職場を変えたいと悩んでいるなら・・・ 

簡単作成:認定調査票特記事項【第3群】の記入例・文例と記載のポイント

事業所としては、ケアプラン意外の収入源にもなる認定調査。上からどんどん受けるように言われている所も多いのかもしれません。

適当に仕上げて、正しい本人像が審査会に伝わらないのも問題ですが、直接のケアマネジメント業務ではない以上、調査票作成に長時間かけすぎて、本来の業務に支障が出てしまうのは筋違い。

わかりやすい言い回しや、評価のポイントをしっかり抑えて、適切な調査票をサクッと仕上げてしまいましょう。

第3群:認知機能に関連する項目【記入例・文例】

3-1:意思の伝達

調査対象者が意思を他者に伝達できる

・問題なく行うことができる。

・日頃物忘れがあるが、問いかけには答えることができ、意思の伝達は行える。

・発言内容に誤りがみられるが、自身の意志を他者に伝えることができる。

・認知症のため、内容に合理性はないが、自分の意志を他者に伝えることができる。

・失語症のため、会話は困難であるが、筆談により意思の伝達は可能。

・失語症のため、会話は困難であるが、ジェスチャーにより意思の伝達は可能。

ときどき伝達できる

・内容や状況により、伝えられるとき、伝えられない時がある。

・質問をしても的確な答えが返ってこないこともあり、②を選択。

・複雑な内容になると、上手く意思の伝達ができない場合がある。

・失語症のため、ジェスチャーや簡単な筆談に限られる。

ほとんど伝達できない

・「お腹が空いた」「痛い」など限定された内容のみ意思の伝達ができる。

・失語症のため、会話や文字を書くこともできない。ごく限られた内容であればジェスチャーでの意志の伝達が可能。

・限定された内容であれば、首を振るなどのジェスチャーで意思を伝達する。

・限定された相手や、特定の事柄に関してのみ、意思を伝えることができる。

できない

・重度の認知症により、自発的に意思を伝達することはない。

・意識障害により、自発的に意思を伝達することはない。

・声を出すことはあるが、言葉としての発話は行えず、意志の伝達はできない。

桜餅

中身はともかく、自分の意志が伝えられるかが焦点

3-2:毎日の日課を理解

ポイント
デイサービス等の週間予定ではなく、1日のおおまかな流れがわかっていれば『できる』です。

できる

・食事の時間、入浴、就寝等1日の生活リズムを把握している。

・調査時は、曖昧な返答であったが、家族(介助者)より、おおまかな日課は理解していると返答。

できない

・周囲からの促しにより、日常生活を送る。

・声を掛けなければ、起床も食事も行わない。

・食事が出るから食べる、促されたら寝る等、自身では生活リズムを理解していない。

・質問と関係のない返答ばかりが続き、正しい答えを得ることができなかった。

3-3:生年月日や年齢を言う

ポイント
生年月日、年齢(前後2歳)は、どちから片方が正解すれば『できる』です。

できる

・年齢、生年月日ともに正しく答えることができる。

・生年月日は正しく答えるが、年齢は30代と返答。

・年齢は正しく答えるが、生まれ年は答えることができない。

できない

・年齢、生年月日ともに正しく答えることができなかった。

・〇〇歳と返答。実際と10歳ずれている。生年月日も答えることができない。

・しばらく考えていたが、正しい答えは出てこなかった。

・『何だったかしら』と繰り返すばかりで、正しい答えは出てこなかった。

・質問と関係のない返答ばかりが続き、正しい答えを得ることができなかった。

3-4:短期記憶

できる

・調査直前に行っていたことを正しく答えることができた。

・当日の朝食(昼食)のメニューを答えることができた。

・3品の確認を行い、正しく答えることができた。

できない

・当日の朝食(昼食)のメニューを答えることができたが、日頃直前の事も覚えてないと家族(施設職員)より聞き取り。

・(食事をしていない中で、食事が終わったばかりなど)直前に行っていたことと、全く異なる返答を答える。

・デイサービス帰宅直後にも、デイサービスに行っていたことを覚えていない。

・3品の確認を行い、5分後そのうち欠けた1点を答えることができなかった。

・3品の確認を正答できない。日頃も少し前の事は覚えていないと家族(施設職員)より聞き取る。

・3品の確認を正答できるが、日頃は少し前の事も覚えていないと家族(施設職員)より聞き取る。




3-5:自分の名前を言う

できる

・正しく答えることができた。

・姓のみであったが、正しく答えることができた。

・名前のみであったが、正しく答えることができた。

・旧姓であったが、正しく答えることができた。

・失語症により、発話できず、筆談にて回答を得ることができた。

・失語症により、発話・文字書き等行えないが、呼名に頷き、自身の名前は理解していることが確認できた。

できない

・全く異なる氏名を答えた。

・しばらく考えていたが、正しい答えは出てこなかった。

・『何だったかしら』と繰り返すばかりで、正しい答えは出てこなかった。

・質問と関係のない返答ばかりが続き、正しい答えを得ることができなかった。

3-6:今の季節を理解する

できる

・今の季節『春・夏・秋・冬』と答えることができる。

・季節、月日共に答えることができる。

・2月実施、立春後であり、冬か春かで迷われていたが、時期的に適切に答えることができると判断。

・(6月実施等)春か初夏で迷われていたが、時期的に適切に答えることができると判断。

できない

・『春・夏・秋・冬』と返答。(実際と異なる季節)

