近所に、アパートができるのかな?そう思っていたら、介護施設だった。
少し前まで、どこかの会社の社員寮だったのに、老人ホームになっている。
高齢化が騒がれて、認知症の番組も増えてきて、あちこちに介護施設が出来てきているのを目にしませんか?
一般の方では、ひとくくりに『老人ホーム』と呼びますが、施設の種類は細かく分かれており、施設により、入居の対象者が異なり、入居した後に行うことも違ってきます。
- どんな種類の施設があるのか
- どのようなための施設なのか
もし、入居を考える場面が来た際に、自分に合った施設はどの様な場所であるか、考えながら読んでください。
目次(もくじ)
介護施設の種類について
1.介護老人福祉施設 = 特別養護老人ホーム
一般に『 特養 』と呼ばれる施設です。
要介護3以上(H27年の改正により、要介護1・2は特例の場合のみ可)
身体上・精神上の理由により、常に介護を要する方が対象。
食事や入浴、排せつなど日常生活全般に介護を受ける ことができます。
所得に応じて、入所費用の減額を受けることができ、さまざまな施設の中では、低い負担額で入居ができる施設。
金額例
多床室(7万円~10万円程度)
個室・ユニット個室(15万円~20万円)
たびたび、テレビ・新聞でも取り上げられるように
課題は、待機者の人数。
それは先着順でなく、緊急性・必要性で加点され、順番が前後するため。
必要性などを、概要で判断する施設もあれば、
保育園の入園審査のように項目に点数をつけ、加点する施設も。
審査内容としては、
- 介護等級
- 病状
- 介護サービス利用状況
- 家族有無
- 家族の生活状況など
このような複雑な審査があるため、一度入居してしまうと、他の特養に移ることが難しいのです。
理由は、入所中であると、緊急性がないと判断されるため。
『何年も待つ人』もいれば、『すぐに入れた』というケースもあります。
待機人数が多い施設としては、料金負担が安く狙える多床室を持つ施設
最近の主流である、ユニット型個室の施設では、比較的待機者は少ないことがメリットにもなりますが、金銭負担が増加。
近年、新型介護施設と言われるユニット型施設の新設が増加しており、従来の多床室を持つ施設の割合が少ないため、狙う方は集中してしまうのです。
金銭的な面もありますが、どんなに重い介護状態であっても、急を要する医療の必要性がなければ、看取りまで施設で行うことができますので、待機人数を聞いても諦めず、必要な際は申し込みを。
2.介護老人保健施設
老健と呼ばれる施設です。
入所要件
要介護1以上の方が入所可能な施設。
永住を目的としておらず、重点的にリハビリを行い、元気になって自宅に戻るための施設。
基本的には3か月間。
入居例)
・退院と言われたが、家に帰ることが不安。もう少しリハビリを続けてけて万全な状態で家に帰りたい。
・在宅で生活を頑張ってきたが、最近動作が不安定。集中的にリハビリをして元気になったらまた自宅に戻りたい。
元気になったら、自宅へ ⇔ 状態が低下してきたら、施設へ
これをサイクル的に利用していきます。
あくまで、在宅復帰を狙うための施設ですが、実際は、特養などの入所待ちの間に利用されているケースも多いです。
数年前から、在宅への復帰に繋がるケースが多い施設には加算(報酬の上乗せ)が付く制度が強化され、在宅復帰に力を入れる施設が増えてきた印象。
オムツ代や薬代など、他の施設では諸費用としてかかるものが利用料に含まれているのも特徴。
治療・リハビリ目的の病院と自宅との中間的な位置にいる施設です。
3.認知症対応型共同生活介護=グループホーム
入所要件
・要支援2以上。
・診断に、認知症があること。
身体的には、状態が良いものの、認知症により在宅生活が困難になった来た方々が、
お互いに補い、施設スタッフがサポートをすることで、共同生活を送る施設。
特養・老健よりも施設数は比較的多く、新しい施設も増えています。
そのため、施設に空床のでる施設も増えたため、重度者を受け入れたり、
以前から入所していた方の、身体状態も年々低下してきており、
共同生活を掲げているものの、
実際は、上げ膳据え膳の一般的な老人ホームと変わらない施設が多くなってきている印象。
入居を検討する際には、施設見学をしっかりと行い、そこの施設内での活動状況を確認することが大事です。
グループホームは、地域密着型施設と言われ、原則的に自身の住民票がある市町村にある施設へ入所が可能。
4.介護付き有料老人ホーム
入居要件
等級に関係なく、誰でも入れる施設。
施設によっては、介護認定を受けている方と独自要件のある施設も存在します。
民間主体であり、設備や、立地で、料金は変動。
入居金についても、0円~数百万以上と差が大きくみられる。
リハビリの有無や医療の充実、食事、部屋の広さ等も料金に応じて変化。
極端な話、お金次第。
基準的な広さで、13㎡(7~8畳程度)
5.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
賃貸契約により、アパートに入居をするようなスタイル。
イメージとしては・・・
バリアフリーに特化した賃貸マンションの1階にデイサービスが付いており、
建物内や敷地内などにヘルパーやケアマネージャーの事務所があり、
居室内のナースコール・定期の見守りサービスが組み込まれたマンション・アパートに住む感覚。
こちらも民間主体であり、設備等料金に比例しますが、生活をするにおいては、自身での外出等も可能で、比較的自由度が高い施設です。
介護サービスも無理やり導入されてしまうわけでなく、必要な分を選んで選択可能。
基本的な部屋の広さは、25㎡(ワンルームマンションの1室程度)
自立度の高い高齢者:サービス付き高齢者向け住宅での生活が狙い目6.軽費老人ホーム=ケアハウス
おおむね60歳以上であれば、認定等級の有無関わらず入所可能。
費用負担は、本人所得に応じて変わるため、低所得の方であっても、他施設に比べて安価な価格帯での入居が可能。
身の回りが自分でできる方が入所条件でもあるため、自立が困難になった方は退去を求められることも。
一般の自宅と近いため、ケアハウス内でも介護サービスを利用せずに生活している方も多数おります。
身体状態の低下に合わせて、必要な介護サービスを導入することも可能です。
まとめ
以上のように、「老人ホーム」と言っても中身は様々。
施設に入ることに難色を示す方も多いですが、
施設の中身を知り、本人の状態に合わせ、
上手に利用することで、住みやすい生活の場になるかもしれませんね。
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