こちらも民生委員や自治会等、地域関係者からの依頼が多いテーマの一つです。
見守り活動について講座を開く際、講座と言うよりは、地域包括からの見守りののお願いというスタンスで開くことが、その後の活動に役立ててくれると思います。
- 町会、自治会
- 民生委員
- 地域のボランティア団体
特にこういった団体に対して、日常の生活の中に見守り活動を落とし込み、地域包括とどのように連携をとっていくことが良いのか、ということを伝えていくことが大切。
地域住民と地域包括間において、直接支援が必要な方に対しての連携力が深まります。
このテーマは上手に行うと、地域の方が地域包括の大きな戦力となり、地域包括支援センター業務を円滑に行う手助けをしてくれると思います。
自らの協力者を増やしていくため、見守り活動において、どんな部分を伝えていけば良いのかまとめてみました。
目次(もくじ)
見守り活動に関する講座の構成
地域づくりの基本にもなりますから、時間をかけて丁寧にやっていくのが良い内容。30分~1時間で行うようなテーマです。
地区単位で行う規模の地域ケア会議のテーマとしても扱える内容ですね。
- 見守り活動の必要性
- 見守り活動での気づきのポイント
- 気づいた時の連絡先・相談先
- 見守り活動展開方法
こんな流れで行っていくのが良いのではないでしょうか。
①見守り活動の必要性 (10~15分)
見守りの必要性の話をする際には、地域包括ケアシステムについて触れながら話をしていくことが良いでしょう。
地域の高齢者人口や、認知症患者の人口・割合など、数字で伝えていくと、関心は高まりやすいと思います。市の状況・圏域別の状況など、できるだけ参加者の地域に近い規模の数字が提示できると良いと思います。
- 統計的なもの
- 現状のままだとどうなるのか
- 見守りが活発になるとどんなメリットがあるか
この辺りを触れていくことができると分かりやすくなります。
『地域づくり』の主役は地域住民です。
見守り機能を強化することで、認知症や介護が必要な状態でも住み続けられる、地域づくりの土台強化につながります。
②見守り活動での気づきポイント(10分)
ただ、見守りが必要といっても『何をしたらいいの?』といった疑問の解決を図ります。
地域の力による見守り活動の必要性が伝わった後、実際に見守り活動を行うにあたっての手段や注意してみて欲しいポイントについて触れていきます。
見守りの方法・手段としては、『時間を決める・範囲を決める』と言った細かな制限を設ける必要はありません。
普段の散歩や外出などの際に、ちょっとした変化に気づける『目』を養ってもらいましょう。
- ご本人の様子
- ご家族の様子
- 周囲からわかる、建物の様子
- その家に出入りする人の様子
また対象者に合わせ、宅配系のサービス業者や医療機関の受診時等を想定して伝えます。
気づきポイントについては、口頭で話しても、注意点が多く、講座の後には抜けてしまいやすいところです。
そこで、PDF版のチェックリストをご用意しました。
このまま使用していただいても構いません。このようなチェックリストを見てもらいながら説明し、実際の見守り活動にも役立ててもらうとわかりやすいでしょう。
③気づいた時の連絡先・相談先(5分)
気づいた際の相談先、これはもちろん『地域包括支援センター』ですよね。
ただ『何かあったら、地域包括に連絡してください。』と、連絡先だけ伝えるだけでなく『こんなケースには、こんな風に対応していきます』なんていう事例場面も紹介できると良いと思います。
どうなるか分からないまま相談するより、きっとこんな風にしてくれる。とイメージが湧いた方が相談しやすくなります。
④講義の展開方法(状況に応じて)
上記の③で、講座終了というのも一つの案です。
短時間の講座であれば、日頃の民生委員活動や、散歩中に『こんなことに気を付けて、気づいたら連絡ください』という程度で済みます。
一方的に地域包括から話すだけでなく、良い方法を参加者自身にも考えてもらう機会を用意するのも良いと思います。
地域に対して『どんなことが自分たちにできるか』というのを考えてもらったり、すでに見守り活動を実施している団体などには『見守り活動をしていた困ったこと』などをですね。
こんなテーマでグループワークなどを行っていくのも良いでしょう。
小学生の防犯パトロールのように、見守り活動を組織化したりする必要はないとは思いますので、日頃の活動の際に、注意して欲しいポイント(上記の気づきのポイント)を意識してもらうことが落としどころとなります。
地域からの協力を得るために
地域の『見守り』お願いします!と、一方的な依頼では、相手方も面倒な仕事が増えるだけだと、協力には消極的です。
地域課題を訴え、その活動が解決に役立ち、地域づくりの実現に必要であることを伝え、地域と地域包括が、お互いにメリットが出ることを伝えましょう。