一般向けの認知症サポーター養成講座の実施回数が増えてくると・・・
今度は、小学生・中学生に対しても、認知症サポーター養成講座を実施していきましょう!と言う、自治体が増えてきています。
実際に、地域により温度差がかなりあるようで、既に、自治体から毎年1回の開催が義務化されている場合もあれば、校長先生とのところに何度も挨拶に行き、ようやく実施の許可を貰える場合もあります。
校長先生に、開催の依頼・挨拶をするにも、どんな物を開催するのか、概要が決まっていないと、話も進みません。
この記事で公開しているパワーポイント資料(PDF)を持ち「認知症サポーター養成講座では、こんなのを開催します!」と、見せられれば、話もスムーズ!校長先生へのプレゼン資料としても使えます。
私も、何校か挨拶に行きましたが、市町村どころか、学校単位で温度差がある印象。
要するに校長先生のやる気次第です。
そんなプレゼンにも使える、小学生向けの講座構成・資料準備しました。
目次(もくじ)
小学生版:認知症サポーター養成講座パワーポイント資料
まずは、私が使っている認知症サポーター養成講座資料です。
これに沿って構成案内をしますので、見てみてください。
【酒坊主たろく】小学生向け認知症サポータ養成講座【PDF版】
作成している講座資料の対象は、小学生を対象にしています。中学生対象は、私が未経験。
依頼のある学年層は、4年生が一番多い印象。(カリキュラム的なものでしょうかね?)その次は、6年生です。
内容は、4年生も6年生も大きく変えてはいません。ですが、6年生に実施する際には、もう一歩難しくても良いと思います。自身の担当地域での依頼学年に合わせて難易度を変えて資料を作成してみるのも良いと思います。
人数は、学校によりまちまちです。
- 1クラス単位で行う場合 (30~40人)
- 2クラス合同で行う場合 (60~80人)
- 学年単位で行う場合(100前後)
学年単位で開催の場合は、講義中心で行いました。手を挙げてもらって、数人を指して答えてもらう程度です。
クラス単位では、前後の子たちで話し合いの時間を設けたりします。
寸劇・事例などについて、対応方法などを考えてもらい、数人に発表してもらいます。
時間に余裕があれば、後半に行う事例演習の中で、認知症の高齢者(職員)に向かって、対応方法を実演してもらうのも良いでしょう。
- 質問の受け答えやり取り
- イソギンチャク(記憶の壺)
- 寸劇の役者
以前行ったこともありますが、イソギンチャクのような記憶の仕組みを伝える場面で、ボールを投げてもらう演出をするのもありますね。
参加型といっても、このイソギンチャクの例えが分かりにくいので、私はあまり実践していません。
寸劇の役者を小学生に行ってもらうのも良いのですが、時間が限られているので、こちらも正直難しいところ。
『質問して、考えなどを答えてもらう』このやり取りを上手に組み込むことが無難だと思います。進行役の方のマイク運びが活かされる場面ですね。
- 前説・自己紹介:5分
- 講義:20分
- 背伸び、肩・腰回し(寸劇準備中)
- 寸劇・対応方法:15分
- まとめ:5分
開催前の事前確認
開催が前向きに進んでいる場合には、一度学校に出向いて打ち合わせをしておいた方が良いです。
- 機器・プロジェクター等の確認
- 部屋の広さ
- 話す場所
- 当日の学校側の準備(机やイス、ホワイトボード等)
- 担当教員への当日の流れ説明
- 資料やリングを配るタイミング・渡す相手
この辺が確認できれば十分でしょう。
プロジェクター等は、正しく映るかどうかも打ち合わせの際に一度試しておくと良いと思います。特に映像(動画)を入れる場合には音が出ない・映らないなどの機器トラブルも想定されます。
学校によっては、講座後に「お礼の言葉」や「今日の感想」を代表の子に発表してもらう時間を入れて欲しいといった要望が出ることもあるので事前に確認して時間調整を行います。
私が行う時には、最初にテキストを配りません。リングと一緒に渡し、今日の復習として活用してもらうようにしています。
講座の最後に授与式のようにクラス代表に渡す場合もあれば、先生に渡してホームルームで配ってもらうという場合もありました。
開催場所が教室だと難しいのですが、図書室や体育館、多目的教室などの場合、開始時間前に空いているようであれば、早めに行き通しで1度やっておくと良いです。
講座内容:前説・自己紹介
地域包括支援センターを、ほとんどの生徒は知りません。先生も知らない人が多いでしょう。認知症サポーター養成講座であっても、包括の知名度を広げるチャンスです。
センター名や職種を言うだけでなく、簡単に普段の業務内容を説明する時間を入れても良いと思います。
普段は、65歳以上の高齢者(お年寄り)の相談を受けています。相談の内容は、身体が弱ってきたから元気になりたい。運動できる場所を紹介してほしいといった場合や、身体が悪くなってしまって、生活が大変。身の回りのことを手伝ってくれる人を紹介してほしい。などなど。
『介護』といった言葉からのイメージがつきにくい世代なので、「介護相談」というよりは、「お年寄りの生活相談」などと置き換えた方が伝わりやすいと思います。
