前向きなニーズの一つ『リハビリ・運動』に取り組みたいといったケアプラン。リハビリの実施が目的でなく、リハビリした後に『何がしたいか・どなりたいか』といった視点を持つことが大切です。
ケアプラン作成は、シンプルに!書類作成に時間を掛けるより、サービス調整に全力を注ぎましょう!
目次(もくじ)
1表:本人・家族の意向
本人の意向
・ようやく退院できた(できる)。早く元の生活に戻りたい。
・ようやく退院できた(できる)。散歩や庭いじりをまたやりたい。
・転ばないで、しっかりと歩けるようになりたい。
・また『場所:〇〇』に行ってみたい。
・また『場所:〇〇』に行けるように、歩けるようになりたい。
・また『趣味:〇〇』を行ってみたい。
・また『趣味:〇〇』ができるように、手を動かせるようになりたい。
・楽しく生活したい。
・散歩の途中で休むことが増えてきた。休まないで散歩ができるようになりたい。
・散歩は続けているが、しっかりとした場所でリハビリや運動を行いたい。
・もう少しリハビリや運動ができる機会を増やしていきたい。
・以前のような会話ができるようになりたい。
・相手が聞き取れるように、話せるようになりたい。
・思った言葉がすぐに出ない。以前のように話せるようになりたい。
・身体を悪くしないように、運動や健康に気を付けていきたい。
・家にいるばかりじゃなく、外で人と会ったり話がしたい。
・施設には入りたくない。そのために頑張っていきたい。
・今の仕事を、これからも続けていきたい。
・医師から運動を勧められるが、自分ではなかなか行えない。
・古い家で段差も多く、家の中の移動でも苦労している。
家族の意向
・(配偶者談)子供たちに迷惑かけないように、自分達のことは自分でしていきたい。
・自分のことは自分でできるようになってほしい。
・以前のような身体に戻ってほしい。
・以前行っていた『趣味活動等』がまた行えるようになってほしい。
・以前通っていた『場所』へまた通えるようになってほしい。
・子供たちに迷惑かけないようにというが、無理をしすぎないか心配。
・このまま歩けなくなってしまわないか心配。
・これ以上悪くなると、自分たちの介護ではやりきれない。
ケアプラン更新後の意向
・リハビリを続けて、外の散歩もできるようになってきた。
・以前よりも安心して歩けるようになった。これからも続けていきたい。
・自分の足では通えないが、迎えに来てもらえるので助かっている。
・今のペースで自分の足で歩けるようにしていきたい。
・『趣味活動』ができるようになってきた、これからも続けられるように頑張りたい。
・『場所』に行けるようになった。これからも続けられるように頑張りたい。
・『場所』に行けるようになった。『もっと遠くの場所』まで行けるようになりたい。
・(家族)以前よりしっかりと歩いている感じがして、安心してます。
意向を踏まえた課題分析結果
・自宅での生活を望まれており、身体機能の改善と共に自宅内の住環境についても整えていく必要がある。
・活動参加の意欲が高い。実現できる目標を適宜提案し、意欲を失わないように取り組めるように調整する。
・なるべく自分のことは自分でとの意向が強く、過剰支援にならないようサービス調整を行う必要がある。
・リハビリ意欲は強いが、オーバーワークとならないよう、身体・生活状況に合わせた運動内容の選定を専門職との連携が必要である。
・入院による長期臥床により下肢筋力が低下しそれを自覚されている。機能向上と共に、現在の状態に合わせた住環境への見直しを並行して調整していく必要がある
1表:総合的援助の方針
・ご本人、ご家族の意向を踏まえ、定期的な外出・リハビリ(運動)の実施を継続的に行うことにより筋力・体力の低下を予防し、在宅での生活が継続できるよう自立支援に向けたサービス調整を行っていきます。
