことをする機関なのか、あなたは知っていますか?
『勢いで入職して、3ヶ月で退職・・・』なんてことにならないよう。どんな場所で、どんなことをやっていて、自分に合うのか。良く知ったうえで、働くかどうかを決めましょう。
目次(もくじ)
地域包括支援センターの業務内容
主の対象となるのは、65歳以上の高齢者です。その本人・家族などの総合相談窓口と言われています。公に載せている業務内容は、大きく分けて4つ。
1.総合相談
2.権利擁護
3.介護予防ケアマネジメント
4.包括的・継続的ケアマネジメント
こうやって書くとたった4つの業務となりますが、これから実際の業務内容をお話ししていきます。
総合相談業務
地域包括支援センターとは、主に高齢者の総合相談窓口として機能しています。
総合相談と言っても、介護相談、福祉相談が主であり、介護保険の申請相談や、施設入所・住宅の改修工事の相談。退院後の生活相談など、高齢者の生活に関する相談が一番多いです。
なので、基本的な対象は、『高齢者』または『その家族』となります。
同時に高齢者の生活から切っても切れない、金銭管理や、消費者被害、生活困窮、といったお金の相談。(これは2つ目の、権利擁護にも一部重なります)
- 近隣の植木が伸びて困る
- ハチの巣を取って欲しい
- 孫が不登校になってしまった
などなど、介護・福祉分野から、少々外れた相談件数も数は少ないですが訪れます。
うちでは、担当外の業務ですと、突き返せないのが地域包括の大変な所。
高齢者の相談窓口としての機関なので、受けた相談は追い返すのでなく、担当機関に『繋ぐ』までが仕事となります。福祉・介護の知識だけに囚われず、障害分野や金銭トラブルへの知識等、幅広い分野への対応力が必要です。
そして、この手の制度は、コロコロ変わります。介護分野は、3年ごとに、大きな改正が入りますが、その間も小さな変更が、たびたびあります。働きながらでも、制度の変更に追いついていくことが大変で、常に勉強しないと、相談で間違えた答えを教えてしまいます。
他の相談機関と一番の違いは相談場所。市役所や病院等、さまざまな相談場所がありますが、一番の違いは、相談を受ける場所が、相談者の自宅である割合が圧倒的に高いです。
対象者が、高齢である方ばかりなので、電話で済まない相談や手続きが必要なものに対しては、センターに出向いてもらうのでなく、対象者の自宅で行います。
ケアマネジメント業務
ケアマネージャーを持っている方や、主任ケアマネであれば、比較的、取り組みやすい業務内容です。
地域包括支援センターの職員は、ケアマネージャーの資格がなくとも、『要支援』『事業対象者』の認定者に対して、ケアマネージャーの業務を行います。
このケアマネージャー業務については、市町村によって、担当件数等に制限されている地域もあり、ほとんど行わない地域包括もあります。
多いのは一人当たり担当10件程度のようです。逆に上限がなく一人当たり60件以上担当する地域もありますね。
この業務量が多いことで、その他の業務が不十分になることが多く、この業務だけで、他の業務に手が回せない。という地区(市町村)もあります。
私が担当していた件数は『月:35~40件』でした。これは結構忙しくなります。
転職を希望する地域包括支援センターが候補としてあるのなら、該当地区での担当件数のなどを聞いてみると良いと思います。
講演・講座の講師
町会・自治会・民生委員やサークル活動団体などから、認知症の勉強会を開いて欲しい、介護制度の勉強会を開きたい等講座開催の依頼が来ることが多くあります。
そんな時には、日常の相談業務で使う介護・福祉の情報を、わかりやすく伝達する、講師の役割も業務の1つです。
新人で、いきなり講師を任されることは少ないでしょうが、30~1時間といった講座時間。
人前で話すことが苦手な方などは、注意が必要です。
行う際には『このサイトを活用』講座ネタから、そのまま使える配布資料が別ページに詰まっています!(宣伝)
地域づくりへの取り組み
相談に来る方に対して、支援を行うという、個々の相談対応でなく、担当する地域の福祉力、地域の力を底上げすることも、地域包括支援センターの役割です。
地域を知るために、町会や地区で行われている、サロン活動や行事に参加し、地域包括支援センターの周知活動や、介護予防の普及啓発活動。
地域の商店や業者などと、高齢者の見守りネットワークの構築をしたり、支援を必要とする方を、早期に発見・通報などから地域包括からの支援につながりやすい体制・システム作り。事務所内だけでの業務でなく、地域に出て、参加していくことが多くありますね。
町会長や民生委員をはじめ、さまざまな地域の方々とのネットワークを広げていきます。
そして、どんな地域にも、クセの強い方がいたりします・・・。上手に溶け込んでいき、お互いにプラスになる関係づくりをするためのコミュニティー能力が重視されるところですね。
『事務所でゆっくり、事務仕事がしたい』『アクティブな活動は苦手』と、思っている方は注意が必要。
地域包括支援センターを運営する母体法人は?
市役所の担当課が直営で行う市町村と、地域の社会福祉法人、医療法人、株式会社などに業務委託している場合にわかれます。
一般の求人を見て入職を検討する場合、委託されている法人が行う面接等が、地域包括への就職の入り口になります。
公の機関である、地域包括支援センターですが、委託される法人の色が、強く出るセンターも多くあります。
この点は善し悪しあると思いますので・・・入職を希望する、地域包括支援センターの情報だけでなく、『運営母体の法人の情報・評判』にも目を光らせることが良いと思います。
業務時間
自治体や運営母体の法人によってまちまちです。
平日のみ開館のセンターもあれば、土日も開館する場所、開始時間も8時半~だったり、9時~だったり。
直接、確認することが必要になります。
多くの地域包括支援センターで言われているのが、「夜間・休日にも対応ができる体制作り」です。
緊急の手配等が必要となった際の連絡手段として、転送される緊急用携帯電話を、当番制などで夜間・休日も持ち歩く、センターが増えてきています。
そこで、ただ緊急用携帯電話を支給して済ませる法人と、電話を持っているだけで、携帯手当を出す法人にわかれます。(※こんな細かいところまで、面接なんかで聞いたら、少し印象悪い気もしますが・・・チャンスがあれば・・・)
お給料
介護業界が全般的に低いので、この点に期待することは難しいです。特に、病院勤務の看護師さん転職すると、収入の差が大きいと思います。
それでも、3職種の主任ケアマネ、看護師、社会福祉士をならべると『看護師>主任ケアマネ>社会福祉士』になりますが、過去の勤務地や経験により変わりますので、一概には言えません。
ちなみに、社会福祉士で働いた私の年収が、1ヶ所目320万、2ヶ所目400万と経験年数もあがっていますが、かなり差がありますよね。2ヶ所目には包括経験6年目で移っています。
1ヶ所目の1年目は300万行ってなかったですね。
まとめ
基本的な業務の中心は、相談業務とケアマネ業務です。これが、全体の6~8割。ほとんどケアマネージャーのような仕事です。
仕事の忙しさは、ケアマネ業務の担当件数次第で大きく変わりますね。
講師依頼は、それほど多くありません。健康講座で話す内容は、だいたいが固定化されているので、基本的な講座内容を押さえてしまえば、苦にはなりません。
地域づくりとしての地域との関りは、それを目的として関わっていくよりも、相談業務を行いながら、民生委員・町会と繋がっていくケースが多いですね。
地域包括支援センターとの関わりに消極的な町会や団体にアプローチをしていくことは、コミュニケーション能力が強く求められ、私が苦手とする分野ですね。
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