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リハビリ特化型デイサービス:機能訓練を主にした半日型の特徴・サービス調整の注意点

コンビニを閉めた後の空き店舗や、小規模のテナントで営業されているデイサービスが増えてきました。

そんなデイサービスの多くは、リハビリ特化型・機能訓練特化型といった運動メインのもの。それも利用時間は、午前または午後のどちらかといった半日利用のタイプが主流です。

従来の『介護を受けるため・日中の介護負担の軽減のため』といった目的とは趣旨がかわり、デイサービスであるものの『運動機会を多く確保し、身体機能の向上』を中心においたものですね。

そんな【リハビリ特化型デイサービス】の特徴とサービス調整の注意点をお話しします。

この記事の対象者
  • 新人ケアマネージャーさん
  • 過去にリハビリ特化型デイの調整で失敗した人

似たようなサービスとして、短時間のデイケアなども医療系サービスにはなりますが類似点の多いサービスになりますね。

リハビリ特化型デイの特徴

リハビリ特化と言っても、通所介護事業所ですので、基本はデイサービスです。ですが、入浴等はなく、小規模なスペースで行えるため、コンビニなどの空いたテナントを利用したものが増えています。

小規模のテナントを利用していることが多いため、定員数も少なく、地域密着としての指定を受けている場合が多いですね。

特徴としては、

  • 半日利用が主体であること
  • 運動・機能訓練が中心であること

余暇活動やレクレーションを取り入れる施設もありますが、あったとしてもわずかな時間。「機能訓練を行うための施設」といった意味合いが強いです。

そのため、対象者の多くは、自立度の高い「要支援1・2、要介護1程度」といった軽度の方が大半。

サービス内容

もちろん通所介護事業所なので、『通い』が主となる事業所です。付活動内容が、運動・機能訓練に特化しているということ。

基本は午前または午後の半日利用になります。

  • 9:00・13:00
    送迎・利用開始

    午前であれば9時頃、午後は13時ごろでしょうか。送迎車に乗り、施設に向かいます。

    多くは、入浴・食事・おやつ等はありませんので、必須となる持ち物も、必要であれば上履き程度と荷物もシンプル。機能訓練が主体ですので動きやすい服装ですね。

  • 到着後
    バイタル測定

    一般の通所介護と同様です。血圧・体温の測定や、体調確認等を行います。

  • 活動中
    機能訓練
    器機を使用したり体操が主体であったり、運動方法はさまざまですが、機能訓練が中心となります。

    通所介護施設であるので、リハビリ専門職(PT/OT/ST)がいるとは限りません。機器操作を行う介護職や機能訓練士(柔整など)のみの配置の場所も多いです。

  • 12:00・16:00
    帰宅
    滞在時間は2~3時間程度です。

    お茶等の飲み物の提供はあるものの、昼食や軽食(おやつ)まで提供するところは少ないです。

『デイサービス』ではあるものの、運動・機能訓練に重点をおいた短時間利用の施設といったところ。

料金形態

  1. 通常の通所介護費(介護保険)
  2. 保険対象外の費用(実費分)

1.2の合計が最終的にかかる費用となります。

通常のデイサービスでは、昼食代やおやつ代などが別途かかるかと思いますが、半日型では提供されないことが多いです。

通所介護の利用料のみで済んでいるところも多いですが、飲み物代などと1回あたり100円程度を自費請求する施設もあります。

100円程度と言っても、生活保護の方からしたら、ゼロか数百円かの違いになってくるので、気を付ける必要がありますね。

もちろん、半日型のリハビリ特化でもおやつ・軽食などの提供を行っている場合もあります。その際には、保険外となるため実費として加算されます。

リハビリ特化デイ検討のポイント

おすすめできる対象者

  • 機能訓練を主に行いたい
  • 男性が多いところに通いたい
  • レクレーション参加が苦手
  • 短い時間で帰りたい。

特徴として大きいのは、『短時間』と『機能訓練』です。

1日のデイサービスが合わない方や、デイサービスに慣れるために半日の通所からなどのような短時間に魅力を持つ方や、デイサービスに行きたくはないが、機能訓練は積極的に行いたいといったニーズにもマッチしてきます。

