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住宅改修理由書の書き方と文例・記入例:素早く終わる作成のポイントとコツ

住宅改修を介護保険で行う際に必要となる、『住宅改修が必要な理由書

慣れてくるとシステマチックに穴埋めしていくだけなので、短時間で出来上がるものですが、慣れないうちは面倒な書類の一つですね。

ポイントとしては、手抜きに見えるくらいシンプルに。でも要点は押さえて書く。

手を抜いて書けという訳ではなく、時間をかけた長文ではなく、要点だけ押さえてあれば短文でも十分ということ。

記載すべき内容や書き方のポイントについてまとめてみました。合わせて、良く挙がりそうな事例を、複数参考例として記載しています。使えそうな部分は、コピーするなり活用ください。

⇒家屋調査の際のチェックポイントはこちら

注意

基本の書式は、このようなものですが、自治体により独自で作成しているところももあるので注意してください。

記載すべき内容については、大きく変わらないはずです。

住宅改修が必要な理由書(P1)

まずは、理由書の1枚目。申請者の情報や、作成者の情報など記載箇所はいくつかありますが、記入に悩む場所はこの3点

  • ①利用者の身体状況
  • ②介護状況
  • ③日常生活をどう変えたいか

記載する枠は、とても大きい手ですが、普段アセスメントしている内容を簡潔に書けば問題ありません。

①利用者の身体状況

  • 主の疾患
  • 身体の麻痺及び拘縮
  • どんな動作ができて、どんな動作が不自由か

記載内容としては、このような点です。手抜きポイントとしては、この3点を繋げて書けば完成。

基本的に現状を書くだけなのでシンプルですが、利き手や握力、昇降可能な高さを書くなどすると詳しくなります。

記載例1
R2年4月、脳梗塞発症し軽度の右半身麻痺。右手(利き手)の握力減少がみられる。4点杖を使用し、自宅周辺の200m程度の散歩は日課として行っている。周囲に掴まるものがあれば15cm程度の段差昇降は可能。
記載例2
腰痛の訴えが強く、腰のコルセットを常時使用している。自宅内は壁・家具の伝い歩き、屋外は歩行器を使用し近隣の店舗へ買い物は可能。

②介護状況

  • 家族構成
  • 介護状況(入浴・排泄)
  • 外出状況(手段・介助の有無)
  • サービス利用状況

こちらは、生活場面の状況を記載するところです。介護状況と書かれていますが、独居であったり、特段周囲からの支援を受けていない場合であっても、生活状況全般について記載しておくことが望ましいです。

私がいた自治体では、外出状況とサービス利用状況をここに書くことが必須要件でしたが、一般的には受けている介護内容を記載する欄ですね。

記載例1
夫との2人暮らし。排せつ・入浴には介助を受けていないが、買い物は夫が行う。遠方への外出は一人で行えず、通院の際には夫の車。介護サービス利用については、通所介護を検討中。
記載例2
独居。近隣市に長女が済んでおり、買い物や病院送迎などに支援を受ける。排せつ・入浴に介助はないが、入浴はシャワー浴のみ。週2回の訪問介護、週1回の通所介護を利用。
記載例3
長女と2人暮らし。日常生活全般に支援を受ける。トイレには行くが失敗も多く長女の介助が必要。入浴は週3回通所施設にて行う。外出は受診のみ、長女の車送迎で行う。

③日常生活をどう変えたいか

2枚目に記載する内容のまとめとして記載します。『この住宅改修をすることで、何が、どうなるorどうしたい』のような書き方ですね。

出来てることを減らさないため』が目的というのも、自立支援に向けた視点ですのでおすすめの書き方。

記載例1
玄関内外、トイレ、浴室等、段差昇降や立ち座りをする場面において掴まることができる手すりがあることで動作が安全に容易に行うことができるようになる。
記載例2
浴室の手すりの取り付け、扉交換をすることで、家族が入浴介助をする際に、スペースの確保、利用者の移動及び姿勢保持を安全に行うことができる。
記載例3
手すりがあることで、外出の際の不安・負担が軽減でき、閉じこもり生活を改善することができる。
記載例4
2階への階段の手すり、ベランダに出る際の窓縁に手すりをつけることで、洗濯物を自身で干す習慣の継続をすることができる。



住宅改修が必要な理由書(P2)

ここで、記載に頭を抱えるところは、『②具体的な困難な状況』と『③改修の目的』についてですね。それぞれに記載例を挙げていきますが、基本的な部分は同じです。

  • ②は、AだからBで困っている
  • ③は、CすることでDになる

この書き方で上記のABCDを埋めていくだけで理由書は仕上がります。

③の目的として、

  1. できなかったことをできるようにする
  2. 転倒等の防止、安全の確保
  3. 動作の容易性の確保
  4. 利用者の精神負担や不安の軽減
  5. 介護者の負担の軽減

などと、チェックをつける箇所があるかと思いますが、おそらく『234』など複数にチェックがつくと思います。コメントの部分にチェックのついたものすべてを記載する必要はなく、要約した物を記載できれば十分です。