・ご本人、ご家族の意向を踏まえ、定期的な外出・リハビリ(運動)の実施を継続的に行うことにより筋力・体力の低下を予防し、在宅での生活が安心して行えるようサービス調整を行っていきます。
・ご本人、ご家族の意向を踏まえ、定期的な他者交流の機会を持ち、楽しみのある生活を送ることにより、在宅での生活が継続できるよう自立支援に向けたサービス調整を行っていきます。
・ご本人、ご家族の意向を踏まえ、定期的な他者交流の機会を持ち、楽しみのある生活を送ることにより、在宅での生活が充実して暮らしていけるようサービス調整を行っていきます。
・ご本人、ご家族の意向を踏まえ、外出機会を持つことで心身機能の低下を予防し、在宅での生活が継続できるよう自立支援に向けたサービス調整を行っていきます。
・ご本人、ご家族の意向を踏まえ、外出機会を持つことで心身機能の低下を予防し、在宅での生活が安心して行えるようサービス調整を行っていきます。
ご本人、ご家族の意向を踏まえ、ご本人の身体機能の維持・改善を狙い、在宅での生活が継続できるよう自立支援に向けたサービス調整を行っていきます。
ご本人、ご家族の意向を踏まえ、ご本人の身体機能の維持・改善を狙い、在宅での生活が継続できるよう自立支援に向けた安心して行えるービス調整を行っていきます。
2表:ニーズ
・なるべく自分のことは自分でしながら、人に頼らず生活したい
・痛みなく生活したい
・自信を持って歩きたい。
・自信をもって、外に出られるようになりたい。
・自宅内の移動を自信をもって行いたい。
・体力、筋力をつけて自信を持って歩きたい。
・自分の足て好きなところに行けるようになりたい。
・1人で「散歩・買い物・病院」に行けるようになりたい。
・『場所・目的地名』に行けるようになりたい。
・杖(歩行器)に頼らずに歩けるようになりたい。
・以前のように歩けるようになりたい。
・痛みを気にせずに歩けるようになりたい。
・今の歩ける状態を維持していきたい。
・これからも自分の足で歩いて行きたい。
・身体への負担を軽減し、安全な起居動作が行えるようにしたい
・自分の力で寝返り、起き上がりができるようになりたい。
・寝返り、起き上がりの負担を軽減させたい。
・安全に寝返り、起き上がりができるようになりたい。
・安全に寝返り、起き上がり、立ち上がりができるようになりたい。
・移乗動作を負担なく行えるようにしたい。
・痛みを和らげて生活できるようにしたい。
・疾患の悪化を予防したい(防ぎたい)。
・病状を安定させて、生活をおくりたい。
2表:長期目標・短期目標
歩行状態・移動(杖・歩行器・車いす)
長期目標 | 短期目標 |
〇〇まで行けるようになる。 | 〇〇mの連続歩行ができる。 |
××(近い場所)まで行けるようになる。 | |
下肢筋力をつける。 | |
転倒しない生活を送る。 | |
介助を受けずに歩行できるようになる。 | 介助を受けて歩行できる。 |
転倒しない生活を送る。 | |
転倒なく1人で歩けるようになる | 見守りの中で転倒なく歩けるようになる。 |
体力・筋力をつける。 | 毎日、運動(体操)を行う。 |
毎日、散歩を行う。 | |
毎日、外出する習慣を持つ。 | |
入院前の状態に戻る。 | 体力・筋力をつける。 |
転倒しない生活を送る。 | |
転倒なく、室内移動ができる。 | 杖を使用し、安全に移動ができる。 |
歩行器を使用し、安全に移動ができる。 | |
転倒なく、屋外移動ができる。 | 杖を移動し、安全に移動ができる。 |
歩行器を使用し、安全に移動ができる。 |
外出
長期目標 | 短期目標 |
介助を受けずに外出できる。 | 介助を受けて外出できる。 |
介助を受けずに散歩にいける。 | 介助を受けて散歩に行ける。 |
見守りの中で散歩に行ける。 | |
介助を受けずに買い物に行ける。 | 介助を受けて買い物に行く。 |
見守りの中で散歩に行ける。 | |