・当日の月日の返答はあったが、季節を答えることはできなかった。

・しばらく考えていたが、正しい答えは出てこなかった。

・『何だったかしら』と繰り返すばかりで、正しい答えは出てこなかった。

・質問と関係のない返答ばかりが続き、正しい答えを得ることができなかった。

3-7:場所の理解

できる

・(自宅)自分の家と正しく答えることができる。

・(施設入所中)介護施設[老人ホーム]と答えることができる。

・(施設入所中)家族に探してもらった施設と返答。

・(施設入所中)施設に入所した経緯を語り、施設であることを認識している。

・(入院中)病院と答えることができる。

・(入院中)入院に至った経緯を語り、病気(ケガ)で入院していることを認識している。

できない

・自宅での調査であったが、娘の家に泊まっていると返答。

・〇〇(異なる場所)と返答する。

・施設の調査であったが、自宅と返答。

・入院中であるが、自宅と返答。

・どこだか分からないと返答。

・しばらく考えていたが、正しい答えは出てこなかった。

・『何だったかしら』と繰り返すばかりで、正しい答えは出てこなかった。

・質問と関係のない返答ばかりが続き、正しい答えを得ることができなかった。

3-8:徘徊

  • ときどきある:月1回~3程度
  • ある:週1回以上

ない

・該当なし(問題なし)。

・以前は、意味もなく部屋の中を歩き回っていることがあったが、直近1ヶ月ではみられない。

・入院中は、病室・廊下を意味もなく歩き回ることがあったが、退院してからはみられない。

・1人で外に出ることは無い。

・寝たきりのため徘徊は行えない。

・寝たきりであり、自身で身体を動かすことができないため、該当なし。

ときどきある・ある

・意味もなく部屋の中を歩き回っていることが直近週(月)〇回ある。

・意味もなく廊下を歩き回っていることが直近週(月)〇回ある。

・意味もなくフロアを歩き回っていることが直近週(月)〇回ある。

・意味もなく病室を歩き回っていることが直近週(月)〇回ある。

3-9:外出すると戻れない

  • ときどきある:月1回~3程度
  • ある:週1回以上

ない

・該当なし。

・散歩の際には、念のため携帯電話を持たせているが、実際に戻れなかったことはない。

・日頃から、1人で外に出ることは無い。

・過去に戻れないことがあり、1人での外出を行っていない。直近1ヶ月間なし。

・車いすであり、1人で外出することはない。

・寝たきりのため、1人で外出することはない。

ときどきある・ある

・散歩(買い物)に行き、戻ってこられず、家族が探しに行くことが直近週(月)〇回ある。

・散歩(買い物)に行き、戻ってこられず、近所の方に連れてきてもらうことが直近週(月)〇回ある。

・散歩(買い物)に行き、戻ってこられず、警察に保護されたことが直近週(月)〇回ある。

・(施設)自分の部屋がわからなくなり、職員に居室まで案内してもらうことが直近週(月)〇回ある。

・(入院中)自分の病室がわからなくなり、看護師に病室まで案内してもらうことが直近週(月)〇回ある。




調査票全般における記載のポイント

『①できる』等も特記を書く

必須と言うよりは、なるべくと言う程度。

特に、1群・2群においては『できる』等の場合であっても、どのように行っているのかを記載することが望ましいと思います。

  • スムーズにできる
  • ゆっくり時間をかけてできる

この辺りでも審査会の印象は変わってきますからね。

3群・4群などは、全く該当する物がが無ければ、特記枠に一言「問題なし」「該当なし」の記載をするだけで済ませてしまっても良いと思います。

似たような項目で、まとめられるものは1つに

第1群・第2群の項目によっては、似たような動作を示す項目が並んでいますよね。

例)『1-3:寝返り・1-4:起き上がり』『2-3:えん下、2-4:食事摂取』

聞かれている質問は、まったく違うものでも、動作・状況として同様のものは、ひとまとめで書いてしまいましょう。

(誤)(1-3)ベッド柵に掴まり、自身で行う。(1-4)ベッド柵に掴まり、自身で行う
(正)(1-3)(1-4)ベッド柵に掴まり、自身で行う。

別々に書いても、もちろん良いのでしょうが、作成する方も楽ですし、調査票の記載量も減らすことができます。

固有名詞・商品名を控える

特記事項内に記載しがちな物としては

ポリデント 入れ歯洗浄剤
セブンイレブン コンビニ
生協 宅配
〇〇病院 かかりつけ医、近医、病院

地区名

家族の居住地や通院先の病院などを記載する際にやってしまいがち。

(誤)さいたま市に住む長女が、週末に訪れて支援している。
(正)近隣市に住む長女が、週末に訪れて支援している。

特記事項だけでなく、概況調査の部分にも注意です。

(誤)秋田県から転居して間もなく、近所に友人もいないため閉じこもりになっている。
(正)他県から転居して間もなく、近所に友人もいないため閉じこもりになっている。

市内・近隣市・他県などの表記を心掛けましょう。

最後に

会ったこともない、審査会出席者に対し、ご本人の状況を伝えるためには、状況を適切に表現する文章力が必要。

この記入例を参考にする場合であっても、当日の状況を加筆しながら特記事項は作成貰えたらと思います。言葉が足りずに、正しい等級に繋がらないという事が無いように。

認定調査:特記事項の記入例