『転倒の防止、動作の容易性、利用者の不安軽減』が目的としてチェックがつけてあっても一つ一つにコメント記載する必要はなく、『手すりをつけることで身体負担を軽減し転倒の防止ができる』などと要約して書かれていれば理由付けとしては十分だと思います。

記載箇所の注意
移動場面で使用する廊下の手すりについては、トイレに行くためか、浴室に行くためか、外出のためか、目的に応じて記載箇所が変わります。

②の手抜きポイントとしては、語尾に『転倒の危険がある』を書いておけば取り合えず大丈夫。

③の手抜きポイントとしては、語尾に『安全に行える』を書いておけば取り合えず大丈夫。

排泄

手すりの取り付け、便座交換、扉交換が主な対象内容ではないでしょうか。

トイレ手すり1
②:手すりの設置が無く、立ち座りの身体負担が大きい。

③:手すりがつくことで安全に容易に立ち座りの動作が行える。

トイレ手すり2
②:家族が排泄介助をする際に、掴まる場所が無く本人の立位保持が困難。

③:手すりを設置することで、介助を受けている間掴まることができ、立位保持が可能となる。

トイレ戸
②:開き戸であるため、開閉時に転倒の危険が高い。

③:アコーディオンカーテンにすることで転倒リスクが軽減できる。

洋式交換
②:補高便座が設置できず、和式がトイレでは身体負担が強く困難である。

③:洋式に変えることで、動作を容易に行うことができる。

洋式への交換は費用負担も大きく、補高便座が利用できるようであれば、それも一案です。理由書にも補高便座も考えたが使えない等の記載があると良いと思います。

補高便座が、設置できない。設置できるが壁との距離が近くなり移動が困難、補高便座では高さが合わず通常の洋式トイレが望ましいなどの理由付けになりますね。

入浴

手すり、扉交換が主となるかと思います。まれにスノコ取り付けによる底上げなんてものもありますね。

浴室手すり1
②:浴槽への跨ぎの際に掴まる場所が無く転倒リスクが高い。

③:手すりに掴まり動作を行うことで安全に跨ぐことが出来る。

跨ぎ動作、立ち座り動作、移動動作など、何の動作のためかは、しっかりと記載した方が良いと思います。

浴室手すり2
②:浴室への出入りや室内移動の際に壁や蛇口に掴まっており、転倒リスクが高い。

③:各箇所に手すりをつけることで、安全な移動が行える。

手すりの設置個所は、『各箇所』とまとめることを良しとする場合と、入り口柱、浴室壁、と分けて記載を求められる場合にわかれます。

浴室戸1
②:内開き戸であり、介助者と共に入る際のスペースが狭く転倒リスクが高い。

③:折れ戸にすることで、広いスペースで介助を行うことができる。

浴室戸2
②:内開き戸であり、開閉の際に本人の姿勢が不安定となり、転倒リスクが高い。

③:折れ戸にすることで、少ない動作で広いスペースを確保することができ安全な移動ができる。

外出

手すり、段差解消などが主となります。

上がり框手すり
②:既存の下駄箱を支えとして昇降をしており、転倒の危険が高い。

③:L字手すりをつけることで掴まることができ、玄関内の移動や上がり框昇降が安全に行えるようになる。

上がり框踏み台
②:上がり框が30センチあり、周囲に手すりを設けても身体負担が大きく上ることができない。

③:踏み台を設け手すりと合わせることで、安全に容易に上ることができる。

段差解消の場合には、段差のサイズは書いてしまった方が良いと思います。(おそらく、業者も図面・写真に記載しますが。)

床材変更
②:屋外道路までが砂利が敷かれており、車いすでの外出が困難。

③:コンクリートの舗装により、介護者の負担が軽減され外出機会が増える。

その他

階段の手すりや、特定の活動のための手すり工事などでしょうか。

階段手摺
②:階段に手すりがなく、転倒リスクと心身負担が強い。

③:手すりがあることで、安全に安心して階段昇降が行える。

2階に寝室がある場合など、明確な利用目的として必要必須の行き先などがないと申請が通りにくい場合があります。

その他の手すり
②:ベランダの出入りの際に掴まる箇所がなく、転倒リスクが高い。

③:手すりがあることで、安全に安心して出入りが可能となる。

こちらは、洗濯物干しなどを本人の役割として行っている場合ですね。役割を減らさず、継続していくためといった使用目的です。

住宅改修理由書の書き方まとめ

判定の厳しさは、自治体判断によるところが大きく左右される理由書です。

厳しい自治体も多くありますが、対象となる工事内容で、説明できる必要理由があれば、不可とはならないはずです。

確認の電話が来ることもあるかもしれませんが、書式2枚目の記入スペースは少ないです。事細かく書くわけにも来ませんから、基本だけ押さえて作成し、連絡がきたら補足すればいいのです。

電話連絡を受けていれば、その自治体のクセにも慣れてくると思います。徐々に、指摘されやすい部分を先回りして記載できるようにレベルアップしていけば大丈夫です。

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