3職種が上手く参加できるのであれば、それぞれの仕事の内容についても触れても良いのではないでしょうか。
講座内容1:目標確認
認知症サポーター養成講座どころか、『認知症』の言葉も初めて聞いたという生徒が多いため、まず「今日は何を学ぶ講座なのか」を伝えます。
目標
①認知症がどんな病気か知る。
②認知症の人の気持ちを理解し、どのように接したら良いか学ぶ。
目標ではあるものの、病気の解説を詳しくしすぎると難しくなってしまいます。大事なのは②の対応方法・接し方ですね。
講座内容2:お年寄りのイメージ・認知症とは?どんな病気か
小学4年生程度だと、認知症にかかりやすいと言われる世代の方(80歳程度)と接したことのない生徒も多いです。
祖父母も60代であることも多いですからね。
漠然とした、『お年寄り』のイメージを聞き、何人かに応えてもらいます。
そんなイメージを踏まえ、それだけではなく、お年寄りだからこそ、掛かりやすい病気の1つ。それが認知症。という運びで、認知症が高齢者が掛かりやすい、病気の一種であることを伝えます。
もちろん返答によっては、『クサい』『汚い』など悪い意見も出てくることもありますので、上手にさばいてください。
狙っている答えは、次のスライドに挙げている「目や耳が悪くなる」「杖で歩いている」「病気になりやすい」といった返答です。
お年寄りの特徴として、このようなものがありますが、同様に、皆さん(小学生等)はならず、年を重ねていくほどかかりやすい病気があります。それが「認知症」です。という流れですね。
その認知症とは「脳の病気」なのです。
講座内容3:脳の仕組み
認知症が、『脳の病気』であることを印象付けたら、そもそも『脳』がどんな働きをしているかを伝えます。
脳は、みなさんの頭の中には必ず入っています!入っていない人はいません!
もちろん当たり前ですが、言ってみると、「オレ、入ってないと思う!バカだもん」とか言う生徒がいてて面白いです。
『脳=考えるところ』と思っている子供たちは多いです。
「頭が良い=脳が大きい」「バカ=脳が小さい」みたいなイメージですね。わかる気はしますが・・・。
実際には、それ以外にも、見たり・聞いたり、怒ったり・笑ったり、考えたり、身体を動かしたり日常のこと、すべてに影響していることを伝えます。
その説明を、塗り絵を使って行います。
脳の部分ごとの名前は覚えてもらう必要もないので、流してしまって問題ないです。
- おでこのあたり:やる気・意欲
- 後頭部:視覚
- 耳の上あたり:記憶
- てっぺん:感覚・空間認識
- 脳の中心:動かす
幼児がやるような簡単な塗り絵一つやるにしても、これらをすべて使います。
脳全体を活用して
- 綺麗に塗るぞ!(やる気・意欲)
- 今日の塗り絵はこんな絵だ(視覚)
- パンダの耳は黒?白?(記憶)
- 紙がザラザラする。ペンが塗りやすい(感覚)
- 手を動かして塗る(動かす)
ほら脳の機能がフル活用でしょ?って流れです。概要的な説明ですが、小学生が対象なのでこれくらい噛み砕いて伝えましょう。
その脳が、縮んでしまったり、傷ついてしまったり、なんらかの「異常」が起きると『認知症』になってしまう恐れが高いことを伝えます。
そして、
・風邪や怪我は、治る。
・認知症は、治らない。
これに触れます。
講座内容4:認知症の症状について
認知症は、『脳の病気』であることを伝えてありますね。
一般的な病気や怪我では、風邪をひくと、鼻水がでたり、咳が出たり、怪我をすると、血が出たり、痛かったり・・・病気ごとの症状があります。
認知症も病気なので、症状があります。その症状がどんなものかを説明します。
症状の説明を詳しくすると、小学生には難しく分かりにくくなります。資料に書いてあるように、概要をざっくり伝えるくらいで十分です。
認知症サポーター養成講座の大事な点は、認知症の症状ではなく、対応・関わり方の意識に重点を置くべきですからね。
症状①記憶の障害
講義中心の場合、3本の記憶の帯を使って説明。
みんなの脳(若い脳)は、ずーっと一直線。
それが、物忘れの時の脳は、虫食いのように欠ける。
『漢字のテストで、見たことある!でも読めない!』『教科書のあの辺に書いてあったことは、覚えてる・・・』
みたいな感覚を例に挙げると子供もわかりやすいです。
認知症の人は、記憶がすっかり、抜け落ちる感覚。食べた内容だけじゃなくて、食べたことも忘れる・・・なんて感覚。
などと、小学生ならではの例を使うと、入りやすい。ですね。
症状②見当識・判断力の障害
漠然とした感覚でしか説明のしようがないので、簡単に説明。
- 日付が分からなくなる。
- 相手が誰だかわからなくなる。
- 方法・手順がわからなくなる。などなど。
講座内容5:迷子の状況から、認知症の方の気持ちを知る
見当識や記憶力の障害から認知症の方は自身が置かれている状況を把握することが難しくなる状況下にいます。
それが、子供が突然、知らない場所で迷子になってしまった状況と似ていることから、場面を想定して行動・気持ちを聞いてみます。
Q;知らない場所で、迷子になった時、どのような行動をしますか?