レクレーション色が薄く、運動のための施設といった意味合いが強いため、男性の利用も多く、アクティブ・前向きな方が多いです。

おすすめしにくい対象者

  • 運動よりも、のんびり過ごしたい
  • 大人数でわいわい過ごしたい方
  • 認知症や医療依存度、ADL等、重度の方

目的としては、運動・機能訓練が中心です。おしゃべりして過ごしたい。レクレーション等でワイワイ過ごしたい。などと言った目的とは合いません。

外出レク(買い物や散歩)なども、行わない施設が多いですね。

機能訓練の内容は、体操中心か機械中心なのかは施設ごとにわかれますが、どちらにせよ総合事業対象者や要支援者等、軽度者の介護予防への取り組みに近い印象です。

もちろん、ADLの低い方も機能訓練が必要ですが、身体状態に合わせた機能訓練場面を選ぶと言うことであれば、対象となりにくいところです。

実費分の料金をしっかり伝える

上でも書きましたが、昼食の無い、半日のデイサービスだから、生活保護の方は自己負担ゼロです!と一概に言うのは危険。

まぁ、私が失敗したのですがね。

お茶代や雑費などと100円程度取るところはあります。

請求額は、数百円なのですが、ゼロと思っていたのに少額でも取られるというのは、理解してもらうことに苦労することにもなります。

事前に集めて整理しておく情報

機能訓練の内容

運動ができます。機能訓練ができます。といった謳い文句であっても、その内容はさまざま。

  • 機械を使ったマシーントレーニング
  • 集団での体操
  • 柔整などによるマッサージ

どのような機器が揃っていて、どんな流れでそれを利用していくのかなど、大まかな部分の情報は仕入れておくと良いです。

『運動機会をもちたい』といったニーズでも、一人で黙々とか、みんなでワイワイとか、運動は二の次でマッサージを受けたいなどさまざまです。

パンフレットが充実しているのであれば良いのですが、皆が皆という訳ではないですから、各々での情報収集も必要。

一度見学に行くだけでも、ある程度の設備はわかると思います。

リハビリの実施状況

世間では、『機能訓練が行える施設=リハビリができる施設』といった認識をされる場合も多いのですが、安易にリハビリという言葉を使うのは控えた方が良いでしょう。

さらに、リハビリ専門職(PT/OT/ST)が在籍していない施設において『リハビリできます』と言うのは、ちょっと危険。

リハビリ特化型を謳っているデイでも、行われているのが機能訓練で、リハビリが実施されていない場合もあります。

リハビリは、失ったものの回復をねらい、機能訓練は、今ある物の維持・向上が目的。厳密な定義からは少しズレますが認識としてはこんなニュアンスで良いと思っています。

相手の必要とする、運動内容から、リハビリなのか機能訓練なのかを見極めたうえで、施設選定になります。

私は、リハ職の在籍有無で使い分けてます。

リハ職の在籍がなければ『機能訓練に特化した施設』に留めるのが良いでしょう。

重度者の受け入れ状況

運営者側も、軽度者を対象にした施設運営を考えていることだと思います。

その逆に、車いす利用者の対応や、認知症の進行が強い方など、どの程度方まで受け入れを行っているのかを知っておくのも良いと思います。

これは事前に聞くと言うより、ケースバイケースともなるので、その都度相談しながら、徐々に集めていけたら良いと思います。

良い施設だからと、その施設に合わない身体状態の方を送っても、合いませんし、本人自身も不釣り合いであることを感じてしまうかもしれません。

機能訓練以外の活動

メインが機能訓練となる、リハビリ特化型デイサービスでも、それ以外の活動も行っている場合もあります。

運動以外にもこんなことが『できます・やっています』といった情報は仕入れておくと良いです。

  • カラオケ設備アリ。運動が一通り終わったら、カラオケルームでリフレッシュしてから帰宅
  • 年2回、大型バスでウォーキング旅行を実施しています。

などなど、これらは実際にあったものです。そういった情報を揃えておくのも良いと思います。

活動以外のことでも

  • 入浴はできないけど、足湯がある
  • 休憩時間には飲み放題のドリンクバーが完備されている

などなど、その施設の特徴としてなるものは知っておくと良いと思います。

リハビリ特化型デイの調整まとめ

リハビリ特化としていても、あくまで通所介護:デイサービスです。

専門的なリハビリがどれだけ提供されるのかは、在籍職種や設備などの情報を事前に良く調べて、本来必要とされるサービスとズレてしまわないように注意する必要があります。

通常のデイサービスはまだまだ早いけど、介護予防としての運動機会確保や閉じこもり予防を目的にした軽度者には、比較的導入しやすい介護サービスだと思います。