特養などの【施設入居待ち】としてショートステイを利用する方へのケアプランです。ロングショートが前提となるので、ケアプラン作成はシンプルになります。
書類作成に時間を掛けるより、サービス調整に全力を注ぎましょう!
目次(もくじ)
1表:本人・家族の意向
本人の意向
・自宅での生活は限界。施設に入って生活がしたい。
・家族に頼るのも申し訳ない。
・夫(妻)にこれ以上、迷惑はかけられない。
・子供は働いているから、負担を掛けさせたくない。
・子供がいるが離れて住んでいて、無理は言えない。(負担させたくない)
・早く、ずっといられる施設に入りたい。
・人が周りにいる環境だと、安心して生活できる。
・もう良くならないと思っている。
・辛いリハビリは、やりたくない。
・歩けないから、外には出たくない。
・やりたいことは何もない。
家族の意向
・病気がわかって落ち込んでしまった。明るい気持ちを取り戻して欲しい。
・施設で生活する方が、本人も安心できると思う。
・自分たちだけで、介護するには限界がある。
・もう、自宅で介護するのは無理。
・自分たちにも生活がある。
・早くずっと入っていられる施設が決まって欲しい。
・自宅でも頑張ろうと思うが、身体がもたない。
意向を踏まえた課題分析結果
・同居する妻(夫)の介護負担が大きく、共倒れを防ぐためには施設入居に向けた準備が必要と考える。
・お一人暮らしであるが、在宅生活が継続できる状況ではなく、介護力も望めない。施設入居に向けた準備が必要と考える。
・施設入居を希望されているが、すぐの入居が困難な状況。準備が整うまでショートステイでの生活維持が必要と考える。
1表:総合的援助の方針
・ご本人、ご家族の意向を踏まえ、安全な生活環境の中で、適切な病状管理が実施されるよう、施設入居に向けたサービス調整を行っていきます。
・ご本人、ご家族の意向を踏まえ、現在の身体及び生活状況では在宅での生活が難しくあるため、施設(特養)入所に向けて、新しい環境での生活が安心して行えるようサービス調整を行っていきます。
・ご本人、ご家族の意向を踏まえ、ご家族の介護負担が軽減され、ご本人が安心して暮らせる環境に向けて、サービス調整を行っていきます。
2表:ニーズ
・安全な住環境の中で生活したい。
・痛みに悩まされず、生活がしたい。
・今の状態を維持していきたい。
・病気をこれ以上悪くさせないようにしたい。
・周囲に人がいる中で暮らしたい。
・寂しい思いをせずに、生活がしたい。
・規則正しい生活が送れるようにしたい。
2表:長期目標・短期目標
身体面
長期目標 | 短期目標 |
転倒なく、室内移動ができる。 | 杖を使用し、安全に移動ができる。 |
歩行器を使用し、安全に移動ができる。 | |
車いすを自走で移動することができる。 | 介助により、車いす移動をすることができる。 |
身体に負担なく起居動作が行える。 | 介助を受けて起居動作を行う。 |
福祉用具を利用して、起居動作が行える。 | |
身体に負担なく寝返り、起き上がりが行える。 | 介助を受けて寝返り、起き上がりが行える。 |
福祉用具を利用して、寝返り、起き上がりが行える。 |
生活面
長期目標 | 短期目標 |
不自由なく、日常生活が送れる | 生活環境が適切に整う |
身体負担なく、日常生活が送れる | 身の回りの生活動作に支援を受けることができる |
安全に排泄ができる。 | 介助によりトイレでの排泄ができる。 |
声掛け(誘導)により、トイレでの排泄ができる。 | |
定期的な排便が行える。 | 排便コントロールの管理を受ける |
規則正しい食生活をおくる | |
規則正しい生活をおくる | |
快適な環境で生活する。 | 定期的なオムツ交換ができる。 |
オムツ内を清潔に保つことができる。 | |
かぶれ等、皮膚トラブルを予防する。 | |
清潔な身体を保つことができる。 | 定期的に入浴機会がもてる。 |
心身をリラックスさせて生活できる | 定期的な入浴機会が持てる。 |
週〇回入浴できる。 | 週〇回入浴できる。 |
1日〇〇キロカロリーの食事が摂れる。 | 制限を守った食事が摂れる。 |
安全に食事ができる。 | 誤嚥しない。 |
状態に合わせて食形態を準備する。 | |
ゆっくりと食事を摂ることができる。 | |
正しい姿勢で食事を摂ることができる。 | |
状態に合わせた義歯をつける。 | |
適切に栄養を摂ることができる。 | 低栄養を改善する。 |
IVHによる栄養管理を正しく行う。 | |
胃ろうによる栄養管理を正しく行う。 |
医療・その他
長期目標 | 短期目標 |
痛みのコントロールをされた中で生活を送る。 | 服薬による疼痛コントロールを行う。 |
安心した環境下での生活ができる。 | 痛みのコントロールがされた中で生活を送る。 |
急変時・緊急時の体制が整う。 | |
痛みや不安のない生活を送る。 | |
本人の不安を軽減する。 | |
家族の不安を軽減する。 | |
褥瘡の悪化を予防する。 | 褥瘡の早期発見・処置を行う。 |
定期的に除圧を行う。 | |
定期的に体位交換を受ける。 | |
栄養バランスを考えた食事を摂ることができる。 | |
不足する栄養を、適切に補うことができる。 | |
褥瘡の痛みなく生活することができる。 | 褥瘡の早期発見・処置を行う |
定期的に除圧を行う。 | |
定期的に体位交換を受ける。 | |
栄養バランスを考えた食事を摂ることができる。 | |
不足する栄養を適切に補うことができる。 |
2表:サービス内容
ショートステイ
・移動、移乗の介助
・排泄、入浴、食事、生活動作全般の介助
・日常生活における妥当的な介助
・体調及び全身状態の観察
・服薬管理
・褥瘡管理
・体位変換
・声掛け
・見守り
・レクレーション
・他者交流
福祉用具
・歩行器の貸与(安全な室内移動を行うため)
・車いす及び付属品の貸与(身体負担を軽減し、室内移動を行うため)
・床ずれ防止用具の貸与(褥瘡の悪化を防ぐため)
その他
・診察、検査、処方
・訪問診療、検査、処方
・体調及び全身状態の観察
最後に
ケアプラン作成における時間を短縮するための記事ですが、ケアマネジメントに手を抜けと言うわけではありません。
書類作成に時間を取られるのではなく、アセスメントや課題抽出、関係機関との連絡調整に全力を注ぎ、ケアマネジメント業務に励んでもらえたらと思います。
もちろん、自治体から出ている指示に従って作成をしてください。
ケアマネージャーの業務は、ケアプラン作成だけではありません。プラン作り以上に、力を注ぐべきところと思うのはサービス調整です。
これらの記事では、各種介護サービス利用における注意点についてまとめてあります。