『終活』と言う言葉が広まっています。聞いたことはありますね?死と向き合い、死に向けての準備を行うことです。
ただし、これは、死期が目に見えた時に始めるものではありません。
『終活』の形はさまざまです。元気なうちであっても、その時を見据えて、徐々に準備をしながら、『死』に対する考えを固めていくことも大切です。
終活にも段階があります。
すぐに手が付けられるところは、身の回りを見直し、整理をしていく身辺整理ではないでしょうか?
ここでは、身辺整理はどの様なことをすれば良いのか?何から手を付けたらよいかをまとめました。
身辺整理とは?
元気なうちに「もしも」の時に備えて自身の身の回りを整理すること。
やるべきこと。これは大きく分けて3点
- 不用品の処分
- 資産情報の整理
- 心の整理
これらは、自身が、最期をどのように迎えるか、自身の財産をどのようにわけるか、といった自らのためだけでなく、残った家族のためにも大事なことです。
どんなことから手を付けたらよいか、解説していきます。
不用品の処分
生前整理は、断捨離の心で
『断捨離』といった言葉が流行っていますが、不要なものを処分していくことだけではありません。
- 断・・・外から入ってくる、いらないものを断つこと。
- 捨・・・家の中にある、いらないものを捨てること。
- 離・・・物への執着から離れること。
終活に向けて、ただ不要なものを捨てることだけが大事なのではありません。
捨てること、つまり『捨』にばかり目が向きますが、それぞれを並行して行うべきですからね。
それでも、まず行えるところは、自宅内の不要なもの。
使わないものを処分していきましょう。
まずは、無くても支障のないものは、処分の対象です。
次の目安は、1年間使っていないものも、いりません。
1年間使わないものは、次の1年も使わなくても生活は出来るはずですですから。
まずは、自分の生活を見直し、不要なものを捨てること。残される荷物は少なくしていきます。
仕分けができたら、処分方法を検討します。
処分方法
不用品を捨てる際の方法は、大きく2つ。
- 自治体のゴミ分別ルールに合わせて、一般ごみ・粗大ごみとして
- 生前整理業者にまとめて処分
金銭面からは、一般ごみとしての処分が安く済ませられます。
お金が掛かるものとしても、粗大ごみ程度です。
ただし、その粗大ごみが一番の難題です。自治体のルールにもよりますが、
- 1階や屋外までの搬出は自身で行う必要がある
- 事前に粗大ごみ券(シール)を市役所等の購入が必要
- 予約制ですぐに来てくれない
ご高齢の方には、手続きも準備も色々大変です。
今は、生前整理も行う、遺品整理業者
も多くあります。大体の仕分けができているのなら、業者に任せてしまうのもおすすめ。
事前見積りをとって、自身で行うか、依頼をするか選んでみるのも良いでしょう。
こちらのサイトから、自宅近所の生前整理・遺品整理業者を探してみることができます。
★生前整理・遺品整理業者検索ページ★
資産情報の整理
通帳に記載され、目に見えるお金だけでなく、株や不動産など、家族の目に見えていない資産があれば、目に見える様にまとめておきましょう。
また、プラスの資産だけでなく、マイナスの資産。要するに借金。
家族には、隠しているケースもあるかもしれませんが、借金も相続の対象です。
あとあと、トラブルに無いように、整理しましょう。
心の整理
元気なうちから、『死』について考えたくない。という方も多いかと思いますが、『死』についての話題はタブー視されてきたのは、過去の話です。
終活を行っていく中で、自身の生活を振り返り、物を捨てていくだけでなく、最期はこんな風に迎えたい。自身の葬儀は、誰を呼び、どのように行いたいかなど、死に向けて考える機会が増えていきます。
医療技術が発達し、延命治療の手段も増えてきた今、自身がそう言った場面になった際にどうして欲しいかを考えることも、大切です。
最近は、『人生会議』と言った呼び方がされています。
人生の最終段階を考える人生会議・ACPとは?終末期の人だけでなく、全ての人にこれらは特に、家族に伝えておかないと、『いざ』という時に活用されません。
病気等により最後の時が見えてきた際に考える方も多くいるでしょう。
それでも、考える機会のないまま、考えを伝えることのできない状態になる場合も多くあります。
終活では、物の処分だけでなく、こういった思いを考え、表に出すことも大切なことです。
身辺整理のツール
エンディングノート
終活を行う上で、エンディングノートの作成と平行に行うとスムーズです。
市販されているエンディングノートであれば、考えるべき内容が記載されています。記載されている項目を順番に書いていくだけで、必要な整理が自然と行えていくわけですね。
最近は、誕生日や敬老の日のプレゼントにも活用される機会が増えています。
終活を始めるきっかけにもなりますから、是非検討してみてください。
エンディングノートについての詳細は、こちらの記事にまとめてあります。
終活のスタート:エンディングノートを作成すれば本人も家族も安心できる
遺言
終活の最終段階にもなるかもしれません。
自身の残す財産を、どのように分けてもらいたいかは、自身で決めておくことも必要です。
後々、親族間の火種にもなりかねませんからね。
遺言を作成するうえで、一応のルールがあります。このルールを守らないと、正式に遺言として認められないケースもありますので、作成するうえでは注意です。
エンディングノートに書いた内容も、遺言にはなりません。
こちらも、指定書式に頭を抱えるよりも、遺言作成キットに頼ることも有効。
作成キットを使わない、遺言の作成方法は、こちらの記事にまとめてあります。
終活に向け地域包括からの遺言作成指南。種類と書き方。親族トラブルを防ぐさいごに
これまで、終活をすべき内容を書いてきましたが、いざやり始めて、すぐに終わらせるものではありません。
やり始める時期は、今すぐでも問題はないでしょう。
ただし、完成する期間は、じっくりゆっくり。
特に、心の整理は、元気なころと、病になった時では、変わっていくものでしょう。
終活のスタートとしては、自身を振り返り、整理を始めていくこと。
長い期間を経て、完成するため、元気なうちからの終活が大事ですよ。