- とりあえず、歩いてみる
- 同じ場所でじっと待つ
- いろいろ声を掛ける
- 泣く・怒る
この質問で、何番だと思うか、手を挙げてもらったり、答えてもらったり。この感覚が、『認知症の方が置かれている状況と似ている』という話です。
困った状況、不安な状況、どうしたら良いか泣き出してしまう状況
こんな状況であることを感じてもらうための質問。
こんな時(迷子になった時)怒られたり、誰も話を聞いてもらえなかったら、みんな辛いよね~
な感じに話を持って行きます。
講座の内容6:認知症当事者の気持ち
前述の、迷子の状況についての質問で、認知症の方がおかれる状況について触れた後、そんなとき、当事者・本人がどんな気持ちでいるのかを確認。
この不安や、困っている状況に優しく接せることができるのが、『認知症サポーターだぜ!』と言うのが落としどころ。
講座の内容7:事例紹介or寸劇
寸劇は、時間を見て1本のみの場合や、2本やる場合。2本目は悪いパターンだけ行い、各々に良いのを考えてもらうよう宿題のように促して終了する場合などがありました。
埼玉さんちの例。(私が埼玉人なので)
最初に、ナレーション担当が、背景を語ります。
埼玉さんちは、お父さん、お母さん、小学生4年生の双子の兄弟と、おじいちゃんの5人で暮らしています。
ある日、おじいちゃんが、お母さんと病院に行くと、先生から「認知症」になっています。
と言われてしまいました。
場面1:ある日、食事の後、おじいちゃんが、おかしな事を言い出しました。
と、ここから、寸劇に入ることが良いと思います。小学生は講義ばかりだと飽きてしまいますからね。
ご飯食べたのに、「ご飯はまだか?」と言い出しました・・・と
その対応について、考えてもらったり、発表してもらったり。
↓ご飯まだか?事例のシナリオはこちら。

②ある日、おじいちゃんが家の中をぐるぐる迷っています。
徘徊の声掛け、自宅内バージョンです。
トイレを探してぐるぐる回っている想定で話を進めています。
どんな風に声をかけたら良いか、どうやっておじいちゃんの意向を聞き出せば良いか、を考えてもらいます。
講座の内容8:講座のまとめ
前述の、事例からの検討・振り返りを踏まえて、どのように接することが良いのか3本の柱を説明。
- 今日聞いた話を実践すること。
- 自宅帰り、家族にも今日のことを広めること
などを伝えて、講座は終了です。
小学生向け講座まとめ
45分が1コマなので、盛り込みすぎると時間的に厳しいです。指名して答えてもらう場合も素早く。
質問しても小学生は結構すぐに手を挙げてくれます。
寸劇を行う場合も5分弱で、リアルにやるよりも、笑いを取るために仕込んだ方が、小学生の反応は良いです。ぜひ、楽しくやりましょう。
先生から上がった提案で、集会室・体育館等で体育座りでずーっと聞くのは身体的につらいです。
途中で、『背伸びや身体を動かす場面を持ってほしい。』という意見もありました。
良いタイミングで、背伸びしたり・腰を回したり、息抜きのポイントを作りましょう。
上手に行えば、毎年の定例開催を校長先生に打診しやすいと思います。
資料も、一度作ってしまえば、毎年使えます。頑張ってオリジナルの認サポを組み立ててみましょう!
~一般向けの認知症サポーター養成講座についてはコチラも~