定期的な外出により気分転換をする機会を持つ。 | 外出機会を増やす。 |
介護者の負担を軽減をする。 | |
〇〇に行く。 | 体力・筋力をつける。 |
下肢筋力をつける。 | |
日中、横になっている時間を減らす。 | |
メリハリのある生活をおくる。 | 日中横になっている時間を減らす。 |
定期的に外出機会を持つ。 |
起居動作
長期目標 | 短期目標 |
介助を受けずに起居動作が行える。 | 介助を受けて起居動作を行う。 |
介助を受けずに寝返り、起き上がりが行える。 | 介助を受けて寝返り、起き上がりを行う。 |
自分で起居動作が行える。 | 福祉用具を利用して、起居動作が行える。 |
身体に負担なく起居動作が行える。 | 介助を受けて起居動作を行う。 |
福祉用具を利用して、起居動作が行える。 | |
身体に負担なく寝返り、起き上がりが行える。 | 介助を受けて寝返り、起き上がりが行える。 |
福祉用具を利用して、寝返り、起き上がりが行える。 |
活動・参加
長期目標 | 短期目標 |
定期的に、家族以外の人とのかかわりをもてる。 | 外出・他者交流の機会を持つ。 |
〇〇に参加する。 | |
明るい気持ちで生活することができる。 | 生活の中に楽しみを見つける。 |
『趣味』が続けられる。 | 〇〇ができる |
体力・筋力がつく。 | |
友人との交流を続ける。 | 体力・筋力をつける。 |
毎日、散歩を行う。 | |
毎日、運動を行う。 |
その他
長期目標 | 短期目標 |
体重が〇〇Kgになる。 | 体重が〇〇Kgになる。 |
毎日、運動を行う。 | |
毎日、散歩を行う。 | |
健康な生活を送る。 | 健康診断・予防接種を受ける。 |
適切な受診・服薬管理を行う。 | |
栄養バランスを考えた食事を摂ることができる。 | |
毎日、運動を行う。 | |
横になっている時間を減らす。 |
2表:サービス内容
リハビリ・運動が主のケアプランであっても、医療系やインフォーマルサービスもプランに載せましょう。
通所系(デイ・デイケア)
・バイタルチェック
・他者交流
・個別機能訓練
・リハビリテーション
・レクリエーション
・送迎
・移動の見守り
・入浴に伴う一部介助(一連の介助)
・口腔機能訓練
・自主訓練メニューの提案
訪問系(訪問リハ、訪問介護)
・歩行訓練(屋内)
・歩行訓練(屋外)
・生活訓練
・利き手交換
・住環境に合わせたリハビリテーション
・自主訓練メニューの提案
・栄養指導
住環境・福祉用具
・4点杖の貸与(安全な移動を行うため)
・歩行器の貸与(安全な移動を行うため)
・手すりの貸与(〇〇への移動を安全に行うため)
・車いすの貸与(安全な移動を行うため)
・特殊寝台及び付属品の貸与(身体負担を軽減し、起居動作を行うため)
医療
・診察、検査、処方
・訪問診療、検査、処方
・服薬管理
・薬の受け取り
・体調及び全身状態の観察
・在宅酸素管理
・ストマ管理
インフォーマルサービス
・散歩
・自主トレーニングの実施
・『趣味活動』への参加
・友人との交流
・リハビリテーション(自費)
・受診同行
・受診支援
・病院への送迎
・外出同行
・外出支援
・薬の受け取り
・服薬管理
最後に
ケアプラン作成における時間を短縮するための記事ですが、ケアマネジメントに手を抜けと言うわけではありません。
書類作成に時間を取られるのではなく、アセスメントや課題抽出、関係機関との連絡調整に全力を注ぎ、ケアマネジメント業務に励んでもらえたらと思います。
もちろん、自治体から出ている指示に従って作成をしてください。
ケアマネージャーの業務は、ケアプラン作成だけではありません。プラン作り以上に、力を注ぐべきところと思うのはサービス調整です。
これらの記事では、各種介護サービス利用における注意点についてまとめてあります。